食を楽しみながら継続することが成功のカギ
糖尿病ネットワークに「糖尿病の食事療法を継続するポイント 食を楽しみながら成功」という記事が載っていました。
まぁその通りだと思います。結局、無理なことは継続できないですからね~。
しかし、いくら美味しくて楽しくても、肝心の「血糖値を改善する効果」がイマイチだと、結局効果はあまり期待できないことになってしまいますよね。
ちゃんと効果が出て、なおかつ患者が無理なく楽しく継続していける方法(下の図で言うと緑色の領域に入る)があればいいんですけど。
宅配業者さん主催のセミナーだから
糖尿病ネットワークに掲載されていた記事は、医療従事者向けに開かれた「第16回病態栄養セミナー」のレポートです。
このセミナーの主催者は、糖尿病食などの宅配を行っている業者さんです。糖質制限食は取り扱っていません。
ちょっと残念だなと思ったのは、せっかく「糖尿病の食事療法は食を楽しみながら継続することが大事です」「一人ひとりに対応した食事療法を」と良いことをおっしゃっているのに、いわゆるカロリー制限食では血糖値をコントロールしきれない糖尿病患者がたくさんいるという現実について言及されていないことです。
リンク先に書かれている「糖質を抜いて十分なカロリーを保とうとすると、タンパク質や脂質の量が増え、栄養のバランスが偏ってしまうおそれがある」と言う部分も正直よく分かりません。
従来の栄養学で言われてきた「バランスのいい食事」には特に科学的な根拠があるわけではなく、昔の日本人の食生活の平均がそのぐらいだったのでそう決めただけ、と日本糖尿病学会の評議員の先生もおっしゃっていますのに。
その栄養バランスが偏ると具体的にどうなるのか、もっと言うなら、糖質制限食をしている人よりもカロリー制限食をしている人たちのほうが糖尿病は改善しているのかどうかのデータを見たいのですが…
何がその人にとって最も苦しいかは個人差があります
よっしーは糖質制限食を苦しいと感じたことはありません。
もともとお米は大好きでしたが、糖尿病が発覚して教育入院をしたとき、自分のこれからを考えると、あんなに好きだったお米を食べても少しも美味しく感じられませんでした。
そして「私はたぶん2型糖尿病だから、お米さえ食べなければインスリン注射は必要ないはず。お米を食べるためにインスリンを打ちたくはない」と思って糖質制限を始めたのです。
でも、何を重視するかはその人の自由。糖質制限するぐらいならインスリンを打ってでもご飯を食べたいと思う人がいても当然ですし、メリットとデメリットをちゃんと学んだうえでそう決めたのならいいじゃないですか。
ただ…よっしーは入院中、インスリンのデメリットについて「低血糖」「太りやすい」以外の説明は一切受けませんでしたけどね。
後で色々知ってびっくりです。
選択肢があってほしいと思います
どの食事療法がその人にとってもっとも続けやすいかは違いますし、どの方法でもっとも効果が出るのかもそうでしょう。
糖質制限できない体の方も、カロリー制限高糖質食では血糖コントロールできない方もいらっしゃいます。
だからこそ、いろいろな選択肢が用意されて然るべきだと私は思うのですが、残念ながら、まだまだ日本ではそこまで進んでいないような気がしますね。
「美味しい」「楽しい」だけでは十分な効果を望めない場合もあるのだということ、いろいろな方に知っていただきたいなと思います。
「じゃあ薬を飲めばいいじゃないか」「インスリン打てばいいじゃないか」とおっしゃる専門家の方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の配偶者やお子さんがもしそうなった時、同じことを言えるかどうか…
それに、従来型の治療法では、どう頑張ってもインスリン分泌能力の低下を止められないというデータも先日紹介したばかりですし。
自分の頭で考えて、主治医に協力してもらいながら
5年前ならともかく、現在では「糖質制限?そんなの絶対にダメだ!」と頭ごなしに叱る医師はほとんどいないと思います。
何せ日本糖尿病学会の先生方の中にも、自ら糖質制限を実践する方が出てきていますし…
よっしーの主治医は「自分でちゃんと出来る人なら、検査結果を見ながらやらせている」「でも、自分で判断できないと思われる人には勧めたくないなぁ」とおっしゃっていました。
確かにその通りだと思います。糖質制限は、まだ医師でもそこまで詳しくない方のほうが多いと思います。
自分の頭で考えられない人は、何かあった時に正しい判断を取れないかもしれませんよね。
残念ながら糖尿病は、一部の例外(ものすごく不摂生していた人など)を除き、お医者さんに言われた通りに薬を飲んでいても「治る」病気ではありません。せいぜい、進行を止められれば万々歳、御の字といったところでしょう。
だから「自分が主治医」ぐらいのつもりで構え、自分にとって効果があってなおかつ継続していける方法を模索していかないとね。
そして、主治医の助言なども受け入れながら、血糖コントロールを継続していかなければ。