糖尿病患者は避難所生活で高血糖になりやすいです
まず群馬、そして大阪でとても大きな地震が起こり、今も余震に備えていらっしゃる方も多いと思います。
昨夜は大阪で1400人以上の方が自主避難なさったとか…早くみなさんが通常の生活に戻れますように。
昨日姉妹ブログにも記事を書いたのですが、地震などが起こって避難生活になると糖尿病患者の血糖コントロールが悪化しやすいのです。
東日本大震災が起きてから1か月弱経過した時、医師たちが避難生活を送る糖尿病患者さんたちの血糖値を調べてみると、なんと300~400になっている方がたくさんいらしたそう!
その理由としては、まず避難所で配られる食事はおにぎり・菓子パン・カップ麺など糖質に偏った食事が多いからだと考えられるそうです。肉とかチーズとかないですよね…
他に食べるものがない上「せっかくくださったのだから…」と血糖値を上げることは分かっていても全部食べるしかないんですよね。
そして非常時には飲み薬やインスリン注射などが不足します。自宅からこれらを持ち出せなかった方もかなり多かったそうです。
さらに避難所生活では運動不足になりやすく、また精神的ストレスも非常に強くなりますよね。いろいろな悪いことが重なって非常に高血糖になる方が多いのです。
糖尿病患者が地震などの災害に備えておくべきものは?
糖尿病薬やインスリン注射を使用しているみなさん、薬やインスリンに予備はありますか?大規模な災害が起こると、2週間ぐらいはこれらが入手できない可能性があるそうです。
たまたま「明日は糖尿病内科に行く日だ」というタイミングで災害に遭ってしまった方もいらっしゃるそうです。薬の手持ちが無くなってしまいますよね。
病院で医師に「災害等に備えたいので、予備として少し多めに薬を出してもらえませんか?」とお願いすれば出してもらえないかなぁと思うのですが、どうでしょう?
薬やインスリンを使用している方は、低血糖対策としてブドウ糖も忘れずに。自己血糖測定器も予備があるといいですね、非常用持ち出し袋に入れておけばいいので。
また、お薬手帳・糖尿病連携手帳・健康保険証(コピーでも)を持っている方へは簡単に指導や処方を行うことができたのだそうです。いざという時のために準備しておきましょう。
また健康な方であっても避難所生活でおにぎりやパンばかり食べるのは非常に健康によくありませんけど、糖尿病患者はさらに気をつけなければいけません。
飲料水はもっとも重要なので備蓄しておくべきですけど、それ以外にサバの水煮缶・コンビーフ缶・するめ・低糖質レトルト食品などを準備しておくことをおすすめします。
プロテインチップスやクエストバーなども、そのまま食べることができて低糖質・高タンパクなので糖尿病患者さんには非常にお勧めです。
極端な運動不足に注意しましょう
避難所で糖質ばかりに偏った食事しかなくても運動すれば大丈夫と思われるかもしれませんが、残念ながらそれは無理です。
よっしーは糖尿病で入院していたとき、1日3回食後に速めのスピードで病棟内を10周ぐらいウォーキングしたり、自体重ながらけっこうきつい筋トレもしてましたがダメでしたから…
健康な方の糖尿病予防と、すでに糖尿病になってしまった人の血糖コントロールは同じではないことを忘れないでください。
運動による血糖降下作用を過信してはいけませんが、あまりにも運動不足になる状況は避けなければいけません。
避難所生活ではエコノミークラス症候群(長時間足を動かさずに同じ姿勢でいて、足の静脈に血のかたまりができ、これが血流にのって肺の血管などに詰まる)が起こることがあります。
これを防ぐためには水分をしっかり摂取し、ときどき体を動かしましょう。特に、自動車の中で避難生活を送る方などは長時間同じ姿勢になりやすいので気を付けてください。
特に糖尿病患者が脱水状態になるといろいろと危険です。水分をきちんとこまめに摂ること、じっと同じ姿勢でいることがないようにしましょう。
地震はみんなで考えなければいけない問題です
日本はもともと地震が起こりやすい国です。日本のどこに住んでいても「ここなら絶対に安全だ」という場所は無いと思ったほうがいいです。
地震が起こることそのものは、今のところわたしたち個人の力ではどうしようもありません…でも、万が一の時のために準備をすることは出来ます。
糖尿病患者は避難所生活では血糖値が悪化しやすくなり、いろいろな感染症などにもかかりやすくなります。健康な方以上に気をつけなければいけません。
そのために普段から準備できることはなるべくやっておきましょう。飲料水や食料の備蓄も大事ですが、寝ている間に地震が起こることもあるので寝室には背の高い家具を置かないほうがいいです。
避難所生活はとても不安なことがたくさんあると思います…どうかみなさん、血糖値がなるべく安定した状態で過ごせますように。
そして皆さんが少しでも早く通常の生活に戻ることができるようにお祈りします。他の地域の方も決して他人事ではないので、万一に備えましょう!