妊娠糖尿病が産後治らずに2型糖尿病に移行してしまった場合はどうする?

産後、妊娠糖尿病が治らないこともある…

最近、「妊娠糖尿病だったのが出産後も治らずに2型糖尿病になってしまったかも…」という話を何人かの方から聞きました。

妊娠糖尿病は胎盤から出るホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなり、それに対応できるだけのインスリンを分泌できないために血糖値が高くなる一時的な糖尿病状態のことを指します。

もともと糖尿病だった女性が妊娠した「糖尿病合併症妊娠」とは違い、妊娠糖尿病は産後は治る方が多いです。

よっしーは2度の妊娠糖尿病で2度とも産後2週間の時点でOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)の結果は正常型でした。

 

 

しかし次男の時は妊娠中のHbA1cもかなり高く、また産後のOGTTの結果も正常型と言っても本当にギリギリの数値だったと記憶しています。

次男を出産してから糖尿病性ケトアシドーシスを発症するまでの期間は8年間ほど。糖尿病合併症の中でも神経障害は比較的早くから出てきますが、腎症や網膜症はすぐに出るわけではありません。

よっしーは次男出産後、ギリギリとはいえOGTTの結果が正常でした。だから産婦人科医から「あなたはまだ20代なので今後の人生は長い、太らないようにカロリーに気をつけなさい」と言われただけで内科でのフォローは一切ありませんでした。

で、専業主婦だったので健康診断を受ける機会もなく、息子たちを実家の母にちょっとお願いしてささっとジムに行って筋トレやボディコンバットなどに励んでいましたが結局ダメだったわけです…

 

にゃご
産後は努力したはずなのにいつの間にか2型糖尿病になってしまったのか…切ないよな。

よっしー
本当にそうよ、あれで生活習慣が悪かったというのなら世の中の9割の人はもっと良くないと思うわよ!

 

妊娠糖尿病が治らない確率は?また治らない理由は?

妊娠中は誰でも胎盤から出るホルモンのせいで普段よりインスリンの効きが悪くなります。でも妊娠糖尿病になる妊婦さんとならない妊婦さんがいらっしゃいますよね。

妊娠糖尿病になった妊婦さんは、もともと糖尿病になりやすい体質だったからこそ妊娠という負荷に耐えられずに発症したのです。

 

 

よっしーは独身の頃、普通の人の何倍も運動していました。ジムに入りびたり状態!仕事も立ち仕事で忙しく駆け回っていました。

すごーく運動していたのでかろうじて発症せずに済んでいただけなのかもしれません。産後、赤ちゃんがいるのに独身時代と同じレベルで運動しろと言われてもさすがに無理でした…

妊娠糖尿病は産後治る方も多いのですが、産後そのまま治らない方やよっしーのようにいったん治ってもいつの間にか糖尿病に移行してしまう女性は多いのです。

妊娠糖尿病の人は産後3~6ヶ月の検査で5.4%が糖尿病、25%に何らかの耐糖能異常が見られるそうです。多いですよね!

 

 

産後1年以内に糖尿病になる確率は2.6~38%、産後5~16年で糖尿病は17~63%の確率で発症するそう。なお数値にかなり幅があるのは、調査によって結果にばらつきがあるからです。

また妊娠糖尿病の妊婦さんは異常のなかった妊婦さんと比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍・産後11年経った平均年齢40.6歳の時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比べてかなり高かったそうです。

妊娠糖尿病と診断された女性の中には、じつは気付かなかっただけで妊娠前に軽い糖尿病を発症していた方もいるかもしれません。この場合は産後も治らないでしょうね。

また妊娠中にかなり太ってしまって体重が戻らない場合もやはりそうなりやすいです。肥満はインスリンの効きを悪くするからです。

 

産後に2型糖尿病に移行しないために何が出来るでしょうか?

産後はミルクよりも母乳で赤ちゃんを育てたほうがママの2型糖尿病のリスクは減ることが分かっています。また体重が増えた方は早く元に戻しましょう。

ヒトの母乳100mlあたりのカロリーは65kcalです。生後1か月の赤ちゃんで約650mlの母乳を飲むとされています。

母乳650mlのカロリーは65×6.5≒423kcalですので、母乳育児をしているママはそれだけ余計なカロリーを消費していることになりますよね。

でもこれだけでは、残念ながら必ずしも糖尿病を予防することは出来ないと思います…よっしーは息子たちを母乳だけで育て、ジムでかなり運動もしていて体重も戻していたのに発症したからです。

 

 

でも、必ずしも完璧ではないとはいっても、これらの努力はしないよりもしたほうがいいに決まっていますよね。

多くの方は「ご飯をしっかり食べないと母乳が出ないのではないか?」と思いがちですが、2人目のお子さんを糖質無しで母乳で育てていて上のお子さんと同様何の問題もなかったという方がいらっしゃいます。

