太っているのに栄養失調!?
みなさんは「栄養失調」というとどんなことを想像しますか?ガリガリにやせ細った、飢餓に苦しむ海外の子供たちを想像する方が多いかもしれません。
でも実は栄養失調は現代の日本でも問題になっているのです。特に高齢者ではタンパク質などの不足により筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下する「フレイル」が問題になっているんだそうです。
年配の方は食が細い場合も多いですし、安価ですぐに食べられる糖質に偏っている方も多いでしょう?スーパーでもよくそういうものばかり買っていく方を見かけます。
またBMI33の肥満2型糖尿病患者を入院させて厳しいカロリー制限をさせたところ、確かに痩せたが筋肉も減ってしまったそうです。
そりゃそうですよね、いくら筋トレをしようが筋肉の材料が足りていなければ筋肉はどんどん落ちていくんですから💦
そして太っていて一見健康そうに見えるけど実は栄養失調という場合もあるんだそうです。これはいったいどういうことでしょうか?
今回は「2型糖尿病患者を含め、太っていても栄養失調になっている場合がある」問題について考えてみることにします。
日本人の若い女性に多い!新型栄養失調とは
栄養失調というのは、多くの方がイメージするような「全体的に食事量が足りていない結果起こること」ばかりとは限りません。
カロリーは足りていても、体にとって必要な特定の栄養素が慢性的に不足していると欠乏症が起こり、健康上問題になるのです。
現代の日本で問題となっているのは「新型栄養失調」と呼ばれる栄養失調です。摂取カロリーは足りているのに、タンパク質やビタミン、ミネラルといった特定の栄養素が不足してしている状態です。
ダイエットに励む若い女性の他、子供や食事が偏りがちな中年の方にも起こることがあるんだそうですよ。
たとえば「朝食はバナナ、昼食はうどん、おやつにクッキーと甘いミルクティ、夕食はチャーハン」みたいな感じでしょうか💦
これだとカロリーは足りていても、タンパク質やビタミンミネラルは不足している可能性が高いです。
2型糖尿病患者さんの中には「果物はヘルシー」「チャーハンなら血糖値が上がりにくいんだって♪」「糖質は脳のために必要なんだよ~」と言ってかなり糖質を多く召し上がっている方も💦
もともと摂取量が不足しているだけではなく、大量の糖質の摂取はビタミンB1などを大量に消費してしまいます。ビタミンB1を特に多く含む食物は豚肉です。
肥満にも関わらず栄養が足りていない
糖質が大好きでその上脂質も大好き、それで糖質と脂質が合体したような食べ物(カツカレー、ドーナツ、天丼、ファーストフードなど)ばかり食べているとどうなるでしょうか。
カロリーは過剰なので当然太ります。糖質と脂質を同時に大量に摂取すると、糖質が中性脂肪になり、脂質もほぼすべて中性脂肪になってしまいます。
そして体はうんと肥満にも関わらず、ビタミンやミネラルが足りていないので肌は荒れ放題、髪はパサパサ、ジムで筋トレしているのにあんまり筋肉が増えない…なんてことも。
フィットネスが好きな方たちには特に気を付けてほしいのですが、運動量が多い方はその分、ビタミンやミネラルも多く消費するのでしっかり摂取する必要があります。
私の知っているある女性インストラクターさんはしょっちゅう風邪を引いてレッスンを休んでましたけど、「お昼はマクドかコンビニ弁当が多い」とおっしゃってました💦
糖質代謝に関わるビタミンB群やマグネシウム等の不足が糖尿病発症と関わっているのではないかという説もありますよね。
全体的に食べ物が不足していた時代とは違い、現代の日本では「カロリーだけは足りているけど実は栄養がスカスカ」なんていう、「肥満の栄養失調患者」が多いのかもしれませんね。
ご飯を食べれば本当に栄養が満たされるのでしょうか
よく「糖質制限ダイエットなど極端な食事方法では栄養が偏るので良くないです、ご飯を中心としてバランスよく食べるのが一番です」なんて言われますよね。
そういう方って仕事上そう言わないといけないのでおっしゃってるんだとは思いますが、検証してみることにします。
下のグラフはカロリーSlism様のサイトからお借りしたデータです。白米ご飯150g・玄米ご飯150g・豚肉100g・卵1個に含まれるビタミンを比較してみましょう。
白米はビタミンがとても少ないですね。玄米は白米よりは多いですが、卵1個とどっこいどっこいです。卵なら2個なんてすぐ食べられますよね。
卵と豚肉を一緒に食べれば、かなりのビタミンが補えるのがお分かりいただけると思います。あとヒトの体内で合成できないビタミンC(お米には含まれない)を補うために野菜を食べれば♪
「バランスよく食べなければいけない」という言葉には、実は科学的根拠があるわけではないんです。そのことは日本糖尿病学会の偉い先生も認めています。
いや「現在多くの方が信じているバランスとは全然違う、真の理想的なバランス」というものが存在すると言うべきかも。
ヒトは何を優先的に食べるべきでしょうか?
ヒトには必須脂肪酸と必須アミノ酸というものがあります。これらは絶対に体内で必要なものですが、ヒトの体内では合成することができないのです。
だから完全な脂質カットをしてはいけませんし、タンパク質を制限しすぎてもいけないのです。タンパク質が足りないと、だんだん筋肉が落ちて肌や髪がボロボロになっていきます。
各種ビタミンやミネラルは体内で重要な働きを持ちますし、病気の状態や体質によってこれらが多く消費される場合は不足しやすくなります。
そして多くの方が「重要だ」と考える糖質は、一部の病気の方を除けば必要な量は肝臓で合成することができます。
糖尿病患者はむしろ、肝臓が必要以上に糖を作り出すので空腹時血糖値がなかなか正常値まで下がらずに困って薬を飲んだりいろいろ苦労なさっている方も多いですよね!?
わざわざ食べなくても体内で作ることができて、むしろ多すぎて困っている「糖質」ばかりを特別視して糖質に偏った食事をすることはとても危険かもしれません💦
優先して食べなければいけないのは、まず人体に必要だがどうしても体内で合成することができないモノたちです。これをじっくり考えれば、これから何を優先的に食べるべきかが自ずとわかるでしょう。