低インスリン療法の本当の意味とは?

SUNAOソフトクリームで血糖値はどれぐらい上がる?

夫が昨夜、お土産にSUNAOバニラソフトを買ってきてくれました。このソフトクリームは美味しいんですけど糖質が多め(8.8g)なので、FreeStyleリブレで血糖値を測ってみることにしました。

食前103→60分後150→90分後123→120分後101→150分後95

60分後150…Σ(゚д゚lll)!!

 

 

まぁ私の場合、暁現象のせいで、起きてしばらくすると何も食べなくても血糖値は上がるんですけどね…昼間に食べても血糖値130ぐらいにはなりそうです。

先日冷凍みかんを食べた時は普通のみかんと比較して血糖値の上がり方が小さかったのでちょっと期待したんですけど、やっぱりアイスは冷たくても血糖値はしっかり上がるみたいですね。

やはり、たまに食べる時は運動して血糖値を下げようと思います…

 

低インスリン療法は危険?

さて、今回は「低インスリン療法(インスリン・オフ療法)」について思うことをひとつ。

低インスリン療法とは、なるべくインスリン(自己分泌であっても注射であっても同じ!)を大量に体内に循環させないようにして糖尿病を改善しようとする方法です。

新井圭輔先生の「糖尿病に勝ちたければ、インスリンに頼るのをやめなさい」という本や水野雅登先生のブログ記事ですでにご存じの方も多いでしょう。

インスリンが出すぎる、あるいはインスリン注射を大量に打つことは低血糖だけではなく認知症・一部のガン・動脈硬化・肥満のリスクとなります。また、高インスリンが臓器障害を引き起こして糖尿病合併症を発生・進行させるのではないかと言う説があります。

 

 

確かに、インスリン注射の副作用として新たに糖尿病網膜症を発症したり、悪化が見られることがあるそうです。血糖値が下がっても糖尿病合併症になるのでは意味がないですよね…

で、この低インスリン療法に対して「1糖尿病患者にもインスリン注射をやめろと言うのか?」「何が何でもインスリンを使うなと言うのはいかがなものか」という意見もあるようです。それはもっともなことです。

しかし先生方のどなたも「誰であっても一切インスリンを使ってはいけない」とはおっしゃっていません。インスリンが出すぎると問題ですが、食事とは無関係に24時間ちょっとずつ分泌されている基礎分泌のインスリンはとても重要です。

これがまったくないと、ものすごい高血糖になって最後は昏睡状態になって死んでしまいます。よっしーも、空腹時血糖値が500近くになって緊急入院し、インスリンの入った点滴を受けて生命の危機を脱することが出来ました。

 

米国人医師バーンスタイン先生はどうか?

1型糖尿病のアメリカ人医師・バーンスタイン先生は自己分泌がゼロなのでもちろんインスリンは注射しておられます。しかし、かなり少ない量です。

なんと、持効型インスリンを1日あたり6単位、毎食前に速効型インスリンを約3単位だけだそうです。

それで彼のHbA1cは常に4%台半ばで、40年ぐらい前から糖質制限を継続していらっしゃって、すでに出ていた糖尿病合併症は治ってしまったそうです。

「インスリン注射をしている」といっても、その量がなるべく少なくて済むように彼は糖質制限をなさっているわけです。

 

 

患者さんたちにはまず糖質制限させ、運動してインスリン抵抗性の改善を試み、それでもダメならインスリン抵抗性を改善する飲み薬を使用し、それでもどうしてもダメならインスリン注射だそうです。

これは必要最低限の量のインスリンしか使わないようにしているわけなので「低インスリン療法」と言えますよね。

誰もがインスリン注射を完全にやめられるわけではありません。よっしーはおそらく2型だったためやめられたのです。必要であれば、どうしても少量のインスリン注射は打たなければいけません。

 

糖尿病の標準的な治療方法はどうか?

