暑いとジュースをゴクゴク飲んでしまいがち
これからの季節は、ジュースを飲みたくなる日が増えてきますね。しかし気をつけなくてはいけないのが「ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)」です。
ペットボトル症候群は、スポーツドリンクや清涼飲料水を大量に飲み続けることによって起こる急性の糖尿病です。
その名前の通り飲み物が原因になることが多いですが、中にはみかんの缶詰やアイスクリームの食べ過ぎによって発症した例もあります。
市販のスポーツドリンクや清涼飲料水には、かなりの量の糖質が非常に吸収されやすい形で含まれています。しかも単に糖質が多いだけではなく、その中でも果糖が良くないのではないかと考えられています。
2リットルのペットボトルを買ってきて1日で飲み切るようなことをしている人、いませんか?相当な量の「果糖ブドウ糖液糖」を摂取してしまっているかも…
それに加えてロクに運動もしないのに、おにぎり2個とかラーメン、炒飯、菓子パンを食べてゴロゴロ…なんて生活では、体がどうにかならないほうがおかしいですよね。
いったい角砂糖何個分、体に入れているんでしょう??健康な方の体じゅう全部の血糖をかき集めてもたったのティースプーン1杯程度の量でしかないから、そんなに摂取しなくてもいいのに…
最近ではペットボトル症候群は若者だけではなく中年での発症も増えているそうですよ。ライフスタイルの変化ですかねぇ…
ちなみによっしーが糖尿病性ケトアシドーシスを起こす前は、桃の缶詰とかみかんを多く食べていました!もちろん、玄米も。もともと2型糖尿病を発症していて、さらに追い打ちをかけたのでしょう。
ペットボトル症候群ってどういう病気?
清涼飲料水を飲んで血糖値が上がってのどが渇くと、また清涼飲料水を飲んでしまいます。 この繰り返しで高血糖が続くことがすい臓のベータ細胞をクタクタにさせます。
そのうちとうとうインスリン分泌不全を引き起こして糖がうまく代謝されなくなってしまいます。高血糖→インスリン分泌不全、インスリン効かない→高血糖…の悪循環へ。
こうなるとインスリンの作用が極端に低下し、全身で代謝が狂って、血液が酸性寄りになって呼吸さえ苦しくなります。よっしーはこのままだと死ぬかもしれないと感じて救急外来へ行きました。
何にもご存じない方が「肉を食べると血液が酸性になりますよ」なんて軽くおっしゃいますけど、実際は血液のpHは非常に狭い範囲の中で調整されています。食べ物で血液が酸性になったりしません!
血糖値は極端に高くなり、それなのに体はブドウ糖をエネルギーとして利用できなくなるためケトン体と言うエネルギーを大量に作って何とかしようとしますが、うまくいきません。
全身の代謝がめちゃくちゃになっているので一刻も早く入院して点滴、インスリンによる管理を行わないと昏睡状態に陥り死亡することもあります。
普通このような状態は1型糖尿病の方がインスリン注射を打ち忘れたときなどに起こりやすいのですが、清涼飲料水のガブ飲みなどによっても起こります。
もともと2型糖尿病だった方に多いそうですが、これまで糖尿病と診断されていなかった方にも起こり得るそうですよ。中学生や高校生にも起こります…くれぐれも気を付けてくださいね。
ペットボトル入りのジュースだけが悪いわけではない
ペットボトル症候群と聞くと、ペットボトルに入ったいわゆるジュースだけが体に特に悪いと思われるかもしれませんけど、先ほども書いた通りみかんの缶詰やアイスクリームの食べ過ぎで発症した人もいます。
またカフェで飲む甘いドリンクなどにも、相当な量の糖質が入っています。よっしーはスターバックスのキャラメルフラペチーノが好きで月1回ぐらい飲んでいましたけど、ショートサイズでも糖質が23.4gもあるそうです。
もちろん、トールサイズやグランデサイズを選ぶと糖質はさらに大量に含まれることに…痩せているからといってこれを週に何度も飲んでいるお嬢さん方、大丈夫かな!?
また缶コーヒーで「無糖」「ブラック」は良いのですが「微糖」と書いてあるものには実は意外にたくさんの糖質が入っています。小さい缶1本に9g弱も入っている商品さえあります。
コーヒーが好きな方は、なるべくブラックで飲めるように慣らしたほうがいいんじゃないかと思っています。人工甘味料もどうやらあまり体に良いとは言えないことが分かっていますし。
それと、確かにペットボトル症候群のような急激に発症する糖尿病の原因にはなりにくいかもしれませんけど、ご飯やパン、うどんなど糖質の摂りすぎは普通の2型糖尿病の原因になります。
ジュースを飲まなくてもご飯をしっかり食べていれば糖尿病になりますし、コンビニでお弁当やカップラーメンを買ってついでに甘い飲み物も一緒に…なんてことばかりしていると、とても心配です。若い方でもせめて食後に尿糖検査ぐらいは1度してみましょう。
お母さん、お子さんにジュースばかり飲ませないで
もともと糖尿病ではなかった人の場合、適切な治療を行えばこの状態が解消すれば元の正常な状態に戻ることがほとんどです。
しかし子供の場合、ケトアシドーシスを起こすと脳浮腫になって命を落とすこともあるので本当に危険だと思います…糖尿病性ケトアシドーシスで死亡する確率は1~10%だそうです!
まだよちよち歩きの小さなお子さんに500mlのペットボトルで清涼飲料水を飲ませているお母さんを見かけたことがあります。びっくりしてしまいます。
グズるたびに飲ませているんだと思いますけど、小さなすい臓にはどれほどの負担がかかっているんだろう…と考えるだけでも恐ろしいです。
よっしーも息子を2人育てているので、子育てが時に大変だということは分かります。でもグズグズ言うたびにジュースを飲ませて静かにさせてしまうと、後でものすごく困ることになるかも。
そのままジュースが大好きな大人になってしまって、ある日突然倒れて…なんてことにならなければいいのですが。小さい時の悪い習慣って、なかなかやめられませんものね。
テレビ番組のダイエットコーナーでよくあるのは、子供が小さい時は欲しがるだけ大量に食べさせておいて、ジュースも好きなだけ飲ませておいて、いざ子供が高校生ぐらいになったら手のひら返したように「痩せなさい!」と怒り出す母親。
なぜこうなるまできちんとしてあげなかったの?とよっしーは思いますけどねぇ…子供がそうなってしまったのは8割がた母親の責任だと思うんですけど。