糖尿病と亜鉛の関係とは?亜鉛サプリを飲むと血糖値は下がる?

亜鉛は糖尿病患者にもとても大切です

亜鉛は、成人の体内に約2g含まれている微量元素で、鉄の次に多いものです。亜鉛は体のあちこちに存在し、不足すると皮膚炎・口内炎・脱毛症・下痢・貧血・食欲低下・ホルモン異常・味が分かりにくくなる・傷が治りにくいなどの症状が現れることがあります。

亜鉛は牡蠣(かき)や肉・魚などに多く含まれており、普通に食事をしていればそれほど不足することは無いのではと思いがちです。

 

 

しかし実際には、さまざまな理由から亜鉛が不足気味の状態になっている方が少なくないそうです。症状が軽いと、亜鉛不足のせいだとはなかなか気が付かないかもしれませんね。

そして、糖尿病患者の血液を調べると、糖尿病患者は健常者と比べて体内の亜鉛が少ない傾向があるのだそうですよ。亜鉛不足だとまずアルカリホスファターゼ(ALP)が低い値になります。

亜鉛はインスリンの原料だから、亜鉛不足が糖尿病のひとつの原因となっていることは納得がいきますよね。では、サプリ等で亜鉛を補ってやれば糖尿病は改善するのでしょうか?

 

にゃご
ああ、よっしーが1週間ぐらい前に亜鉛のサプリを飲み始めたのはそういうことだったのか!

よっしー
今までは亜鉛なんか飲んでも…と正直思っていたんだけど、いろいろ調べていくうちに気持ちが変わったのよ。

 

亜鉛が不足しがちな食生活とは?

亜鉛は牡蠣や肉、魚などに多く含まれているので、これらの動物性食品をあまり食べない方は亜鉛不足になりやすいです。

また、亜鉛を含む食材をしっかり食べているとしても、玄米や豆類に含まれるフィチン酸やホウレンソウなどに含まれるシュウ酸が亜鉛の吸収を邪魔します。

この他、食物繊維やカルシウム、加工食品に含まれる添加物の一部も亜鉛の吸収を悪くしてしまうようです。気を付けなければいけませんね。

 

 

亜鉛はもともと摂取した量の20~40%しか吸収できないとされているので、ただでさえ亜鉛の摂取量が少ない上に玄米や豆類を多く摂取する人(=過去のよっしーがまさにそれだった)は気を付けてください!

糖質制限ドクターの江部康二先生もよっしーも、親からの遺伝があるとしてもなぜ玄米魚菜食で2型糖尿病を発症してしまったのだろう?と以前からずっと考えてきました。

もしかしたら、健康に良いと思って玄米や豆類を多く摂取していたことが亜鉛不足を引き起こしていたのではないでしょうかね…よっしー、大豆製品を1日2回は食べていました。

 

薬が原因で亜鉛不足になることもあります

実は、病気の治療のために処方される薬の副作用で亜鉛が吸収されにくく体外へ多く排泄されてしまい亜鉛不足になる場合があります。

亜鉛の吸収障害を引き起こすとされる薬剤はかなり多いらしいですが、代表的なものとして降圧剤、利尿剤、抗うつ薬、抗生物質、精神安定剤・睡眠薬、肝疾患治療薬、鎮痛剤、痛風治療薬、高脂血症治療薬、抗てんかん薬、抗がん剤、抗アレルギー剤など。

 

 

よっしーの友達にも、家族に誰も糖尿病患者がいないしスポーツ万能で運動量も十分なのに上記の薬を複数飲んでいて境界型糖尿病になってしまった人がいるので、なるほど…と思いました。

亜鉛に限らず、なんでも「このぐらい摂取すればOK」という基準の量が決められていますけど、その量をきちんと摂取していてもいろいろな理由により足りていない場合があることを忘れてはいけません。

中でも亜鉛は、特に尿や汗の中に排泄されやすいのだそうです。なんと、鉄の約10倍だとか!だから亜鉛は、ただ推奨されている量を食事から摂取していれば大丈夫とは言えないんですよね。

 

亜鉛を腸で吸収しにくい方もいらっしゃいます

特に何かの薬を飲んでいるわけではないのに、腸で亜鉛を吸収しにくい状態になっている方もいらっしゃるそうです。

日常的に玄米や豆類、食物繊維を過剰摂取している方はもちろんですが、肝臓の障害や腸の病気が原因で亜鉛の吸収障害になることがあります。

 

