よく食べてよく動けば糖尿病にはならない?

食べても運動していれば糖尿病にはならない?

昨日は妊娠糖尿病についての記事を書きましたが、今日は「糖尿病予防」について書いてみようと思います。

ブログ村や人気ブログランキングから来てくださっている方はすでに糖尿病と診断されている方がほとんどだと思いますけど、「現在はまだ糖尿病ではないが、このままの生活を続けていくうちに将来糖尿病になってしまうであろう方たち」はたくさんいらっしゃるはず。

このブログが、その方たちが糖尿病を発症するのを未然に防ぐためのヒントになるのであれば、よっしーが糖尿病になった意味があるのかなと思います。そういうわけで今後は糖尿病予防に関する記事も時々書いていくつもりです、よろしくお願いします。

 

 

さて、若い頃のよっしーは「よく食べてよく動く」がモットーでした。父は若くして2型糖尿病と診断されましたが、診断されたときの父はちょっと太め体型だったのです。

だから「太っていなければ糖尿病にはならない」「バランスよくしっかり食べて筋トレしていれば、余分な糖は筋肉が消費してくれる」と思って週5日ジムに通ってせっせと運動に励んでおりました。

ああ、それなのに妊娠したとたんに妊娠糖尿病になり、産後も子どもを母に預けて短時間ジムで集中して運動していたにも関わらず2型糖尿病になってしまいました。これはいったいどういうことでしょう?

今回は、よっしーの「よく食べてよく動けば大丈夫」という思い込みのどこが間違っていたのかを検証してみることにします。

 

食事と運動のタイミングが合っていない

糖質を食べてしばらくすると血糖値は上昇し始め、健常者の方の場合は1時間後ぐらいにピークになることが多いです(脂肪の多い食事ではやや遅れます。また重い糖尿病ではピークの時間が2時間後ぐらいに来ることがあります、よっしーも最初はそうでした)。

だからそのタイミングに合わせて運動すれば血糖値の上昇を抑えることができるのですが、必ずしも食後のタイミングで運動できるとは限りませんよね?

たとえば会社帰りにジムで運動して、その後帰宅してたっぷりご飯を食べてしまえば、血糖値が上がるわけです…よっしーも昔はこのことを考慮していませんでした。

 

 

「いや、運動して筋肉のグリコーゲンを枯渇させてしまえばその後糖質を食べても筋肉が糖を取り込むので血糖値は上がらないはずだ!」という意見はごもっともです。

グリコーゲンはブドウ糖がたくさんつながった構造になっており、肝臓や筋肉に蓄えられています。しかし現実問題として、筋肉のグリコーゲンを枯渇させるほど運動するのはなかなか大変なことです。

筋肉が貯蔵しておけるグリコーゲンの量は200~400gと言われています。筋肉量により、個人差があるわけですね。多い人で400gとしましょう。グリコーゲン400gは1600kcal分に相当します。

体重60kgの人がジムで筋トレを30分間行った時に消費するカロリーは約220kcalだそうです。体脂肪を一切使わずにグリコーゲンだけを消費したとしても、220kcal分の糖質はご飯茶わん1杯とちょっとの量でしかありません。フルマラソンを完走すれば2520kcalを消費できますが…

 

 

筋肉を増やしたとしても、貯蔵しておけるグリコーゲンの量なんてたかが知れています。筋トレ後は筋肉が糖を取り込んでくれるから平気平気!!と思っていたんです。筋肉を増やせば基礎代謝量も増えるし~♪とも。

高強度筋トレをした直後に友人とジムの近くの回転寿司で寿司を食べまくったこともありましたが、今思うと愚かな行為だったというしかありません…焼肉は高脂肪なので体に悪いけど寿司はヘルシーだと信じていました。

当時は「今食べてる寿司が全部筋肉になりますように☆」なんて言いながら食べてたんですよ、笑っちゃうでしょう!?こんなことをしていたので「筋肉バカ」と言われることもありましたねぇ。

言うまでもなく、筋トレが好きな人=バカではありません。筋トレを過信し、筋肉さえつければ何もかも解決すると思っている人(=過去の自分を含む)が愚かなだけです(;^_^A

 

筋肉量が多くてもそれ以上に食べていれば糖尿病になる

上の内容につながるのですが、ちょっとばかり筋肉を増やしたからと言って「何をどれだけ食べても血糖値が上がらない体になれる」わけではありません。

糖尿病になりやすい体質の人とそうでない人はいます、それは遺伝子によって生まれつき決まっており、体質を努力で劇的に変えることは不可能だと思ってください。当たり前ですよね。

