現代の日本にも!?ビタミンB1不足が引き起こす【脚気】の恐怖!!

脚気は死に至ることもある恐ろしい病気

かつて日本で「脚気(かっけ)」という病気が流行したのは有名ですよね。平安時代以降、京都の貴族などを中心に「足のしびれ」や「むくみ」、「疲労感」をきたし死に至る奇病が発生しました。これが脚気です。

江戸では白米を食べる習慣が広まり、この病気が流行しました。「江戸わずらい」なんて呼ばれたようです、江戸で多くかかり、故郷に帰ると治ってしまったからです。

原因は、白米を多く食べておかずが少なかったことによりビタミンB1不足になったせいでした。江戸では人々は白米を食べましたが、地方ではまだ雑穀や玄米等を食べていたためビタミンB1不足にはなりにくかったのでしょう。

 

現代の脚気に関する漫画

 

2018年のNHK大河ドラマは『西郷どん』でしたが、西郷隆盛さんはあの時代に身長が180cm前後もあったと言われていて、他に薩摩藩出身の大久保利通さんも長身だったそうです。

昔の日本ではあまり肉は食べられていませんでしたが、薩摩藩ではかなり前から豚肉が食べられていたそうですよ。

だから体格も良く、脚気も少なかったのではないでしょうか。当時の成人男性の平均身長は155cm(=縄文時代以下)しかありませんでした。

「歴史秘話ヒストリア」によると、隆盛はウナギもたいへん好きだったそうですね。ウナギもビタミンB1が豊富な食品です。

 

鹿児島の黒豚は「純粋バークシャー種」です。 これは、明治時代にイギリスから輸入され、鹿児島の豚と交配させたもの…

 

 

ビタミンB1が不足すると糖の代謝がうまくいかなくなり、神経障害になったり心臓の筋肉の収縮力が低下して心不全をきたすこともあります

江戸時代には徳川家光・家定・家茂も脚気が原因で死亡したのではないかとされています。当時は原因が分からず「怨霊のしわざではないか」と考えられていたそうですが…

でも、脚気は過去の病気で、現代の日本ではまず関係のない病気だと思っていませんか?ところが、そうでもなさそうなのです!

 

まじめん
まじめん

現代の日本でビタミンが不足することがあるんですか?

よっしー
よっしー

場合によってはあり得るんですって。

白米中心の食事で脚気になる理由

白米中心の食生活だった江戸でなぜ脚気が流行したのか考えてみましょう。下の表はカロリーSlism様のサイトからお借りしました。

白米と玄米、それぞれ茶わん1杯(150g)で比較してみると、白米は玄米と比べてビタミン類がかなり少ないことが分かります。

精米の過程で栄養がある部分がそぎ落とされて、いわば糖質だけが残ったような状態です…

 

 

ちなみに、豚肉100gと卵1個食べるとビタミンはこんなに摂取できます(下の表)。

日本では30~40代の男性の場合、ビタミンB1は1日あたり1.4mg摂取することが推奨されています。ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、過剰摂取の心配はほとんどありません。

現代の日本において、普通に豚肉などを食べていればまずこの数値を下回ることはないと思えますが、実は意外な落とし穴があったんです。

 

 

ビタミンB1が大量に消費されてしまう原因とは?

実は、ある条件下ではビタミンB1が大量に消費されてしまうのだそうです。いくら摂取量が不足していなかったとしても、普通以上に大量に消費してしまえばビタミンB1不足になる可能性がありますよね。

お酒をたくさん飲む…アルコールの分解にはビタミンB1が消費されますし、アルコールにはビタミンB1の吸収を妨げ、排泄を加速させる働きがあります。

運動量が多い…筋肉のグリコーゲンをエネルギーとして利用するときにビタミンB1が必要になります。ビタミンB1が不足していると疲労物質である乳酸が発生します。

ストレスが多い…ストレスが多いと、ビタミンCとともに大量にビタミンB1を消費してしまいます。日常的にストレスを多く感じる生活を送っている方は特に注意しましょう。

 



 

糖質摂取量が多い…糖質の代謝にはビタミンB群、特にB1が大量に消費されます。脚気の例を見れば分かるように、糖質の代謝には大量のビタミンB1が必要にもかかわらずビタミンB1がほとんど含まれない白米のような食品ばかり食べていると、ビタミンB1不足になるのは当然のことと言えます。

特に、白米を多く食べて運動量が多いアスリートは注意が必要ですね。今でこそプロのアスリートには管理栄養士が付いていますが、かつて日本では高校球児が脚気に悩んでいたそうですよ。

当時は、今ほど豚肉などはたくさん食べられなかったんでしょうかね…💦現代でも白米を山ほど食べるように指導されている子供たちがいるそうですが大丈夫でしょうか。

 

糖尿病とビタミンB1欠乏の関係!

