血糖値103ということの意味は?
どういうわけか、このブログを「血糖値 103」というキーワードで検索してくださる方が時々いらっしゃるみたいです。ありがとうございます。
つまり「血糖値103」という数字を気にしている方がいらっしゃるわけですね、きっと。では、この数字、いったいどう解釈したらいいのでしょうか?
先に結論を申し上げますが、血糖値が空腹時だろうと食後だろうと「103」であれば糖尿病と診断されることはまずありません。
空腹時か食後か、あるいはその方がすでに糖尿病なのかそうでないのか…によって、解釈の仕方はまるで変わってきますけど、とりあえずは安心していただけましたか?
というわけで今回は「血糖値103」が意味することについて書いてみようと思います。まだ糖尿病ではない方もすでに糖尿病と診断されている方もどうぞ♪
血糖値が103ぐらいなら糖尿病患者だったら万々歳だよな。
本当にそう思う。いつも血糖値103ぐらいで安定していたらどんなにいいだろうと思うわ!
血糖値103は糖尿病とされる数値ではありません
血糖値が103mg/dLというのは、検査をした時点で血液1デシリットル(=100ml)中にブドウ糖が103mgあるということです。
ちなみに、ファンタグレープに含まれる糖を血糖値に換算すると11500mg/dLになります。めちゃくちゃ濃い砂糖水ですね!!!
言い換えれば、ヒトの血液中を流れているブドウ糖はほんのちょっぴりの量でしかないということです。健常者の場合、体じゅう全部の血糖をかき集めてもティースプーン1杯程度の量にしかなりません。
さて、血糖値は食事などと関連して変動します。糖質を含むものを食べると血糖値が上昇しますが、健常者では糖質1g摂取しても血糖値の上昇は1未満だそうです。
ご飯茶わん1杯には約55gの糖質が含まれますが、健常者の場合、ご飯を1杯食べても血糖値が150を超えることはあまりないでしょうね。しかし糖尿病患者の場合は、血糖値が200以上になることも珍しくありません。
ここでいう「血糖値103」とは、おそらく空腹時の血糖値のことでしょう。空腹時の血糖値の正常値は70~110までとされていますので「血糖値103はまったく糖尿病ではありません、安心してください」とおっしゃる方も多いでしょう。
確かに、現段階で「あなたは糖尿病です」と言われる数値ではありませんね。
血糖値103は気を付けたほうがいいかも…
ただ、血糖値103というのは糖尿病と診断される数値ではありませんが、決して油断しないほうがいいと思います。
よっしーの息子たちが以前、空腹時血糖値を測りたいと言って測ったことがあります。幸い、消耗品のセンサーチップをまとめ買いするとオマケで本体セットが付いてくるので、1人につき1セットありますので(家族間であっても、感染の危険性があるので穿刺器具は共有しないでくださいね!)。
で、子供たちの血糖値はそれぞれ86と83でした。アメリカでたくさんの糖尿病患者を診察しているバーンスタイン医師は「真に正常な血糖値は83~85である、HbA1cは4.2~4.6である」とおっしゃっています。
…さすがにバーンスタイン先生のおっしゃる「正常値」はあまりにも厳しく、これだとかなり多くの方が糖尿病予備軍ということになってしまいそうです。これよりはるかに高い値でも「自分は糖尿病ではない」「治った」とおっしゃる方もいるのに。
が、空腹時血糖値が103というのはちょっと注意したほうが良い値であるということは言えそうですね。また、糖尿病の前段階の方の場合、食後高血糖のあとに空腹時血糖値が70以下など低くなりすぎることもあります。
日本では糖尿病と診断される基準が甘すぎると思いますが、それでも空腹時血糖値が100~110の間の方は「正常高値」として、気を付けたほうがいいよということになっています。
糖尿病はどのように進行していくのでしょうか
糖尿病の前段階、あるいは初期段階では、空腹時血糖値は正常であることが多く、食後のみ高血糖になるのだそうです(=血糖値スパイク)。
この段階だと学校や職場の尿検査は完全にパスしますし、空腹時血糖値もHbA1cも正常範囲内であることが多いのでおそらく糖尿病とは言われないでしょう。
そのまま生活を変えずにいますと、数年~10年ぐらいの間に少しずつ空腹時血糖値が高くなってきて、糖尿病と診断されてしまいます。
初期の段階であれば、ゆるやかな糖質制限で耐糖能が完全に正常化した(=完治した)例はたくさんあるそうですが、いったんガチの糖尿病と診断されてしまうともう完治は望めなくなります。その時点ですい臓のベータ細胞の何割かはすでに死んでいるからです。
だから医師から何も言われていなくても「あ、空腹時血糖値がちょっとヤバいな」と気が付いた時点で糖質摂取量に気を付けたり食後に可能な範囲で運動するといいのですが…
ついつい「まだ医師から何も言われてないから大丈夫!」と思いたくなってしまうのが人間というものじゃないでしょうか?
そして、もう後戻りできない状態になってからようやく「糖尿病です」と診断されちゃうわけです(´;ω;`)
すでに糖尿病と診断されている方の場合は?
すでに糖尿病と診断されて治療している方の血糖値が103であれば、すごーくいい感じでコントロールできていると思いますよ。
推定平均血糖値(mg/dL)=28.7×HbA1c(%)-46.7という公式があります。仮に過去2か月ぐらいの平均血糖値が103だとすると、HbA1cは(103+46.7)÷28.7≒5.2ということになります。
まぁ、ここまではなかなか難しいので…HbA1c6.0を目指すなら、平均血糖値は28.7 ×6.0-46.7≒126ぐらいまでならOKということになるでしょうね。
血糖値が180を超えたあたりから血管内皮にキズがつくとされていますので、食後もこの数値を超えないように気を付けたいですね。
自己血糖測定をお勧めします
当ブログを「血糖値 103」で検索してくださった方たちがもしまだ糖尿病と診断されていなければ(診断されている場合ももちろんですが…)、ぜひ自己血糖測定器を購入して食後ときどき測ってみることをお勧めします。
空腹時血糖値が103でまだセーフでも、糖質を食べた後の血糖値が200近くになっていることだってあるんですから…実際、そんな感じで境界型糖尿病が発覚した女性を2人知っています。
その段階で対策を開始すれば、まだ正常型に戻る見込みがありますし、糖尿病合併症さえ出ていなければ特に悪いことは何も起こらず、元気に寿命を全うできるでしょう。
どんなものを食べた時に血糖値が急上昇するのかをだいたい知っておけば、糖尿病になるのを防ぐこともできますよね。
ぜひ今のうちに、対策を始めてください。手遅れになる前に…!
血糖値103ぐらいのうちから気を付けておけばいいよね。
そうよ、うんと悪くなってからでは大変なんだからね。