様々な神経障害がもたらされる
糖尿病神経障害は、糖尿病性網膜症、糖尿病腎症とともに、糖尿病の三大合併症のひとつです。よっしーも3年前に緊急入院したとき「糖尿病神経障害がある」と言われました。
その症状は、手足のしびれや痛み、感覚が鈍くなる、下痢や便秘を繰り返す、味覚が鈍くなる、発汗異常、立ちくらみ、尿が勢いよく出ない、EDなど。全身にいろいろな症状が現れてきます。
また、神経障害は他の糖尿病合併症と比較すると、比較的早い段階から出てきやすいとされています。実際はいろいろな症状が出ていても、まさか糖尿病と関係があるとは思わないこともありそうですね…
(上の図はメディカルノート様のサイトからお借りしました)
急に血糖値が悪化した時などは、動眼神経がマヒして「あっ!右の目が動かせない!!」なんていうことも起こるそうです。ただしこれは血糖コントロールにより回復することがほとんどだそうです。想像すると怖いですね…
グレート義太夫さんも、目を動かす神経に異常が起こり、ものが2重に見えることがあったそうです。バーンスタイン医師によれば、このような異常は患者自身が気付いていない程度のものを含めるとかなりの頻度で見られるんだとか。
糖尿病神経障害が進むと、たとえば足の裏に画びょうが刺さっていても気が付かないことがあるそうです。普通はすごく痛いですよね!?
また、熱さを感じなくなってしまうと、カイロなどを使用していて低温やけどの危険性もあります。だから冬には特に気を付けなければいけないと糖尿病教室で言われました。
とても恐ろしい神経障害
高血糖の状態が続くと、神経細胞の中にソルビトールという物質が蓄積されて、また神経細胞が必要としている栄養や酸素を運ぶ細かい血管の血流が悪くなることにより、だんだん神経が障害されていきます。
普通は低血糖の時には冷や汗・動悸などの自覚症状が出るものですが、神経障害があるとこれらの自覚症状が出ず体が低血糖に対して血糖値を上げるホルモンを出せないのでそのまま死亡する場合があります。
また糖尿病神経障害や血管障害により、足の組織が腐ってしまい、足を切断しなければいけないこともあるそうです。
現在、日本では年間に2万本の足が糖尿病神経障害により切断されているそうです。何とも恐ろしいことです…
糖尿病神経障害の検査はどんなもの?
糖尿病神経障害を調べる検査にはいくつかあります。よっしーが糖尿病で入院した時に受けたのは「CVR-R」「神経伝導速度」の検査です。
CVR-Rというのは、心電図で100回分の心拍を測って、心拍のばらつき具合を調べるものです。健康な方では呼吸などにより、心拍にある程度(3~5%)のばらつきがあるのが正常です。
ところが糖尿病神経障害で自律神経がやられていると、このばらつきが少ない(2%以下は異常)だそうです。
よっしーは1.55で「すごく悪い」と言われてしまいました…どうりで安静時頻脈などのおかしな症状があったわけだ!今はどのぐらいの数値になっているんでしょうね?
神経伝導速度の検査は、末梢神経の信号が伝わる速度を調べるものです。末梢神経が障害されると、信号が伝わる速度が落ちるそうです。
「運動神経伝導速度」が50m/秒以下、「感覚神経伝導速度」が45m/秒以下だと神経障害ありと判定されます。
よっしーは「運動神経伝導速度」が53.6と57.9で「感覚神経伝導速度」が49.7と45.7でした。うーん、ちょっと危ないけどまあ正常範囲かな。
手遅れにならない段階なら治ることもある
糖尿病神経障害がある程度進行してしまうと神経が死滅してしまっているため、残念ながらもう治すことは難しいです。
しかし初期の段階であれば、血糖コントロールをきちんとすることによって回復可能なのが糖尿病神経障害です。傷んだ神経は初期のうちなら回復するのだそうです。
1型糖尿病のバーンスタイン医師の患者さんたちも、特に若い患者の場合は血糖コントロールによってCVR-R検査の結果が正常化する方が多いそうです。
神経障害による足先の痛みなどの症状がひどい場合は、痛みを軽減するために対症療法的な薬を飲むこともあるそうですが、脂溶性ビタミンB1のベンフォチアミンが糖尿病合併症を改善するのではないかと言われていることを昨日ふと思い出しました。
体内で糖とタンパク質が結びついてAGEs(最終糖化産物)になり、これが糖尿病合併症や老化の原因になると考えられているのですが、ベンフォチアミンはAGEsが出来るのを抑制するんだとか!
果物に多く含まれている果糖はブドウ糖の10倍もAGEsを作りやすいそうです。果物はヘルシーだと思ってたくさん食べている方は特に気を付けてくださいね。
よっしーは子どもの頃から果物が大好きで、入院する直前までずっと毎日食べていました…みかんとかリンゴとか。今は嗜好品として少量いただく程度にしています。
糖尿病合併症にもいろいろありますが、いずれにしても手遅れにならないように少しでも早く対策を始めなければいけません。