西城秀樹さんは糖尿病でかなり前からインスリン注射をなさっていた

お腹にインスリン注射をする男性

21~22年前からインスリン注射をなさっていた西城秀樹さん

2018年5月16日に歌手の西城秀樹さんが急性心不全でお亡くなりになったことはまだ記憶に新しいと思います。63歳でした…

西城秀樹さんが過去に2度、脳梗塞を発症していたことは有名でしたが、やはり…糖尿病も持っておられたそうです。

それもインスリン注射をされていたそうなので、決して軽度ではない糖尿病のはずです。21~22年前に糖尿病と診断されてインスリン注射を開始されたそう。

 

 

西城秀樹さんは約3年前から、リハビリ施設で週4~5日もかなりハードなリハビリを頑張って来られたそうです。苦しさのあまり悲鳴やうめき声が出るほどだったとか!

それで、西城秀樹さんは最後に倒れた日も夕方までこのリハビリ施設でリハビリを頑張っておられたそうです。

糖尿病患者だった西城秀樹さんの身に起こったことは、よっしーたちにとっても決して他人事ではありません…ちょっと一緒に考えてみることにしましょうか。

 

にゃご
西城秀樹さん、一生懸命生活を改善したのに…とても気の毒だったよな。

よっしー
西城秀樹さんは芸能人なので大きく報道されたけど、彼と同じような感じで亡くなっている糖尿病患者さんは山ほどいらっしゃるのよ。みなさん、他人事と思ってはいけないわ!

 

野菜たっぷりでバランスの良い食生活でジムにも通っていたのに…

西城秀樹さんはもともとヘビースモーカーでタバコは1日に4箱吸い、お酒もお好きだったそうです。ただ、スポーツクラブに通って身長181cm体重68kg前後の体型をキープされていたそう。

西城秀樹さんは2003年に1回目の脳梗塞を発症なさってからは、野菜を多く摂取するなどかなり食事には気を付けていらっしゃったそうです。

具体的に言うと、いわゆるバランスの良い野菜が多い食事で朝食は納豆とヨーグルトを欠かさず。食事量も「腹7.5分」程度の少量だったそうですよ。

 

 

しかし、奥様も西城秀樹さんのために一生懸命ヘルシーな食事を用意して支えてくださっていたにも関わらず、2011年にふたたび脳梗塞になってしまいました。

みなさんもすでにご存知かと思いますが、糖尿病患者は健常者の方と比較して脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクが高いのです。

これは動脈硬化が起こり、血管が硬くなったり血管の中が狭くなって詰まりやすくなることと大いに関係があるのです。

ではなぜ糖尿病患者は動脈硬化が起こりやすいのでしょうか?原因は「糖化」そして「高インスリン血症」です。

 

「糖化」「高インスリン血症」ってどんなこと?

食パンをトーストすると、こんがりと美味しそうな茶色に焼けますよね?また、たまねぎをじっくりと炒めると美味しそうなあめ色に変わります。

これらは「メイラード反応」と言い、糖とタンパク質に熱が加わって起こります。料理なら美味しいのですが、これが体内で起こると非常に困ったことになってしまいます。

2型糖尿病患者の方の中には、ごはん・パン・お菓子などの糖質が大好きな方が少なくないはず。1型糖尿病の方の中にも「インスリンを打つから平気」と考える方もいらっしゃるでしょう?

 

 

体温で過剰な糖とタンパク質が結びつくと、血管が「糖化」によって少しずつ傷んでいきます。悪者とみなされがちなコレステロールはこのキズを修復しますが、あまりにキズが多いと修復が追いつきません。

体内のあちこちでこの糖化は起こります。起こった場所によって、骨密度の低下・白内障・肌の老化・各種の糖尿病合併症を引き起こすのです。

ちなみに、果物に多く含まれる果糖は血糖値を上げない代わりにブドウ糖の10倍も糖化しやすいそうです。しかも果物には果糖以外の糖質もしっかり含まれています。食べすぎにはご注意を。

高インスリン血症は、比較的軽度の2型糖尿病でインスリンの効きが良くないためにインスリンが出すぎているか、あるいは糖質をたくさん食べるためにインスリン注射をたくさんしている状況で起こります。

 

 

インスリンが大量に分泌されると、細胞に活性酸素が生じます。活性酸素は激しい運動をやりすぎた時にも多く発生しますよね。

多く増えすぎた活性酸素が、血管や細胞を傷つけて動脈硬化を進行させます。インスリンは血液に乗って全身をめぐりますから、このような状態では体中全部の血管で同じようなことが起きている可能性が高いのです。

内科医の水野雅登先生によれば、糖化よりも高インスリン血症による血管への悪影響の方がはるかに大きいのだそうです。みなさん「血糖値さえ上がらなければいいや」と思っていませんか??

 

糖尿病を発症してから年月が経った患者の運動は危険を伴うかもしれません

西城秀樹さんはいつから糖尿病を発症なさっていたかは分かりませんが、亡くなる21~22年前の時点でインスリン注射を開始されたという事です。

おそらく2型糖尿病だと思われますけど、2型糖尿病って普通はかなりゆっくり進行するものです。気付かなかっただけで、発症なさったのは若い頃だったのではないでしょうか?

糖尿病を発症してからの期間が長いと、動脈硬化がかなり進行していた可能性が高いです。動脈硬化は「糖尿病予備軍」の時からすでに進行が始まっていますからね。

それで血管の内側にプラークがへばりついていることも往々にしてあるのです。何年もかけて食生活を改善してゆっくりとプラークを減らしていくことは非常に重要です。

 

 

1型糖尿病のバーンスタイン医師は、かなり長期間(おそらく数十年?)かかって、脚の血管のプラークがすべて消えたことに気付いたそうです。

しかし、激しい運動を行うと、動脈硬化のある人では「運動高血圧」といって一時的にかなり血圧が上がることがあります。また血流も激しくなります。

こういう時にプラークが破裂して流れていき、脳や心臓で詰まってしまうと脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのです!!マラソン中の突然死、しばしばありますよね?

また糖尿病合併症の中でも比較的早い時期から出てくる合併症の神経障害があると、心臓の拍動の調整もうまくいかないことがあります。よっしーは自律神経障害による安静時頻脈がありました。

 

糖尿病患者の運動には危険が伴う場合もあることを忘れずに!

糖尿病、とりわけ発症してからの期間が長い患者はいろいろな理由で強度の高い運動はとても危険かもしれないのです。

運動不足は良くありませんが、病気ではない健康な若い人とまったく同じ感覚で「糖尿病は激しい運動をすればOK」「糖尿病はばりばり運動してヤセればOK」なんて言うのはすごく無責任で危険です!

今までにも何度も書いていますが、糖尿病患者の運動療法は健康な方のダイエットや糖尿病「予防」のためのそれとは違うということをどうか忘れないでください。

 

 

西城秀樹さんは脳梗塞のあと本当に一生懸命食事に気を付けて週4~5日もハードなリハビリをなさっていたそうですね。

でも、良かれと思って実践していた食事が実は糖質多めだった可能性もありますし、一生懸命行っていたリハビリがかえって良くないことを引き起こした可能性も否定できません。

糖尿病だからといって必要以上にクヨクヨする必要はありませんが、事実は事実としてこの危険性をしっかりと認識しておかなければいけませんよね。

 

にゃご
食後に運動すれば血糖値が下がらないからと言って、ただ運動していればいいわけじゃないんだよな。気をつけようぜ。

よっしー
そう、糖尿病患者は血管や神経が傷んでいるということを忘れないようにね。

 

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