今回、この記事を姉妹ブログ「もう失敗しない!正しい糖質制限ダイエット」ではなく血糖値ブログに書こうと思った理由は、ビタミンB1不足は糖尿病と深い関係があるからなんです。

ビタミンB1が体内でAGEs(最終糖化産物)の発生を抑え、糖尿病網膜症を予防するのではないかと言われ、ドイツとアメリカではすでに治験が行われているということです。

 

 

AGEs と言えば、糖質(特に果糖)の過剰摂取が原因で体内で生じるものですよね。糖尿病患者は、果物や主食の摂りすぎに気を付けてビタミンB1をきちんと摂取するといいのではないでしょうか。

また、ベーコンやハム、ソーセージなどの加工された肉ばかり食べるのではなく、豚肉をゆでて食べるなど、素材そのものの形で食べたほうがより安心です。

先日、しゃぶしゃぶ食べ放題に行きましたが、タレにさえ気を付ければ、肉と野菜をゆでてたっぷり食べられるしゃぶしゃぶはとてもいいですね。

 

現代の若者に脚気が見られる!?

脚気は「過去の病気」ではありません。なんと、現代の日本において、若者を中心に再び脚気がちらほら見られるようになってきたんだそうです。

ビタミンB1は豚肉・ウナギ・豆などに多く含まれていますが、これらをしっかり食べず、かといってビタミンBのサプリを飲むわけでもなく、簡単に食べられる糖質ばっかりの食品で食事を済ませて、ストレスの多い毎日…これでは、昔のように脚気で苦しむ人が増えるのも当然かもしれませんね!

ちなみに、私も糖尿病と診断される前はビタミンBをはじめとしてビタミンB群が不足していたかもしれないです。

当時は「サプリに頼るの良くない!」と思っていましたし、ジムで週4日は筋トレや強度の高い有酸素運動に励んでいましたからね。そのわりに、肉は不足していたかも。何しろ、脂肪は悪だと思っていて、豚肉よりも断然鶏肉、それもササミ(ビタミンB1が少ない)だったので…

 

 

脚気だけではないビタミンB1 欠乏症

精神科医・藤川徳美先生のブログを読むと、ビタミンB1が欠乏することによって起こる病気は脚気だけではないようです。

脚気は重症になると心不全になり死亡することもありますが、そこまで行かなくても「ビタミンB1が不足気味」になることで引き起こされる症状はいろいろあるみたいですね。

摂食障害肩こり発達障害神経変性疾患便秘精神症状(うつ、不安、イライラ等)などなど。またビタミンB1は水溶性ビタミンですが、脂溶性のビタミンB1 (ベンフォチアミン)はがんの予防と治療にも効果があるそうです。

糖尿病で長年気付かずに放置してしまった私は、がんが怖いので予防のためにベンフォチアミンとビタミンB群を毎日服用しています。ビタミンCも服用しています。

 

 

上のビタミンB群+Cなんて1日2回飲んでも1か月分580円なので、根拠がよくわからない怪しげな健康食品に毎月何千円もつぎ込むよりもよっぽど良いんじゃないでしょうか…

ビタミンB群(ベンフォチアミンを除く)とCは水溶性なので、通常、過剰摂取の心配はありません。

※ビタミンB3(ナイアシン)は、それまで飲んでいなかった人がいきなり大量に飲み始めると激しいナイアシンフラッシュに襲われることがありますので気を付けましょう。

B群のサプリメントを摂取すると尿が濃い黄色になりますが、感染症にかかっているときなどは消費量が増えるので尿の色が薄くなったりするそうですよ。

 

ビタミンB1が不足しないように気を付けましょう

現代の日本では、ストレスが多いこともあり、気を付けないとビタミンB1をはじめとしたビタミン類全般が欠乏気味に。

また最近の野菜や果物は、品種改良によって糖度が増して美味しくなりましたが、昔のものよりも栄養価は落ちていると言われています。

ビタミン欠乏症は決して「過去の病気」ではありません。また、いわゆる欠乏症と言われている病気の他にも、実はビタミン欠乏によって引き起こされていると考えられる症状はたくさんあります。

 

 

一般的に言われているビタミン摂取基準量をクリアしていても、体質・ライフスタイルなどの違いにより、それでは足りていない可能性だってあるんですよ。

→カスケード理論

もしかしたら、あなたが悩んでいるあの症状も、ビタミン欠乏症と関係があるかもしれません。現在何か慢性的な不調で悩んでいる方は、食生活を見直してみるといいですね。

 

まじめん
まじめん

足りているつもりでも実は…というケースもあるんですね。

よっしー
よっしー

そうね。それに一人暮らしの方などは特に注意しないとね。

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