なぜ糖質は悪くない、脂質だけが悪いと言うんだろう?
糖尿病について解説された医療サイトなどを見ると、糖質制限関連のサイトを除けばまずほとんどのサイトで脂質をこれでもかと目の敵にしています。
糖質制限をしていない糖尿病患者さんたちは、なるべく脂質をたくさん摂らないように気を付けているはず。
タンパク質をそこそこ摂取して糖質をしっかり摂ろうとすると、あとは脂質を減らすしかないんですよね。だからカロリー制限しようと思うと、脂質制限になるわけです。
現在太り過ぎの2型糖尿病患者さんが「とにかく早く体重を減らしたい」と思うなら、必ずしも糖質制限のほうが早いわけではありません。
研究によっては、脂質制限のほうが早く体脂肪が減るというデータもあります。ただ、もともと痩せ型の糖尿病患者さんもいるわけで、みんながみんな「痩せればOK」じゃないんですよね💦
糖質と脂質を同時に大量に摂取するともっとも体に良くないことは、すでに明らかです。ロクに運動もしないでグリコーゲンの貯金は満タン状態なのに大量に糖質と脂質を摂ると、余った糖質はインスリンによって中性脂肪に代わり、脂質ももちろん余ります。
こうして大量の使い切れない中性脂肪が内臓脂肪や異所性脂肪として生活習慣病の原因になってしまうんですよね。
糖質と脂質を同時に大量摂取することが健康に悪いのは明らかなのですが、なぜ多くの方は脂質ばかり悪者にするのでしょうか?
牛脂をたっぷり食べても血糖値は低い!?
最近「おっ面白いな」と思っているのが、作家の金森重樹先生の「脂をもって脂を制す」糖質制限です。
金森先生式で糖質制限されているみなさんはかなり大量の「牛脂」を召し上がっていらっしゃるのですが、フリースタイルリブレでみなさんが測っていらっしゃる血糖値はかなり低くて羨ましい💦
「高脂肪食がインスリン抵抗性を上げる」なんて言われますが、それが実際に問題になるのは一緒に糖質を摂取する場合だけではないでしょうか?
だって脂質そのものが悪いなら、牛脂を山ほど食べる方たちの血糖値や体重が大変なことになると思いませんか??
よっしー自身は牛脂を食べているわけじゃないんですけど、糖質制限において脂質をしっかり摂取することの重要性は分かっています。タンパク質ばかり食べるわけにもいきませんし。
糖質と脂質を同時に大量摂取するのは糖尿病患者だけではなくすべての方の健康にとって良くありません。
それなら糖質と脂質、どちらもちょびっとしか食べないか、どちらかを控えるようにしなければいけないでしょうか?全体的にカロリーを減らしすぎると栄養失調になりますから、やはり後者のほうが良いかも。
なぜ脂質だけを悪者にするのか、その理由はこれだ!
糖質と脂質、どちらかを控えるのなら自分のやりたいほうでやればいいと思うんです。でも脂質だけを徹底的に悪者にしなければ気が済まない方がまだまだ多いんです。
ぶっちゃけ、みなさん「糖質が大好きだから」じゃないでしょうか?誰だって自分が好きなものはやめたくないし、自分の大好物が体に悪いはずがないと思いたいでしょう。
それに糖尿病患者たちが脂質制限すると困る、という方はあまりいらっしゃらないんじゃないかと思います。せいぜい油屋さんぐらい??
でも糖尿病患者たちが糖質制限すると非常に困るという方は山ほどいらっしゃるじゃないですか💦まぁそういう事情も大いに関係していると思います。
糖尿病患者は脂質制限するか、それとも糖質制限するか。これは単に体重を減らせばいいタイプかどうかや食事の好みにもよるのでこれが正解だということは言えません。
ただし糖質と脂質を同時に大量摂取することこそが良くないのであって、きちんと糖質制限しながら脂質を摂ることには何ら問題がないということをどうか知っていただきたいなと思います。
農耕が開始される前の日本では現代のように遺伝子組み換えで人工的に甘くされた野菜や果物は存在しませんでしたが、人々は獲物の肉の皮や脂身をわざわざ捨てていたでしょうか?
ゆるい糖質制限とすら呼べないような食事、つまり全エネルギーの30~40%を糖質から摂取する「中途半端な食事」がもっとも糖尿病患者の健康に良くないということを忘れないでください。