筋トレをして筋肉量を増やすことで、もともと100だった血糖の処理能力を110に増やすことはできるかもしれません、しかし生まれつき50の能力しか持たない人がどんなに努力しても100を超えることは出来ないんです。

また、血糖の処理能力が平均以上でも、それ以上に糖質を大量に食べていればやはり糖尿病になります。アントニオ猪木さんは現役時代からの糖尿病ですが、やはり食事量は半端じゃなかったそうですよ。猪木さんは最初運動でコントロールしようとなさっていたそうですが、現在はインスリン注射をなさっています。

 

 

 

 

清原和博さんも若いころから筋トレ好きなのは有名な話で、逮捕される前になさっていたアメブロでもジムに通っている話を書いていらっしゃいましたよね。でも同時に「今日のおやつ」として、かなり大量に食べていらっしゃる画像をUPされていたのでひそかに心配していました。

清原さんもインスリン注射をなさっているみたいですが、現在の病状はどうなのでしょうか。とても心配です。何しろ、血糖値が900まで行ったことがあるそうなので…

よっしーはアントニオ猪木さんや清原和博さんと比べると間違いなく食事量は少なかったはずですが、もともと遺伝で糖の処理能力が低かったために糖尿病になってしまいました。

要するに、その人の持つ処理能力を超えて糖質を食べてしまえば糖尿病になるということです。そして、処理能力以上に糖質を食べるのは決して難しいことではないんです。大食いのフードファイターの方たちは、おそらくどれだけ食べてもほとんど吸収されていないのでしょうね…糖質だけではなくミネラル等の吸収も良くないのではないかと心配してみたり。

 

 

太っている人だけが2型糖尿病になるわけではない

肥満は確かに2型糖尿病の大きなリスクです。肥満によってインスリンの効きが悪くなり、それをカバーするためにすい臓のベータ細胞は大量のインスリンを分泌しなければならず、そのことがベータ細胞を過労死させるからです。

しかし、もともと痩せているのに2型糖尿病になる方もいますし、糖尿病と診断されてダイエットしてもある程度以上はなかなか血糖値が改善しない方もたくさんいらっしゃいますよね。

インスリンを分泌する能力が低いのは遺伝ですが、じつはインスリンの効きが悪いのも一部、遺伝と関係があるのだそうです。これまでに100種類以上の遺伝子異常が発見されているそうですが、まだすべてが解明されたわけではないと考えられています。

だから「肥満を解消すれば万事解決」「運動さえしていればすべて解決」というわけにはいかないんですよね、残念ながら…

 

 

 

 

もし2型糖尿病と診断されたあなたの家族に他に糖尿病患者が誰もいなくて、かなりの肥満体でこれまで全然運動をしていなくて糖質をバカ食いしてた…という場合、たぶん食事を「バランスの良い食事」にしてちょこっと運動するだけで体重が減り、血糖値も劇的に下がると思いますよ。そういう方はラッキーですね♪

肥満でもなく運動不足でもないのにどうしても血糖値が下がらない方は、インスリンの効きを良くする糖尿病薬の服用や糖質制限がどうしても必要になってきます。

食事とは無関係に24時間ちょっとずつ分泌されている基礎分泌のインスリンも不足している場合は、それを補うためのインスリンも必要になるでしょう。

 

まとめ:運動を過信しすぎることは危険です

運動不足は確かに体に良くありません。運動は痩せるためだけに行うのではなく、筋肉量の減少を防いだり、骨を丈夫にしたり、心肺機能の向上や血管をしなやかに保つなど、安全に気を付けて行うならメリットがたくさんあります。

また、食後にうまくタイミングを合わせて運動すれば、ある程度は血糖値の上昇を抑えてくれます。しかし過信してはいけません

下手な絵で申し訳ないですが、下の図をご覧ください。小学校の算数の授業で習った、上から水を入れて下から出すというアレです。

 

下の水道を多少ゆるめることは可能ですが、ドバーッと全開にすることはできません。しかし、上の水道をドバーッと勢いよく出すことは簡単です。そうなると、血糖は容器からあふれ出してしまいますよね…そのままにしておくと大変なことになります。

血糖が容器からあふれないようにするためには、下の水道をゆるめる努力も大事ですが、上の水道から入ってくる量を減らすことも同時に考えなければ根本的な解決にはなりません

昔のよっしーのように「運動してるから食べても平気!」なんて思っていると、後でものすごーーーく後悔することになってしまうかも…どうか気を付けてくださいね。

 

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