また、いわゆる標準的な糖尿病の治療においても、インスリン抵抗性があるのは良くないとして運動を勧めたり、インスリン抵抗性を改善する飲み薬を処方することもありますよね。

低インスリン療法の先生方とは「このぐらいならOK」とするインスリンの量が違うだけで、「インスリンが出すぎるor打ちすぎることは良くない」という考えそのものは同じですね。

うんと太っていた2型糖尿病患者が痩せるだけで糖尿病がかなり改善することがあるのも、インスリンの感受性が良くなったので少量のインスリンで正常血糖値を保てるようになったからですよね。

 

低インスリン療法を行ってもインスリンは出なくなりません

これまでに何度か書いていますが、低インスリン療法を行ったからといってすい臓がインスリンの出し方を忘れてしまうわけではありません

なぜなら、ケガで完全にベッドに寝たきりだった人の脚の筋肉が衰えてやせてしまうのとは違い、糖質を制限していても24時間基礎分泌のインスリンはちゃんと分泌していますし、野菜や大豆製品などにも糖質が含まれている以上「まったく追加分泌がない」ということは考えられないからです。

 

→すい臓は鍛えても強くすることはできない

 

農耕が始まる前、ヒトは野生動物と同じで、上がりすぎた血糖値を下げなければいけないような状況に陥ることはほとんどなかったと思われます。

血糖値を上げるホルモンは複数あるのに、血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。

その唯一のシステムが破たんしたら、もうおしまいじゃないですか…

 

 

本来、ヒトは基礎分泌のインスリンと、たまに木の実か何かを拾って食べた時にちょっと追加分泌のインスリンを分泌すれば十分だったのでしょうね。

しかし時代は移り変わり、1日3回大量に糖質を食べなければいけないということになってしまい、すい臓がもともと弱くてその負荷に耐えられない人から順にどんどん糖尿病を発症するようになってしまいました。

 

低インスリン療法とはヒト本来の自然な状態に戻ることなのかも

遺伝子は、短期間でそう簡単に劇的に変化するものではありません。現在では日本人の成人の5~6人にひとりが糖尿病または予備軍になりますが、大昔から「糖尿病になりやすい体質を持つ人」はいたはずです。

でも、そんな体質を持っていても、糖尿病になるような生活ではなかったために発症することはなかったのです。それは運動量の違いであったり、食事の内容のせいかもしれません。

新井先生いわく「調べていないだけで、野生のライオンの中にも糖尿病体質の個体はいるはず」確かにその通りですね。糖質を食べていないので、発症しないわけで。

日本人の若い女性は痩せている方が多いにも関わらず、8~10人にひとりが妊娠糖尿病になります。未治療の妊娠糖尿病では、胎児が巨大児になって自然分娩が困難になったり、生まれた赤ちゃんが低血糖や強い黄疸、自分で呼吸が出来ないなどのトラブルになりがちです。逆に子宮内で発育不全で死亡することもあります。

大昔の女性は妊娠糖尿病になったでしょうか?そうなったとしても、インスリン注射も帝王切開もNICUもありませんでしたが…

 

 

野生動物は、ほうっておいても糖尿病などになることはほとんどありません。誰よりも健康に気を遣う動物であるはずのヒトが、もっとも病気にかかります。ヒトに飼われている猫や犬も、糖尿病になります。

かつてのあの「たけしの本当は怖い家庭の医学」のような番組を見ては「糖尿病怖い!!」とビビり、でもやることと言えば「あの食材が血糖値を下げるらしい」という情報を聞いてちょっと試しては、すぐに飽きてしまう方がほとんどではないですか?

でも、本当に病気が怖いと思うのなら、もっと根本的なところを見直してみなければいけません。

現代の日本に生きる私たちが今さら縄文時代以前の生活に戻ることは出来ませんけれど、昔の人たちの生活を見直してみることで、病気を克服するためのヒントが得られるかもしれないのです。

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