糖尿病で16日間の入院をしました
よっしーが体調が悪化して救急外来を受診し「糖尿病だね、血糖値がすごく高いのでこのまま入院してください」と言われたのは3年ちょい前のことでした。
その時は、最初の数日間は緊急的な治療、後半は通常の「糖尿病教育入院」と同様の内容だったようです。合計16日間の入院になりました。
通常、糖尿病教育入院は1~2週間の期間で行われ、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士などの講義を受けたり糖尿病合併症がないかどうか検査を受けたり、インスリン注射の仕方を教わったりします。
この記事を読んでくださっている方の中には、ご自身または家族の方が糖尿病教育入院を勧められていて不安だ…という方もいらっしゃることでしょう。
今回は、よっしーの糖尿病の入院の体験を書くことにします、入院中の生活や入院にかかった費用など、これから糖尿病教育入院をする方の参考になれば幸いです。
入院中の生活は?
よっしーが入院したのは「糖尿病・内分泌代謝内科」です。病室は4人部屋でしたが、他の患者さんたちが全員糖尿病患者だったわけではありません。
甲状腺や副腎の病気など、糖尿病以外の病気の方たちも一緒でした。そのため、同じ部屋にいる患者でも食事の内容は微妙に違いました。
あっ、偶然かもしれませんが、同室の患者さん全員、主治医が別々の先生でしたよ~。大きい病院なので糖尿病の先生もたくさんいらっしゃるの。だからしょっちゅう、いろいろな先生が病室に出入りしていました。
よっしーは真面目な患者だったので、最初はブラックコーヒーすら飲まずひたすらお茶で我慢していました。
でもある時、主治医ではない別の先生がいらしてたので思い切って「あのぉ…ブラックコーヒーは飲んでもいいんでしょうか?」と尋ねると「いいと思うわ、そのうち〇〇先生からお許しが出るわよ」との返事(女医さんです)。
入院中はちょっとしたことが気になるし、先生や看護師さんたちが病室にいらっしゃるだけで嬉しかったです。
テレビは設置してあるんですけど、お金を出してテレビカード(1分間あたり1円ぐらいだったかな…)を買わないと見られないという非情さ(´;ω;`)
講義や検査が無い時は、はっきりいってかなりヒマです。食事とお風呂ぐらいしか楽しみがありませんでした。
当時、病院の売店には糖質制限の本は置いておらず(現在は置いているのを見かけます)しょうがないのでカロリー制限の本や野菜料理のレシピ本を買ってきて暇つぶしをしていました。
講義と糖尿病合併症検査のスケジュールは?
平日は、管理栄養士・医師・看護師・理学療法士・薬剤師・臨床検査技師による各種の講義がありました。病気についての説明や、食事療法・運動療法・薬や検査の説明などです。
特に怖かったのは、糖尿病合併症についての説明です。「つい先日もウチの病院で、足の指を切断した人がいますよ」とか「目が見えなくなるのって、どういうわけか明け方が多いんだよねぇ」とか…!
どんなに危機意識が薄い方でも、あんな話を延々と聞かされたらさすがに凹むと思いますよ…わざとあんな話をなさったのかもしれませんね。
この講義は、午前または午後に1回だけ。同じ日の午前中に2種類続けて行うようなことはありませんでした。
そして、午前中に講義がある日は午後に合併症の検査という感じ。1日の中で午前と午後に講義か糖尿病合併症検査が行われました。
講義は「10時半から」などと時間が決まっていますが、検査は外来の混み具合により、いつ呼ばれるか分からなかったです。
よっしーが入院中に行った検査は普通の尿検査や血液検査の他、腹部CT(入院時)・腹部エコー・頸動脈エコー・動脈硬化と詰まりの検査・CVR-R検査(心電図)・糖尿病神経障害の検査・眼底検査・グルカゴン負荷試験・24時間蓄尿など。
入院後最も早く行ったのは眼底検査でしたが、当時はまだ糖尿病網膜症はありませんでした。その他は腎症・神経障害があり、インスリン分泌能力はかなり低下していてどうしてもインスリン注射が必要な状態でした。
動脈硬化や詰まりは正常(年齢相応)で、すい臓ガンも大丈夫でした。急に糖尿病になった方の場合、すい臓ガンが原因であることもあるので必ず検査をするのだそうです。
病院の食事はどんな感じ?
入院した日と翌日の2日間は完全絶食でした。初日は死にそうなぐらいしんどくて食事どころではありませんでしたが、翌日になるとお腹が空いてきました。
でも主治医が「うーん、食事はもうちょっと血糖値が下がってきたら…ね」と。あの時は辛かったですね。通常の教育入院であればこんなことはないです。
ようやく3日目、よっしーの食事には「エネルギー制限食」と書いてありました。ご飯は毎食150gで、油の多いおかずは皆無でしたね。
↑こんな感じ
魚でさえ白身魚ばかりで、よっしーの好きなサバなどは出ませんでした。カロリーが高いせいでしょうか?
肉が少ない食事でしたが、朝食と昼食には必ず果物がついていました。いわゆる「バランスの良いカロリー制限食」ってこんな感じなのかな?
