アリは甘いものばかり食べていて大丈夫なのでしょうか
みなさんは、「アリは甘いものが好きなイメージがあるけど糖尿病になったりしないの?」と疑問に思ったことはありませんか?
確かに、地面に落ちているキャンディや角砂糖なんかにアリがわらわらと群がっている光景、たまに見かけますよね。
アリは甘いものも食べますが、基本的に肉食寄りの雑食である種類が多いそうですよ。セミの死骸など、相当大きな獲物をアリたちが一生懸命運んでいきますよね。
アリといえども、糖質だけでは生きていけないようです。
アリの血糖値の正常値はどれぐらい?
アリなどの昆虫の場合、血糖はグルコースではなくトレハロースという二糖類です。グルコースが2つ結合してトレハロースになります。
トレハロースは、キノコや酵母などに含まれる、自然界に存在する糖です。
そしてなんと、アリの血糖値は500~800もあるそうですよ。
昆虫には「すい臓」はありませんが、ヒトのインスリンやグルカゴンと似た働きを持つホルモンが脳から神経分泌され、血糖を調整しているそうです。
ホルモンによって血糖が調整されている以上、何らかの理由でホルモンがうまく出ずに1型糖尿病のようになることもあり得るのでは?と思いましたが、どうなのでしょうね。
アリの生活
種類により多少異なりますが、アリは幼少時に「女王アリ」になるメスが選ばれます。
通常はひとつの巣に女王は1匹ですが、複数いる種類も存在します。女王アリはひたすら卵を産み続け、寿命は10~20年ぐらいです。
女王アリ以外のメスは、全て「働きアリ」になります。成長期に十分なエサを与えられないため卵巣の機能が発達しません。子供を産まず、毎日せっせと働き、寿命は1~2年しかありません。
オスの蟻は生後1か月ほどで成虫になった後、子孫を残すと死んでしまいます。非常に短命です。
アリは糖尿病になるのか?
働きアリは絶えず働いていますから、運動不足で高血糖になるというのはあまり考えられませんよね。生まれつき血糖を下げるホルモンが出ない等の異常がある場合は別ですが。
また、たまに人間がお菓子などを地面に落とすというラッキーな出来事に遭遇したとしても、その場ですぐに全部食べてしまうわけではなく、余った分は貯蔵します。
そして、甘いものを好むのは働きアリで、幼虫はハエやクモなどのタンパク質を好んで食べるそうですよ。
糖質は活動のためのエネルギーになりますが、体を成長させるためにはタンパク質がどうしても必要ですからね~。卵を産む女王アリも当然、タンパク質を多く要求します。
そして…働きアリやオスアリの寿命の短さを考えると、おそらくヒトの2型糖尿病のような状態になることは、おそらくないのではないかと思います…
ヒトはアリとは違いますよね
ヒトはアリと同じく、本来は肉食寄りの雑食だと思います。しかし、現代社会では運動量が減った割に、必要以上に糖質に偏った食事になってしまっているのではないでしょうか。
ヒトには働きアリよりもはるかに長い寿命が与えられていますが、その代わり、糖尿病などの病気に悩む者が増えました。
ヒトはアリとは違いますが、目の前に糖質の塊のような食品を見つけると、アリたちのように群がってしまうのがヒトなのかもしれません。