日本でも昔からあった糖尿病…藤原道長・織田信長・源頼朝も!?

2型糖尿病は現代病ではなく、昔から日本にもあった!

日本人の糖尿病の95%は2型糖尿病です。2型糖尿病は近年の食生活の変化に伴って発生した病気だと思われがちですが、昔から日本にも患者がいたようです。

もっとも江戸時代ぐらいまでは平均寿命が40~45歳前後だったので、糖尿病が発覚するよりも前に亡くなっていた人は相当たくさんいたと思われますけど。

急激に進行するタイプの1型糖尿病ならともかく、2型糖尿病なんて相当進行するまでは何の自覚症状もありませんからね…昔って尿糖試験紙も血糖測定器もなかったですもん。

 

 

平安貴族の藤原道長が糖尿病だったことは有名です。やたらとのどが渇いて水をたくさん飲み、視力がかなり衰えたという記録が残っています。

さらに道長の兄も叔父も甥も糖尿病だったということ。これは1型糖尿病ではなく、遺伝性の強い2型糖尿病でしょうね。

平安時代、庶民は白米を食べることはほとんどできなかったようです。貴族たちはロクに運動もせずに白米や糖質の多いお酒を飲み食いしていました。

さらに驚くなかれ、道長は白米に砂糖をふりかけて食べるのが好きだったそうです!!「えぇー気持ち悪い!!」と思われるかもしれませんね。

 

 

でもよく考えてみると、寿司のシャリは白米+酢+塩+砂糖ではありませんか。おはぎ・ぼたもちだってモチ米・米・あずき・塩・砂糖で作りますよね。

サザエさんのご先祖の磯野藻屑源素太皆(いそのもくずみなもとのすたみな)さんは殿様の目の前でおはぎ38個食べて褒美をもらったそうですが、普通人が真似したら…大変!!

 

にゃご
えーっと…白米もおはぎも日本伝統の食文化だよな?

よっしー
大昔のおはぎは甘くなかったらしいけど、日本の伝統的な食べ物よね。決して欧米食ではないわ。

 

織田信長や源頼朝も糖尿病にかかり合併症に苦しんだ?

織田信長もまた糖尿病で、のどの渇き(当時「飲水病」と呼ばれていた)と合併症の神経障害に悩まされていたようです。信長は決して肥満体型ではなかったそうですが、スイーツが好きだったそう。

当時は砂糖は貴重品で、一般庶民はめったに食べることは出来なかったでしょう。しかし信長はポルトガル人から献上されたこんぺいとうを大変喜び、また干し柿が大好きでした。

さらに湯漬け(冷ご飯にお湯をかけたもの、お茶漬け的な)が好きで、濃い味付けのものを好んだとか。濃い味付けのおかずが好きだと、ご飯もすすむでしょうね…

信長はせっかちで短気な性格だったことは有名です。手っ取り早くかきこんで食べられる湯漬けは、きっと食べやすいものだったに違いありません。やはり糖質の早食いは非常によくありませんね。

 

 

53歳で亡くなった源頼朝も糖尿病だったのではないかと考えられているそうです。関白・近衛実家の日記に「前右大将頼朝卿、飲水に依り重病」という記載があるそうです。

やたらのどが渇く病気と言えば、進行した糖尿病がまず思い浮かびますよね。よっしーも糖尿病性ケトアシドーシスで入院する1年ぐらい前からのどが渇いていましたよ。

源頼朝は馬に乗っていて落馬して亡くなったと伝えられていますが、馬に乗り慣れた武士が落馬することってあまり考えにくいと思いませんか?

糖尿病がもともとあって、脳出血を起こして落馬したのではないかと言われるのはこういうことなんですね。

 

 

ちなみに、織田信長と違って源頼朝は特に甘いものが好きだったという記録は残っていないようです。鮭の燻製が大好きだったそうですよ。

玄米おこわに魚の干物、味噌汁と梅干といった質素な食生活だったそうです。うーん…よっしーの若い頃の食事も玄米と魚と野菜が多い食事でした。頼朝さんも糖尿病になりやすい体質だったのかしら。

鮭の燻製そのものは糖質が少ないので糖尿病にはまったく悪くないものですけど、こういうおかずを食べる時はご飯が食べたくなりますね。

 

