糖質制限は選択肢のひとつに過ぎない

糖質制限は宗教か?

さきほど、あるブロガーさんの記事を読んで思ったことがあります。それは、糖尿病のコントロール方法にはいろいろあって、糖質制限も他の方法も「選択肢の一つ」に過ぎないし、その方法さえ実行していれば万病が完治して何もかもスッキリ!みたいな魔法のような方法は存在しないということです。

よっしー自身は元々、筋トレをしていて玄米を主食にしていて糖尿病を発症しましたし、病院の給食を食べて1日4回インスリンを打ち始めてから糖尿病網膜症になったのでインスリンをやめ、糖質制限をしています。

これはあくまでも「自分の場合はこうだった」というだけの話なんですよね。ブログでは特定の方を誹謗中傷するような内容以外は基本的に何を書こうが個人の自由だと思っています、見たい人だけが見ればいいんですから。

でもこれが、わざわざ他の方のブログのコメント欄やSNSのメッセージ機能などを利用して「あなたのやっていることは間違いなので今すぐやめたほうがいいですよ、〇〇がお勧めです」などと押し付けちゃうとアウトですね、新興宗教のしつこい勧誘みたい。

 

 

宗教と言えば「糖質制限は宗教」という方たちもいるようです。確かに、中にはそう言われても仕方がない方たちもいらっしゃいます。

そういう方たちは自分が信奉する医師のやり方と少しでも違っている人を見かけると「〇〇先生の本には××は食べていいと書いてませんでしたよ!」などと押し付けてくるんです。よっしー、そういう方は苦手です。だからSNSのグループなどには参加しません。

糖質制限だけに限ったことではありません。何かを過信し、それ以外の方法を全否定して攻撃する方たちはすべて同じに見えます。

筋トレなら筋トレ教、お米ならお米教。インスリン教、バランス教、カロリー教、もう何でもありですね…(;^_^A 自分が「どこかの宗教の信者」だからこそ、他の宗教(?)を攻撃したくてたまらないのでしょう。

あくまでも他を攻撃する過激な信者が悪いのであって、宗教そのものが悪いわけではありません、念のため…

 

結果的に糖質制限になっただけ

糖尿病患者の場合、どんな血糖コントロール法であろうと、なるべく血糖値を正常値の範囲内でキープすることが大事でしょうね。

血糖値が180を超えると、血管内皮にキズが付くと言われています。また健常者の方は何をどれだけ食べても食後血糖値が140~150を超えることはほとんどないと言われています。

だから、どんな方法を選ぶにせよ、食後血糖値を180以内、もっと言えば150以内で収めることができるのが理想だと思います。

カロリー制限や運動療法だけでその目標を達成できる方はそうすればいいと思います。ただ、よっしーのような重症の糖尿病患者の場合、糖質制限しなければどうしてもその目標を達成することはできなかったんですよね。

普通にご飯を食べてインスリン打って下げればいいやと思っていたら、糖尿病発症時には異常なしと言われていたのに糖尿病網膜症になってしまいましたし…

 

 

インスリン注射の副作用として「糖尿病網膜症の憎悪・顕在化」が見られるということは、網膜症になってから初めて知りました、主治医からは何も説明されていなかったので。

ご飯が大好きな方に糖質制限しろと言っても続きませんし、長鎖脂肪酸代謝異常症・肝硬変・糖尿病腎症第3期以降・活動性すい炎の方など糖質制限が出来ない方たちもいらっしゃいます。

だから全ての糖尿病患者が糖質制限することなど不可能です。ただ、どんな方法を選んだとしても、その方法でちゃんと食後血糖値を目標の範囲内で収められているかどうかは必ず確認しなければいけません

いくらご飯が好きだからといっても、食後血糖値が200を超えているようなら、何らかの方法で現状を変えていかなければいけないですよね。健康雑誌に載っている通販で買った怪しげなサプリを飲んで「あーこれで安心」などと思ってはいけません。結果測定をしなければ。

食後に運動して血糖値を下げている方は、仕事か何かで忙しくて食後に運動できない時は食事を変えなくてはいけないです。運動しない時に運動する時と同じものを食べていては、食後血糖値は上がってしまうからです。

 

選択肢は多いほうが良いと思います

アメリカ糖尿病学会(ADA)は糖尿病の治療食としていくつかの食事療法を認めています。ADAのサイトを見ると、地中海食・ベジタリアン食・糖質制限食・低脂肪食・DASH食が紹介されています。

これに比べて日本ではまだ基本的にはカロリー制限食だけが唯一無二の食事療法として勧められており、カロリー制限と運動で血糖コントロールが出来ない患者は薬を飲み、それでもだめならインスリン注射をするしかありません。

選択肢がひとつしかないということは実に残念なことです。これを食堂に例えますと、アメリカの食堂にはパスタ・野菜サラダ・ステーキ・鶏の蒸し物・全粒粉パンがあるのに対して、日本の食堂にはおにぎりしかないという状態です。

 

 

おにぎりが大好きな方にとっては何も問題が無いでしょうけど、お米アレルギーの方はどうすればいいの?というわけです。

で、ある時日本の食堂にパスタとステーキが登場したとします。これまでおにぎりしか選択肢が無かったのに選択肢が増えたわけなので、多くの方は喜ぶでしょう。好きなものを選ぶことができるようになったんですから。

しかしおにぎりを販売している業者さんは「うちの売り上げが落ちるじゃないか!」と怒るかもしれません。おにぎりが大好きなお客さんも「パスタとステーキの人気が出たら、おにぎりが食堂から消えるかもしれない…」とビビって反対するかもしれませんね。

でもやっぱり、選択肢は多いほうがいいと思います。多くの方に対応するということは、そういうことです。一部の方を切り捨ててしまうのは、何とも残念なことです。選択肢が多ければ、それだけ救われる方も増えます。選択肢が増えたこと自体を非難するのは、一部の方だけです。

 

まとめ:糖尿病治療に多くの選択肢を!

糖尿病のコントロールにいろいろな選択肢があることを知り、それぞれのメリットとデメリットを学んだ上で自分のライフスタイルや好みに合った方法を選ぶことが大事です。

自分の好きな方法以外を全否定して攻撃するのは、ただのカルト宗教の信者と同じです。「自分の場合はこうだった」と語るのはいいですが、自分以外の方法を攻撃するのはいけません。自分がうまくいっているのであれば、他を攻撃する必要などまったくないはずです。

 

 

どんな方法であれ、糖尿病患者に必要なのは、同年代の健常者と比べて老化が進んでいるであろう全身の血管に過度の負担をかけず、なるべく血糖値を正常範囲内でキープすることです。また、すい臓のベータ細胞をムチ打って弱らせることのないようにしなければいけません。

その目標が達成できるのであれば、どんな方法を選んでも良いと思います。それぞれの方法で、糖尿病とうまく付き合っていきましょう。

 

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