糖質の多い食事で乳腺炎になったけれど、糖質制限でお肉をたくさん食べたら乳腺炎にならなかったという体験談も。

よっしーは糖質制限をしながら授乳をしたことがないので自分の実感としては分からないんですけど、よく考えてみたら縄文時代以前の女性たちは糖質を食べずに妊娠出産をしてきたんですからね♪

 

産後はようやくスイーツやご飯を好きなだけ食べられると思ったのに…

妊娠糖尿病のみなさんは、妊娠中は血糖測定やらインスリンやら食事制限でとても苦しい思いをなさっていたことと思います。

だから「赤ちゃんが生まれたからこれでもうあんな制限とはおさらばよ、ガマンしていた甘い物もご飯もいっぱい食べるんだ!」と思う気持ちはすごーーーーく理解できます。

よっしーもそうでしたから…産後のOGTTの結果が良好だったので、もう治ったから大丈夫だと思いました。玄米食とジム通いで体重を戻して、これでもう心配は無いと思いました。

でも、この油断が本当に本当に危険なのです。よっしーは後悔しているんです…現在妊娠糖尿病の妊婦さんたちには、自分と同じことを繰り返して欲しくないんです。赤ちゃんの将来のためにも。

 

 

産婦人科医の宗田哲男先生の患者さんたちの中には、1人目の妊娠中に妊娠糖尿病になった後ゆるやかな糖質制限を2年以上継続した結果、次の妊娠では妊娠糖尿病を発症しなかった女性がたくさんいらっしゃるそうです。

それも「単に糖質制限をしているから血糖値が上がらないだけ」ではなくOGTTの結果が完全に正常だったそうですよ♪

妊娠糖尿病になった女性は、産後は妊娠中ほど厳しく食事制限をしなくてもいいと思います。でも完全に妊娠前の食生活に戻してしまうのは良くないかもしれません。

妊娠前はギリギリ発症しなかっただけで、もともと糖尿病とかなり近い位置にいたかもしれないんですからね…妊娠糖尿病は、あなたがそういう体質であることを教えてくれるキッカケだったのかも。

 

親子でずっと健康に暮らしていくためにできること

糖尿病になりやすい体質というのは、さまざまな遺伝子が絡み合って決まっています。これは生まれつきの問題なので現代の医学では体質そのものを変えることは不可能です。

もちろん、喫煙・肥満・運動不足・過食などがより糖尿病のリスクを上げるのは確かですので、このようなことを避けるのはもちろん良いことです。

しかし世間一般で「健康的な生活」と言われるような生活を送っていても体質によっては糖尿病を発症してしまう方はいらっしゃいます、よっしーのように。

 

 

これは生まれつきの体質なので、ある意味仕方がないことなんです…アルコール分解酵素をほとんど持たない人がお酒を飲めないのと同じことです。

お酒が飲めない人はお酒を飲まなければアルコール由来の病気には絶対にかかりません。糖質の処理が苦手な体質なら、糖質を摂りすぎなければ特に悪いことは起こらないんです。

糖尿病にかかりにくい体質の人たちが考える「適量の糖質」はあなたやよっしーたちには多すぎるかもしれないということを忘れてはいけません。

具体的に言うと、食後血糖値が正常値をはみ出さない程度の糖質量(おそらく個人差もかなりあるでしょうね)に糖質の摂取量をセーブするんです。

 

 

産後すぐ気付いたのなら、糖質を控えるだけで薬やインスリンなしで血糖値を良好にキープできる方が多いのではないでしょうか。糖尿病合併症も心配ありません。

幸い、今は糖尿病ではなくてもダイエットや学業成績UP、その他の病気の改善や予防目的で糖質制限を行う人たちも少しずつ増えてきたので、糖質オフなスイーツも手に入りやすくなりました。

これまでの食生活を変えるのはちょっとしんどいかもしれませんが、それまで何も考えていなかった糖質との付き合い方を考え直すことで、ママも同じ体質を受け継いだかもしれない赤ちゃんもずっと糖尿病合併症にならずに元気に暮らせるのなら、それで良いと思います。

そうやって血糖値を上げ過ぎないように工夫して暮らしているうちに、いつか糖尿病体質を完全に克服する方法が見つかるかもしれませんしね♪

 

にゃご
ただ糖質の処理があまり得意ではないという体質ってだけなら、それに合わせた食事をすればいいんだよな。

よっしー
そういうことね。自分の体質に合わないものをインスリンを打ってまでどうしても食べないといけないのか…ってことね!

 

♪よろしければ併せてお読みください♪
→妊娠糖尿病または糖尿病合併妊娠の妊婦さん向けの過去記事まとめ(クリックで記事へ)

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