昔の糖尿病の食事療法は糖質制限食だった

スイーツが大好きだった夏目漱石は、糖尿病になり、今でいう糖質制限のような食事療法(厳重食)をしていましたが、途中でやめてしまったようです。

かつて日本で行われていた糖尿病食事療法の「厳重食」では、食べていいものは肉・貝・魚・卵・豆製品・脂肪・糖質が少ない野菜・糖質が少ない果物だったそうです。

まだインスリン注射が発明される前の時代、すでに日本人は糖質の多い食品が糖尿病に良くないことを経験的に知っていたのですね!野菜や果物の中にも糖質が多いものがあることも含めて。

いったん厳重食で糖尿病合併症が改善した漱石でしたが、もともと大の甘党だったため結局は挫折してしまいました。

 

 

晩年、病気療養のために宿泊していた宿にアイスクリーム製造機を持ち込み、アイスクリームを作らせたそうですよ。糖質の誘惑おそるべし!ですね。そして漱石は49歳の若さで亡くなってしまいました。

かつて1型糖尿病患者は生き延びることが出来ませんでしたが、インスリン注射の発明によって救われました、これはとても画期的なことでした。

しかしインスリン注射が発明されたことにより、2型糖尿病患者までが「インスリンを打てば普通に糖質を食べてもいいんだ♪」ということになってしまったんですよね…

そして、特に科学的根拠があるわけじゃないけど当時の日本人の平均摂取バランスがその程度だったというだけの理由で「エネルギーの6割を炭水化物から摂取しましょう」ということに決まり、現在に至ります。

 

本当に食生活の欧米化が糖尿病の原因なの?

しょっちゅう「食生活の欧米化が悪いんです!」などと言われますが、食生活が欧米化するよりもずっと前から日本にも糖尿病患者はいたんです。

そして欧米でも、糖尿病患者は増え続けています。…あちらでは元から高脂肪食だったことに変わりはないでしょうに。

食生活が欧米化したことで日本人の平均寿命は飛躍的に伸びましたが、長生きするようになったので糖尿病や認知症、ガンになる人も増えたということでしょう。

 

 

いずれも、40歳未満の若い人はあまりかからない病気ですから…ちなみに江戸時代の医学書には、すでに糖尿病合併症やガン(胃ガン・乳ガン・舌ガン・食道ガンなど)についての記述があります。

歴史的な事実として、昔の日本人の平均寿命は短かったです。それは必ずしも食事のせいとは言えません。伝染病など、昔は治せない病気がたくさんありましたからね。

しかし、昔の日本型の食生活が健康に良いと証明することはできません。なんといっても、昔の人は原因はともかく、長生きしなかったのは事実なんですから。

 

近所のご長寿さんの食生活を真似すれば長生きできる?

「で…でもっ!近所のおばあちゃんは毎日お米を食べているけど100歳まで糖尿病にもガンにもならずに元気だよ?やっぱりあのおばあちゃんみたいな食生活が健康の秘訣なんじゃないのっ!?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

でもね、そのおばあちゃんがそうだからといって、誰もが同じだとは限らないんですよ。特別食べすぎていたわけでもないのに20代で妊娠糖尿病になり、おそらく30歳になる頃にはすでに2型糖尿病に移行していたと思われる私。

そんな私のような者が何も考えずにそれまで通り普通にご飯を食べる生活を続けていれば、おそらく長生きは出来ないでしょうね!

はっきり言って、何をしても長生きする人はいます。よっしーの父方の祖父はヘビースモーカーでしたがガンにも糖尿病にもならず比較的長生きしました。

 

 

でも自分は絶対にタバコなんて吸おうと思いません!祖父は「吸っていてもたまたま長生きできた」だけであって「吸ったから長生きしたわけではない」のは明らかだからです。

いろいろな体質の方がいらっしゃるので、特に健康に気を使わなくても病気にならず長生きする人はいるんです。その食事による悪影響を受けにくい方だけが生き残ると言うべきか。

メディアの健康情報というものは、話半分に聞いておかなければいけません。何かを販売している人たちは自分のところの製品に都合が悪い情報を流すわけがありませんし、お金をもらってネット記事を書く「プロ」のライターさんもたくさんいます。

結局はそういう情報に流されずに、自分でいろいろやってみて体調と相談しながら何が正しいのかを自分で判断していかなければいけないんですネ。

 

にゃご
何となくテレビや雑誌でこう言ってるからそうなのねーって思ってる人は多いぞ、でも本当にそうなのかどうか自分の頭で考えないとな。

よっしー
論文や教科書に書いてあることをそのまま読み上げることが賢さじゃないわ、問題は実際に自分の場合はどうか?なんだからね♪

 

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