糖尿病患者はウォーキングで心筋梗塞予防♪
みなさんは日常生活の中でよく歩くほうですか?それともどこへ行くにも車や電車を使ってしまうタイプですか?
このたび名古屋大学の研究で、ウォーキングなどの有酸素運動を行うと「マイオネクチン」というホルモンが骨格筋から分泌され、これが心臓の細胞の死や炎症反応を抑えることが分かりました。
骨格筋とは、いわゆるみなさんが想像するような「手足などを動かす時に使う筋肉」のことです。糖尿病患者は心筋梗塞などになりやすいですが、マイオネクチンがこれを予防してくれるのは嬉しいですね♪
運動が好きな方の中には「ウォーキングなんてラクすぎて運動にならない、やっぱりジムで強度の高い筋トレをしないと運動した気がしないよ」と言う方もいらっしゃるでしょう?
でもね、健康な方ならいいんですけど、糖尿病患者さんはすでに同年代の健康な方と比べて血管にダメージが蓄積していることが多いもの。
動脈硬化が進行している状態でハードな運動をすると、血圧が急激に上昇して耐え切れなくなった血管が…ということもあるのでくれぐれも無理をしないようにしましょう。
ウォーキングも、きちんと行えばよい運動になるんですよ♪ ハードな運動ができない方や年配の方も無理なくできるのがいいですね。
マイオネクチンを糖尿病患者の治療に応用できるか?
マウスを使って行われた実験で、運動してもマイオネクチンを分泌できない体のマウスに有酸素運動をさせても心臓を保護する効果は得られなかったそうです。
だから運動すること自体ではなく、運動によって分泌されるマイオネクチンが心臓を守るカギになっているわけです。
これを応用すれば、何らかの理由で運動ができない糖尿病患者さんの心臓を守るような薬を開発できるかもしれませんね。
心臓病は日本人の死亡原因の第2位で、心筋梗塞などの虚血性心疾患が代表的です。糖尿病患者さんは虚血性心疾患のリスクが1.8~3倍と言われているので、気を付けないとね。
運動したほうが心臓にはよいのですが、そうかといって無理をしすぎるとかえって運動中に心筋梗塞などを起こす可能性が高いのが糖尿病患者です。
病気のない健康な方がストレス発散のために激しい運動を行うのと、すでに病気のある中高年の方が行う運動療法を混同してはいけません💦
マイオネクチンは心臓以外にも効果がある!?
マイオネクチンの効果は心臓を保護することだけではありません。なんと、マイオネクチンは皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えているそうです!
つまり積極的にウォーキングを行うと、心臓に良いだけではなく肌までキレイになっちゃうというわけです。
ただし無防備にウォーキングを行うと、肌や目が紫外線によるダメージを受ける心配もありますね。
特に糖尿病患者は健常者よりも早く白内障にかかりやすいと考えられ、その原因の一つは紫外線です。サングラスをかける、ビタミンCを十分に摂取するなど気を付けましょう。
筋トレも効果的ではあるけれど…?
筋トレも血糖値を改善するための運動としてはよいものですが、強度が低ければ十分な効果を得にくいですし、強度が高すぎると血圧が急上昇して危険を伴います。
その方の健康状態に応じて無理のない筋トレを取り入れつつ、日常生活の中でなるべく歩くように心がけるのが良いと思いますよ。
ウォーキングは強度が低い運動ですが、血糖値を上げてしまうホルモンを分泌しませんし、長時間続けることができるのが最大の利点です。
糖尿病腎症や糖尿病網膜症があってハードな運動を禁止されている方でも、ウォーキングなら多くの場合は許可されると思います。
糖尿病の運動療法はまず安全第一で行うことがもっとも大事です。できれば心臓の検査を1度受けて自律神経障害などの問題がないことを確かめてから運動を始めてくださいね♪