とうしつは血えきの中を流れて体のあちこちに運ばれるよ
みなさんが体をうごかしたり、べんきょうしたり、あそんだりするときにはエネルギーがひつようです。
ごはんやパン、うどん、おかしなどに多くふくまれる「炭水化物(たんすいかぶつ)」・肉、魚、たまご、とうふなどに多くふくまれる「タンパクしつ」・バターなどのあぶらにふくまれる「ししつ」がエネルギーになります。
炭水化物(たんすいかぶつ)の中で、エネルギーになるのは「とうしつ」です。「食物(しょくもつ)せんい」はほとんどエネルギーにはなりませんが、おなかの中でよいはたらきをしてくれる小さな生き物のエサになります。
体がエネルギーを作る方法は、いくつかあります。ごはんやパンなどの「とうしつ」を食べると、体はとうしつをエネルギーとして使います。
とうしつは「ブドウとう」というすがたになって、血えき(けつえき)の流れにのって、体のあちこちに運ばれていきます。
血えきの中にどれぐらいたくさんのブドウとうがあるのかを表した数が「血とうち(けっとうち)」です。
血とうちが低すぎると、体のあちこちでエネルギーが足りなくなってものすごくおなかがすいたり、心ぞうがドキドキしたり、頭がいたくなったりして死んでしまうこともあります。
血とうちが高すぎると、のどがかわいてたくさん水をのみ、おしっこがたくさん出たりねむくなったりします。
血とうちが低すぎるのも高すぎるのも、体にはとてもよくありません。だから、とうしつをたくさん食べると、血とうちが高くなりすぎないように「すいぞう」というところからインスリンというものが出ます。
とうにょう病ってどんな病気なのかな?
血とうちが高くなりすぎるととてもきけんなので、血とうちが高くなる前にインスリンが出て、体のあちこちでとうしつをエネルギーとして使えるようにします。
またインスリンは、かんぞうやきん肉にとうしつを「グリコーゲン」という形でちょ金するようにして、ちょ金しきれないあまったとうしつを「しぼう」にかえます。
みなさんが運動をすると、エネルギーを使うので食べたとうしつは運動で使われたグリコーゲンのちょ金を元どおりマンタンにするために使われます。
でも、食べたあとで何も運動しないと、あまったとうしつがしぼうになるので、太ったり病気のげんいんになります。
血とうちが高いじょうたいが長くつづくと、血えきが流れる血かんという管(くだ)がだんだんボロボロになっていきます。
血とうちを下げてくれるインスリンがたくさん出すぎると、血とうちが高くなくてもやっぱり血かんがボロボロになっていきます。
血かんがボロボロになってしまうと、心ぞう(体じゅうに血えきをおくるだいじなポンプ)やのう(物をかんがえるところ)の中の血かんがやぶれて死んでしまうことがあります。
また、物を見る「目」や、おしっこをつくる「じんぞう」や、体のいろいろなぶぶんを正しく動かすための「しんけい」は、血とうちが高すぎたりインスリンが出すぎると少しずつこわれていきます。ほうっておくと、目が見えなくなってしまうこともあります。
とうにょう病は、すいぞうがインスリンというおくすりを出す力がふつうの人よりも弱かったり、インスリンがちゃんと出ていてもうまくはたらかなかったり、とうしつをたくさん食べすぎてインスリンが足りなくなったりして、血とうちをきちんと下げることができなくなる病気です。
かるいとうにょう病の人は、血とうちはあまり高くないこともあります。でも、体の中でインスリンがうまくはたらかないので、ふつうの人よりもたくさんインスリンを出しています。
インスリンがたくさん出すぎていると、血とうちがちょうどよくても血かんがボロボロになるのでやっぱりよくありません。
ふつうは、おしっこの中にはブドウとうは入っていません。でも、とうにょう病がひどくなると、おしっこの中にブドウとうが出てくるようになります。学校のにょうけんさは、おしっこにブドウとうが出ていないかどうかをしらべています。
とうにょう病になったらどうやって治りょうするの?
とうにょう病になってしまったら、どうやって治りょう(ちりょう)するかというと、すいぞうからインスリンがまったく出ない「1がたとうにょう病」の場合はインスリンを注しゃします。
すいぞうからインスリンが出るけど、少し足りなかったり、体の中でうまくインスリンがはたらかない「2がたとうにょう病」の場合は、太っている人はやせるようにがんばりましょう。
やせると、インスリンがうまく働くようになることもあります。インスリンがうまく働くようになるためのおくすりを飲むこともあります。
また、とうしつを食べすぎるとインスリンがたくさん出るので、とうしつをたくさん食べないようにして、かわりにタンパクしつとししつをたくさん食べるほうほうがあります。
とうしつを食べると血とうちが上がってしまいますが、タンパクしつとししつは血とうちをあまり上げないのにちゃんとエネルギーになってくれます。
みなさんのおなかやかお、うでなどに「しぼう」があるのは、食べものがしばらく何も手に入らなくても、たくわえたしぼうをエネルギーにするためです。しぼうは、体にたくわえられたししつのことです。
とうしつを食べないとき、タンパクしつやししつがおなかのかんぞうというところでブドウとうに変わります。
だから、タンパクしつやししつの食べもの(肉、魚、たまご、バターなど)をきちんと食べていれば、かんぞうでちゃんとブドウとうが作られるので血とうちは低くならないのです。
とうにょう病は、家ぞくみんなで気をつけましょう
血とうちが高くなりすぎないように気をつけていれば、とうにょう病になっても他の人とおなじように元気にくらすことができます。
みなさんのおとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんの中にとうにょう病の人はいますか?
もしとうにょう病の家ぞくがいたら、あなたもとうしつの食べすぎに気をつけてください。インスリンを作る力が弱いのは、家ぞくににるからです。
とうしつをたくさん食べていると、すいぞうがつかれてインスリンを出せなくなってしまいます。だからとうしつを食べすぎないように気をつけて、おやつを食べたら外で体を動かしましょう。
とうしつがたくさん入っている食べものは、とてもおいしいものばかりなのでいつもたくさん食べたくなってしまいます。
でも、とうにょう病がひどくなってしまうとたいへんなことになるかもしれないので、家ぞくみんなで気をつけて元気にくらしましょうね。