巨大児で生まれてきた次男
よっしーには息子が2人いますが、2度の妊娠中2度とも妊娠糖尿病になりました。昔の事なので「血糖値を自分で測りましょうね」と指導されたことは1度もありませんでした。
長男の時は比較的軽度だったので、長男は3634gで何事もなく無事に産まれました。しかし次男は、妊娠37週なのに4452gの巨大児でした。
次男は生まれて産声を3度あげた後、呼吸ができなくなって全身が真っ黒になってしまいました。小児科の先生があわてて駆け込んできて、人工呼吸器をつけてNICUに運んで行ってしまいました。
これは糖尿病の母親から生まれた子にしばしばあるRDS(新生児呼吸窮迫症候群)です。その他、高ビリルビン血症もありました。もしかしたら低血糖などもあったかも…
たまたま大病院での出産だったので素早くNICUに行くことができましたが、場合によっては死産になった可能性もあったと知り、とても恐ろしいと思いました…
次男は1週間のあいだ人工呼吸器を装着し、その間は声をあげることもできず、頭を動かさないように固定されていました。点滴などを引っこ抜かないように、両手は拘束されていました。
あまりにも痛々しいその姿に涙が出ました。幸い、1か月後に脳MRIと脳波検査をして異常なしということで無事に退院することができ、今は標準体重の小学生です。
今でも思うのは「私、医師の言うことをきちんと守っていたのにどうしてあんなことになってしまったのだろう??」ということです。今回はそんなお話です。
医師の指示をきちんと守っていたのになぜ?
Twitterで妊娠糖尿病の妊婦さんたちと交流させていただいていますが、今の妊婦さんたちはきちんと指導がされていて幸せだなと思います。
インスリンを打つことの是非はあるにしても、自己血糖測定をきちんとみなさん行っています。よっしーの時は全然そんな指導はなかったです(病院によっては、あったのかな?)。
当時医師から言われていたのは「カロリーに気を付けて太らないようにしましょう」「バランスよく食べましょう」これだけです!
次男の時なんて、健診で尿糖が1度も出なかったせいか医師が妊娠糖尿病に気付くのが遅すぎました。長男の時妊娠糖尿病だったんだからもっと慎重になってよ…
妊娠後期になって胎児の推定体重が異常に増えだしてからようやく気付いてくれ、「カロリーに気を付けて」と言われただけ。
困り果てたよっしーはそれまでの玄米食をさらに低脂肪食にして(玄米、味噌汁、タラ、豆腐、おひたしなど)出来る限り散歩をして自分の体重はむしろちょっと減ったのに胎児だけがどんどん大きくなります。
で「どうしたらいいのよぉぉーー!!」となり、さきほど書いたような事態が起こってしまったわけです。こういうことが起こる可能性については一切説明がなかったです。
…これ、妊娠糖尿病に限ったことではなく、普通の糖尿病でも医師にいわれたとおりにしていたのにじわじわと悪化して合併症が進行してしまった方はたくさんいらっしゃいますよね。
同じ産婦人科医に担当してもらった方のお子さんが偶然同じ小学校の先輩なのですが、やはり「あの先生は妊娠糖尿病のことをよく分かっていないと思う」とおっしゃっていました。
カロリーを減らしても赤ちゃんは巨大児になってしまう!
よっしーは一生懸命摂取カロリーを減らしましたが、まさか妊婦が1食置き換えシェイクなんて使うわけにもいきませんし、バランスを考えると減らせるカロリーにも限界がありました。
また運動もできるだけ行いましたが、妊娠後期のお腹で高強度の運動なんてできるわけがないですよね…それこそ早産の原因になりかねません。
よっしーは妊娠前は普通の人の何倍もめちゃくちゃ運動をしていて何とか糖尿病になることを回避していただけで、妊娠したとたんに限界を超えたのだと思います。
主食は白米ではなく玄米でしたが、糖尿病患者は玄米でも十分すぎるぐらい血糖値が上がります。ご自身も糖尿病である江部康二医師は、玄米茶わん1杯で血糖値は220~240ぐらいになるそうです。
だから、カロリーとしては足りなくて自分の体重は減ったのに、胎児だけがどんどん大きくなってしまったんですよね。
よく考えてみてください、まだ農耕をしておらず肉や草や木の実しか食べていなかった頃の人類は妊娠糖尿病になったでしょうか?
現代ではスリムな方を含めてとても高い確率で妊娠糖尿病になってしまいますけど、インスリン注射などなかった大昔、このように多くの女性が妊娠糖尿病になったら生存上とても不利だったはずです。
スリムな女性も食べすぎていない女性も妊娠糖尿病になるのは、現在みなさんが普通だと思っている食事が本来はヒトの妊娠出産には適していない証拠ではないかと思うのですが…
妊娠糖尿病になった女性の気持ちは未経験者には分からない
以前どこかで、子供を産んだことがない男性医師が「妊娠糖尿病はお菓子を食べたりジュースを飲んだり体を動かさないせいだ」というようなことを書いており、憤りを感じました。
よっしーは妊娠中、お菓子を食べなかったし、ジュースを飲まなかったし、毎日できる限り歩いていました。それでも妊娠糖尿病になったわけです。わかったようなことを言わないで!
妊娠糖尿病の女性は、インスリンを分泌できないわけではなく、インスリンが効きにくい状態になっています。だから糖質を減らしてその分エネルギーをタンパク質や脂質の食品で確保すればいいんです。
千葉の宗田マタニティクリニックを始め、妊婦さんに糖質制限指導をしてくれるクリニックも少しずつ増えてきているようですが、まだまだ少ないですね。
特に、まだ若いのに妊娠糖尿病になってしまった方は、周囲のお友達が好きなものを飲んだり食べたりしているのを見て非常に辛いと思います。
でも、若いうちに自分の体質に気が付いて早くから食事に気を付けることができるので、ママも赤ちゃんもきっと健康に暮らすことができますよ♪
産後もときどき食後の血糖値を測定して、血糖値が正常範囲内でおさまるような食事を継続するといいと思います。そして、糖質控えめでも美味しいものをみんなでいっぱい見つけましょう。