中華レストラン効果について考えてみる

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中華レストラン効果って何だ?

1型糖尿病患者であり83歳の現役医師でもあるアメリカのバーンスタイン先生。

彼の著書「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」は悩める糖尿病患者にとってバイブル的な存在になっています。

よっしーも糖尿病と診断された頃、思い切って買いました。高価な本だったのでかなり迷いましたけど、本当に購入してよかったです。

 

 

さて。バーンスタイン医師の本を読んで初めて知ったことがたくさんあります。中でもよっしーが気になったのは「中華レストラン効果」という言葉です。

彼の患者さん(1型糖尿病の女性)が、毎日、午後に水泳に行くたびに血糖値が爆上がりするのだそうです。

具体的に言うと、空腹時血糖値90で大量のレタス(糖質10g分相当)だけ食べて水泳をした後、血糖値は300まで上がってしまうのだそうです。

1型糖尿病の方は糖質1gあたり血糖値は5ぐらい上がるので、レタスの糖質によって上がるとしてもせいぜい140ぐらいまでしか上がらないはず、しかも水泳という比較的強度の高い運動もしているのになぜ…ということですね。

 

 

バーンスタイン先生は、これを「中華レストラン効果」と患者さんたちに説明しているそうです。

中華料理のレストランでよく使われている、モヤシ・チンゲンサイ・キノコ類・タケノコなど、糖質は少ないが「かさ」があり満腹感をもたらすような食材たちにより血糖値が上昇するというのです。

これはいったいどういうことなのでしょうか!?

 

1型糖尿病患者の中華レストラン効果

小腸には、食後などにインクレチンと呼ばれる消化管ホルモンを放出する細胞があります。小腸上部からはGIPが、小腸下部からはGLP-1というインクレチンが分泌されます。

食事をして食べ物が消化管内に入ってくると、その刺激でインクレチンが分泌されます。インクレチンはインスリンを分泌させるのですが、同時に血糖値を上げる働きを持つホルモンであるグルカゴンも分泌されます。

インスリンとグルカゴンは、健常者では絶妙なバランスを保って分泌・作用するので、高血糖にも低血糖にもならないのです。

しかし1型糖尿病でインスリンを自己分泌できない場合、インスリンを分泌させる命令が出ても実際には出せないので、グルカゴンだけが分泌されることになります。

 

 

その結果、血糖値が大きく上がってしまうわけですよね。

先ほど紹介したバーンスタイン医師の患者さんの場合、水泳をしていても血糖値が300まで上がります。グルカゴンによる血糖上昇はけっこう手ごわいです。もし彼女が水泳をしなければ、血糖値はさらに上昇するのかもしれませんね。

もし水泳をするのが午後ではなく、もっともインスリンの効きが悪いと言われる早朝であれば、泳ぐことによってかえって血糖値は上昇するかもしれません。

なお、1型糖尿病でもゆっくり進行するタイプでまだインスリン自己分泌が残っている方であれば、2型糖尿病(後述)と同様の結果になると思います。

 

2型糖尿病患者の中華レストラン効果

では2型糖尿病患者の場合はどうでしょうか?2型の場合、インスリン分泌能力が完全にゼロになっている患者はほとんどいないと思います。

だから、中華レストラン効果があるとしても、1型の方ほどは血糖値の上昇は大きくないと思います。

ただし糖尿病患者では、健常者と比較するとGIPがグルカゴン分泌を促す作用が強くなっている傾向があると考えられています。

 

日本大学医学部 内科学系 糖尿病代謝内科学分野|糖尿病研究について
現在、日本糖尿病学会が認定する糖尿病専門医は約4,000名です。糖尿病の患者数は年々増加の傾向にあり、糖尿病患者の管理ができる専門医を養成することがますます必要に...

 

2種類のインクレチンのうち、グルカゴン分泌を促すのはGIPです。GLP-1はあまり影響を与えないようです。

2型糖尿病でインスリン分泌能力が残っていても、タンパク質の大量摂取でグルカゴンが分泌されて血糖値が上昇するタイプの方がいらっしゃいます。ある種のアミノ酸はインスリンを分泌させ、同時にグルカゴンも分泌されます。

この時、インスリン分泌能力があってもインスリン<グルカゴンになる方がいらっしゃるとのこと。

それと同じで、GIPの強い作用により2型糖尿病であっても中華レストラン効果により血糖値が上昇することもあるでしょうね。

2型でもインスリン分泌能力がかなり落ちている場合は、血糖値の上昇もやや大きくなるかもしれません。

 

どうしたら中華レストラン効果を防げるのか

中華レストラン効果は、食事の量が大量だとより起こりやすくなるそうです。

だから、たとえ糖質がごくわずかしか含まれないもの(レタスや糖質ゼロ麺など)であっても、あまりにも大量に食べるのは良くないということです。

1度に食べる量を少なめにして、食事の回数で補うのもいいかもしれません。もっとも、1型の方は食事のたびにインスリンが必要になりますので、やたら食事回数を増やすわけにもいきませんが…

別の方法として、DPP-4阻害剤(グラクティブ、ジャヌビア等)にはグルカゴンの過剰な分泌を抑制するという効果があるそうです。

 

 

ただし、よっしーは糖尿病と診断された当初グラクティブを服用していましたけど、飲んでいない現在のほうがHbA1cは低いです。

誰にでもすごく効果があるとは限らないのかも…期待しすぎてはいけません。それに、DPP-4阻害剤は心血管系、骨代謝、免疫系などに影響を与えることもありますので、どんな薬でもそうですけれど長期服用は慎重に行わなければいけません。

糖質オフな食材ですら、お腹いっぱいになるまで食べてはいけないとは…何ともまぁ切ない話ですけ、ちょっと気を付けて見てくださいね!