同室の糖尿病ではない患者さんたちが「おやつが食べたいけど売店まで買いに行くのがしんどい」と言うので、代わりに買いに行ってあげてました。少しでも運動になるかも…と。
他の患者さんたちが毎日お菓子を食べるのを見ながら、よっしーはお茶だけで我慢する毎日。病院食はおいしかったけど、1度たりとも満腹になったことはありませんでした。辛かったです。
エネルギー制限食というのがどのぐらいのカロリーだったのかは分かりませんけど、1400kcalぐらいでしょうか?本当にそれしか食べておらず、毎食後ウォーキングと自重トレもしていたのに血糖値は上がりまくり、体重も100gたりとも減りませんでした。
入院5日目に自己血糖測定を始めましたけど、朝起きた時の血糖値が236なのに昼食前の血糖値は306もあって凹みました。ま、入院時は500近くありましたけど…
もちろん、インスリン注射を2種類打った上での数値です。それまで高血糖だったのを急に下げると危険だからあえてインスリンの量を少なめに指示されていたんでしょうけど、それにしても食後はめっちゃ上がっていたのでは??
自己血糖測定とインスリン注射を習いました
入院した時は緊急だったこともあり、夜中も含めて時々看護師さんが来て血糖値を測っていきました。インスリンも、点滴の中に入れてたみたいです。
そのうち落ち着いてくると、測定は1日4回だけでいいと言われ、看護師さんに教えてもらいながら少しづつ自分でやるようになりました。
最初は看護師さんの目の前でやってみて、合格をもらうと自分でやるようになりました。インスリン注射も、最初は看護師さんが打ってくれていましたがすぐに自分でできるようになりました。
インスリン注射は針が細いせいか、まったく痛みは無かったです。ぶっちゃけインスリン注射の問題点は「痛いかどうか」ではなく別のところにあるんですけどね。
最初の1週間は、いつ測定しても血糖値は常時200を軽く超えていましたけど、2週目になると朝起きた時の血糖値が200を切るようになりました。しかしその他の時間帯は高かったです。
今思うと、持効型インスリンの量は足りていましたが超即効型インスリンはやや少なかったのではないかと思います。低血糖になると危ないから、かな。
糖質制限をしたいと主治医にお願いしました
退院後はインスリン2種類(ランタス、アピドラ)とコレステロールを下げる薬(リバロというストロングスタチン)を継続することになっていました。そして場合によってはビクトーザという注射も使うかもしれないと言われました。
そんなに注射や薬だらけの生活はイヤだと思ったので、思い切って主治医に「糖質制限をしたいのですが…」と申し出たところ、最初は「ううん、ちゃんとご飯を食べて…」とおっしゃいました。
でも「それじゃあと2日間やってみて大丈夫そうだったら許可するよ」とのことでした。その時、退院の3日前だったと思います。
翌日からインスリンはランタスのみになり、アピドラは中止されて代わりにグラクティブという飲み薬になりました。(現在はもうグラクティブは飲んでいません)
病院食のご飯や果物を残して、代わりにローソンのブランパンなどを家族に買ってきてもらって食べることにしました。
起床時の血糖値は93、昼食前は90、夕食前は107でした。前日まで昼食前や夕食前血糖値は150ぐらいあったのです。
主治医は驚いて「糖質制限すごいね。じゃあこのまま退院後もこんな感じで行こうか」と。翌朝の血糖値は80になったのでランタスの注射量を減らし、退院となりました。
入院費用はどれぐらいかかった?
よっしーの場合、糖尿病性ケトアシドーシスの緊急の治療プラス通常の糖尿病教育入院という形になり、退院前にもらった請求書には確か18~19万円ぐらいの金額が書かれていたと思います。
でも高額療養費制度があるので、実際に支払った金額は約9万円で済みました。このあたりは、病院の事務の方から説明があります。よく話を聞いてくださいね。
入院にかかった費用は、クレジットカードで支払いOKです。金額もかなり大きいですしね。
また入院保険に加入している場合は、糖尿病教育入院が給付の対象になることもありますので確認してみてくださいね。
その病院は自宅から遠かったので「もしよかったら退院後は自宅近くの病院に通ってもいいよ、紹介状を書くから」と言われましたが、自宅近くの病院の糖尿病内科はちょっと評判がイマイチだったので、そのままその病院の外来に通う事にしました。
退院後は、10日ぐらい後に1回目の外来を受診し、その後は1か月おきに通うことになりました。何しろ、とても血糖値が高かったですし、当時はまだインスリン(ランタス)を注射していたからです。
その後、血糖値が安定していたので、受診間隔を1か月→2か月→3か月と空けていきました。現在も3か月ごとに通っています。
まとめ:糖尿病教育入院は必要か
糖質制限をするつもりがなく、インスリン注射をしなければいけない患者にとっては糖尿病教育入院はとても良いと思います。
しかしそうではない場合、教育入院する意味は「糖尿病がいかに恐ろしい病気かを叩きこまれる」ことと「糖尿病合併症があるかどうか検査してもらう」ことの2つだけかも。
江部康二医師の京都高雄病院では、遠方から教育入院をされる方も多いそうですよ。費用も、普通の教育入院の相場と変わらないみたいです。観光を兼ねて、いかがでしょう?
他に糖質制限を勉強するための教育入院が可能な病院は、長野松代総合病院・福岡糖質制限クリニック・東京の友愛病院・茅ヶ崎徳洲会病院・岡山県の福井医院など。
なお上記の情報は、日本糖質制限医療推進協議会のリストに掲載されていたものです。掲載されていた情報が古くなっている可能性もありますので、検討される方は必ず各病院に確認をお願いします。