健康診断で血糖値とHbA1cがA判定またはB判定だった方へ

会社の健康診断は終わりましたか?結果は?

みなさん、会社の健康診断は終わりましたか?血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、コレステロールなど色々な項目がありましたよね。

そしてそれぞれの項目に対してA判定(異常なし)・B(わずかに正常値をオーバー)・C(軽い異常あり)・D(異常あり)・E(病院で治療の必要あり)のように評価がされているはず。

若い方ならともかく、40歳以降ともなればオールA判定という方ばかりではなく1つや2つはB判定があったりするのではないでしょうか?

 

 

それで「Bか…でも大したことないしまぁ大丈夫だろう」と思ったり「やった!俺はオールAだからなんにも問題ない!」と油断してしまったり…あるあるですね?

でもね、大丈夫だと思ってそのままにしておくと大変なことになってしまうかもしれません。今回はそんなお話です。

 

にゃご
健康診断でA判定だったのなら何の問題もないんじゃないのかな?

よっしー
ところが、必ずしもそうとは言えないのよね…

 

健康診断の血糖値とHbA1cの基準は甘い!?

糖尿病関連の健康診断の検査といえば、血糖値(空腹時血糖値)とHbA1c(過去2か月ぐらいの血糖値の平均値を反映する)ですよね。

空腹時血糖値の正常値は70~99まで、HbA1cの正常値は4.3~5.5までとされる場合が多く、この範囲内であれば確実にA判定になるはずです。

ちょっと前までは血糖値の正常値は70~109だったんですけど、100~109は「正常高値」ということでB判定とされるようになりました。HbA1cも5.8までは正常範囲とされていましたけど、今はB判定になりますね。

 

 

以前「僕はHbA1c5.8だからまだ糖尿病ではない」とおっしゃっている方も見かけたんですけど、HbA1c5.8というのは、過去の血糖値の平均が120ぐらいだったことを意味します。

推定平均血糖値(mg/dl)=28.7×HbA1c(%)-46.7 ※アメリカ糖尿病協会が推奨している換算式です。

仮に空腹時血糖値が85だとしてHbA1cが5.8あるということは、食後だけ血糖値がかなり高くなっている(=血糖値スパイク)可能性が高いです。

下のグラフは川村内科診療所様のサイトからお借りしました。空腹時血糖値が同じなら食後血糖値が高ければ高いほど死亡リスクが上がるのは当然ですよね。

 

 

 

 

でも、空腹時血糖値が高めでも食後血糖値はそうでもない…という方より「空腹時血糖値は正常で食後血糖値のみ高い」人の方が死亡リスクが高いんです!

健康診断では普通、空腹時血糖値とHbA1cしか測定しません。食後血糖値は、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を受けなければ分からないんです。

空腹時血糖値が完全に正常値で食後高血糖があってもHbA1cはせいぜいB判定でおさまっている方はかなり多いと思われます。

HbA1cが5.5を超えている場合は、もしかしたら糖尿病に片足を突っ込んでいるのかも…と思ってちょっと気を付けたほうがいいと思いますよ。

 

B判定だからまだまだセーフで心配はいらない!?

空腹時血糖値がA判定だったとしても決して油断は禁物なのですが、ではB判定だった方はいかがでしょうか?

「D判定やE判定だとヤバいけど、B判定なんて余裕っしょ!」と思ってそのまま放置している方が多いのではないでしょうか?

夫いわく、職場の健康診断でちょっとばかり異常値が出ても放置している同僚はかなり多いらしいです…

 

 

上のグラフは北陸中央病院様のサイトからお借りしました。人間ドックで空腹時血糖値がA判定だった方が5年後に糖尿病になる確率は0.5%だったそうです。

しかし空腹時血糖値がB判定(100~109)だった方が5年後に糖尿病になる確率は6.5%で、C判定(110~125)だった方が5年後に糖尿病になる確率は28.2%です。

もちろん、これは5年後にガチの糖尿病になっている患者の割合だけを示したものなので、たとえば現在A判定でも5年後にはB判定になっている例は含んでいませんのでご注意くださいね!

もう何年も前から毎年空腹時血糖値がB判定だけど、甘いものが好きなので特に何も対策していない…という方も数人知っています。ちょっと心配です。

 

血糖値とHbA1c以外の項目はいかがでしたか?

糖尿病関連の検査は血糖値とHbA1cですが、その他の検査結果にも注目してみましょう。中性脂肪(トリグリセライド)やHDLコレステロール、LDLコレステロールなどの脂質関係はどうですか?

中性脂肪が多すぎる・HDLコレステロールが少なすぎる・LDLコレステロールが多すぎる…のいずれかに当てはまると脂質異常症と言われます。

中性脂肪が多すぎるとすい炎や脂肪肝になりやすく、コレステロールに異常があると動脈硬化から様々な症状(脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞・大動脈瘤・腎機能低下・糖尿病合併症・高血圧・少し歩いただけで腰や足が痛くなるなど)を引き起こします。

 

 

LDLコレステロールは昔は「悪玉コレステロール」なんて呼ばれていましたけど、じつはLDLコレステロールの中には無害な奴と超悪質な奴がいることが分かっており、普通の会社の健康診断の検査では両者を区別できないので一緒くたに計測しています。

中性脂肪が多くてHDLコレステロールが少ない場合、超悪質なLDLコレステロールが多いとされます。逆に中性脂肪が少なくてHDLコレステロールが多い場合は無害な奴がほとんどだそうです。

もっとも問題なのは、中性脂肪が多くてHDLコレステロールが少なく、LDLコレステロールが多くて食後血糖値が高めで糖質が大好き…という方です。

このような方は最も動脈硬化が進行しやすいタイプと思われます。まだ糖尿病予備軍と言われる段階から静かに動脈硬化は進行していきますので、くれぐれも気を付けてくださいね。

 

A判定やB判定だったあなたも食生活を振り返ってみましょう

C判定・D判定・E判定だった方はできるだけ早く病院へ行くべきだと思いますけど、A判定でも正常範囲ギリギリだったという方やB判定があった方は現在の食生活について見直してみるチャンスです。

空腹時血糖値が完全に正常なのにHbA1cが正常範囲内でちょっと高めかも…という場合は、糖質の摂りすぎに気を付けるだけで糖尿病発症のリスクをかなり低くすることが出来るはずです。

よっしーの友達でお父様が2型糖尿病で糖質制限をしているのを見て自分も真似するようになり、アラフォーの現在も自分は糖尿病を発症しないで済んでいるという子もいます。

 

 

よっしーのように、うんと病気が悪くなってしまってからあわてて糖質制限などを頑張っても、決して発症前の状態にまで戻ることはもうできません。

ここまでひどくなってしまうと、どんな方法を用いたとしても現状維持程度が精いっぱいなのかもしれません。でも、少しでも改善するといいな…と思いながら日々生活しています。

でも、ごく初期の段階(糖尿病予備軍の状態)で糖質制限を開始した方の7割が1年後に正常型になったというデータがあります。手遅れにならないうちに気を付けましょう。

 

にゃご
まだ大したことは無い…と思って放置していると後戻りできなくなってしまうこともあるから気をつけないとな!

よっしー
よっしーみたいなことにならないように、みなさんはくれぐれも気を付けてね♪

 

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