 

遺伝子の異常で発症する腸の病気により亜鉛を吸収できなくなる場合があるそうですが、この病気はかなり稀なようですね。

でも、もしかしたら、そこまでいかなくても先天的に亜鉛をやや吸収しにくい体質というものがあるのかもしれませんし、腸内環境の乱れなどが原因でそういう状態になることもあるのでは?と思ったりして。

亜鉛は、クエン酸やビタミンCと一緒に摂取すると吸収が良くなるそうです。カキフライにレモン汁を絞って食べるのは、理にかなったことなのですね♪

 

スポーツをする方は特に注意しましょう

スポーツを行っている方は特に亜鉛不足に注意していただきたいと思います。亜鉛は尿や汗などから排泄されやすいので、たくさん汗をかくと亜鉛不足に陥りやすいです。

スポーツ選手は貧血になりやすいものですが、実は「鉄欠乏性貧血」だけではなく「亜鉛欠乏性貧血」も多いそうです。風邪を引きやすかったり、集中力が低下したり、疲れやすくなります。

 

 

亜鉛欠乏性貧血の場合、へモグロビン値(HbA1cではなく貧血検査の方です)が低値になりやすく、本当は亜鉛が欠乏しているのに鉄欠乏性貧血と言われてしまうこともあるとか。

亜鉛欠乏性貧血でいくら鉄剤だけ飲んでも、一向に良くならないというわけです。もちろん、亜鉛と鉄の両方が欠乏していて貧血になることもあります。見極めは重要ですね。

特に、成長期など亜鉛がただでさえたくさん必要になる時期に運動部で頑張っている子どもは、亜鉛欠乏性貧血になりやすいので気を付けてあげてください。女の子は同時に鉄も欠乏しやすいです。

 

遺伝子変異が亜鉛の代謝異常を起こす…

さきほど「亜鉛はインスリンの原料になる」と書きましたが、単純に亜鉛の摂取量が足りていれば大丈夫とは言えないようです。

ある遺伝子に変異があると、通常はインスリンと亜鉛を同時に分泌するはずのベータ細胞が亜鉛を分泌できず、インスリンだけを分泌するのだそうです。日本人においても、約4人にひとりが遺伝子変異を持っていると考えられているそうです。

 

 

インスリンと同時に分泌された亜鉛は、肝臓がムダにインスリンを分解してしまうのを抑える働きを持つので、遺伝子変異があるとせっかく分泌したインスリンがムダに多く分解されてしまいます。

遺伝子変異を持つ方は正常血糖値を維持するためにより多くのインスリンを分泌しなければいけないので、そのうちベータ細胞が疲れてきて糖尿病を発症しやすくなるんだとか。

この場合は、いくら亜鉛をせっせと摂取したところで解決することはできないかもしれませんね。ベータ細胞の問題なので…治療法が待たれます。

 

必要なら亜鉛をサプリメントで補ってみるのも良いかもしれませんが…

亜鉛はインスリンの原料になるので、亜鉛が不足することが糖尿病に良くないのは確かです。また亜鉛は目や腎臓などにも含まれているので、亜鉛不足は糖尿病合併症にも良くないかもしれないとも言われています。

だから「亜鉛が不足気味かもしれない」と思ったらサプリメントで補給してみるのも良いと思います。ただいきなり大量に飲むと吐き気などが出ることがありますので、少量で試したほうがいいと思います。

そして遺伝子の変異により、亜鉛があってもベータ細胞が亜鉛を正しく分泌できない場合もあります。残念ながら、亜鉛さえ摂取すればすべて解決というわけにはいかないようです。

遺伝子変異があるとしても、血糖値を下げるために通常よりも多くのインスリンを分泌しなければいけないことが原因なのですから、インスリンをあまり必要としない食生活にすれば問題は無いはずです。

 

にゃご
なるほど、糖質制限食ならインスリンの追加分泌はごく少量で済むので、ベータ細胞への負担もちょっとで済むわけだな!

よっしー
そういうことね。今のところ遺伝子変異による病気を完治させることは出来ないけど、対処する方法はあるっていうことね。

 

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