糖尿病患者の低血糖には医師たちも困っているみたい…どんな対策を?

疑問を持つ男性医師

患者の低血糖で困っている医師が多い

低血糖は、とても危険なものです。夜中に眠っている間に低血糖が起こり、そのまま気づかずに眠り続けることがあります。

その時、危険な不整脈が起こることがあり、最悪の場合はそのまま死亡することすらあるんです!高血糖は良くありませんが、低血糖は死に直結します

糖尿病患者を診察している医師を対象に行ったアンケートによると、1型糖尿病患者さんたちの低血糖に苦労していると答えた医師は72.8%だったそうです。

2型糖尿病患者さんたちの低血糖に苦労していると答えた医師は55.6%でしたが、これは2型糖尿病患者はインスリン注射や低血糖を起こしやすい薬を使用していないことも多いからでしょう。

 

 

で、医師たちは低血糖を起こしやすい患者さんたちに対して低血糖を起こしにくい飲み薬を処方したり、血糖管理を緩めにしているようです。

低血糖を起こしにくい飲み薬を処方するのは分かります。インスリンを分泌させるような薬は、低血糖を起こしやすいですよね。

血糖管理を緩めにするというのは、目標血糖値を高めに設定してインスリンを少なめに打ってもらうということでしょうか?

低血糖を起こすからインスリンを少なめにするなら、最初から糖質の摂取量を少なくすればインスリンも少量しか打たなくていいと思いますが…

 

にゃご
高血糖は良くないけど、低血糖は生命に関わることがあるからすごく危険なんだよね。

よっしー
寝ている間に心臓が停止することもあるし、眼底出血も起きやすくなるわ。自覚症状が出にくいこともあるから怖いわよね。

 

糖質制限できない患者さんが多いのが現実

ほんの数年前までは「私は糖質制限をしたいのに主治医から猛反対されて困っている」という方が多かったようです。

しかし今では、正式に認められていないとはいえ日本の医師の半数以上が糖質制限肯定派です(表面上はともかく、内心は)。

それに患者さんたちに糖質制限を指導しているクリニックも増えていますし、糖質制限の教育入院ができる病院もあります。

 

 

したがって、積極的な患者さんたちは自分からそういう医療機関を選びますので「医師が反対するせいで糖質制限できない」という方は減っているのではないかと。

逆に、医師が糖質制限を勧めても「先生、僕には無理です」と言ってやらなかったり半年も経たずに挫折してしまう患者はかなり多いみたいですね。

もともと糖質制限に反対していたある医師は最近では若い太めの患者さんたちに糖質制限を勧めるそうですけど、まず継続できないんですって。

糖質が大好きだからこそ太ったのでしょうし、そういう患者さんに糖質制限してみたら?と言ってもそりゃ難しいでしょうね。

 

 

2型糖尿病患者さんの中には、主食の重ね食いやデザート三昧など「なぜそんなに糖質ばかり?いくらなんでもこれは病院で叱られるのでは??」と思う方も。

よっしーの主治医の受け持ち患者の中で、ガチ糖質制限をしている患者は私と友人と、あと糖尿病合併妊娠で妊娠中も糖質制限をずっと通して無事に健康な赤ちゃんを産んだという女性の3人…後は主治医は把握してないらしいです。

総合病院の糖尿病内科ですから、数値はそれなりに悪い患者さんたちが多いと思いますが(軽症の方は近所のクリニックに行くように勧められる)…それでもみなさん、できません。

 

普通に糖質を摂取していると血糖値の乱高下を防ぎきれません

よっしーも最初は1日4回インスリン注射をしていましたが、基礎分泌インスリンの代わりをする持効型インスリンはともかく、食事用のインスリンを食事とぴったりマッチさせるのはなかなか難しそうだなと感じました。

なぜなら人間の食べ物はエサではないので、常に消化吸収のスピードだの脂質やタンパク質の種類や量だのが変動しますよね。

計算したつもりでインスリンを打ったのに思いのほか血糖値が高くて、慌てて追加打ちをしたら今度は低血糖になって糖質を摂取…なんてこともあるでしょうね。

 

 

特に1型糖尿病の方でインスリン自己分泌が0の場合は、非常に血糖値が乱高下しやすいのです。食事とは無関係に、緊張などでも血糖値は上がるんです。

ただ、血糖値が変動しやすいと言っても、血糖値の乱高下の原因のひとつ「食事」をコントロールすることで血糖値の乱高下を最小限にすることは可能じゃないでしょうか?

このブログでもよく紹介させていただいている、アメリカ人の医師で1型糖尿病患者でもあるバーンスタイン先生は12歳の時に発症なさいました。

いわゆるカロリー制限食を食べてインスリンを注射していましたが自己分泌はゼロになり、糖尿病合併症がたくさん出てからようやく自己血糖測定器を手に入れました。

 

 

そして初めて先生は、自分の血糖値が1日の中でかなり乱高下していることを知りショックを受けます。その後あれこれ試行錯誤の末、糖質制限+インスリン少量頻回注射にたどり着きました。

バーンスタイン先生式では、朝食は糖質6gまで、昼食と夕食は12gまでです。朝食の糖質が他の食事の半分なのは、朝は血糖値が上がりやすいためです。

2型の方であればこれで完全にインスリン注射を中止できる方も多いですし、1型の方でも食事用のインスリンを減らせるので血糖値の乱高下、低血糖のリスクが減ります。

インスリン自己分泌がある程度残っている1型の方の場合、糖質制限を継続することによってある程度インスリン分泌能力が回復することもあるそうですよ。

 

食事方法を選択するのは自分です

糖尿病の食事療法は、日本では正式にはまだいわゆる「低カロリーのバランス食」しかありません。アメリカでは糖質制限食やDASH食を含めていくつかの選択肢が認められていますけどね。

各自、健康状態や食の嗜好などは異なりますので、どんな食事方法を選ぶかはその人の自由であると考えています。

2型糖尿病患者の多くは糖質制限すれば完全に注射から解放されることが多いので、ちょっとばかり辛くても頑張ろうと言う方もいらっしゃいます。

 

 

1型糖尿病の方は糖質制限していても必ず少量のインスリンは注射しなければいけないので「どうせ注射をしないといけないのだから普通にみんなと同じものを食べたい」という気持ちもよーく分かります。

1型の方でまだ自己分泌が残っている場合は糖質制限によって進行を防げるケースがあるということ、普通に食べていると低血糖のリスクが高いことなど、いろいろ考えた上で自分で決めなければいけないことです。

友達と食事に行ってみんなと同じものを食べられないとか、コンビニの新作スイーツを食べられないことがものすごく辛いと感じる方もいらっしゃいます。

結局、「この方法にはこんなメリットがありますけど、こういうデメリットもありますがどうしますか?」とひととおり説明してもらって、あとどうするかは患者の自己責任なんですよね。

医師たちを悩ませる、患者の低血糖問題。フリースタイルリブレの普及によりこの問題は今後徐々に減っていくかもしれません。

しかし血糖値が下がり始めてから素早くブドウ糖を摂取するなどして対応したとしても、そもそも最初から糖質を控えていれば起こらないことだと気付けるかどうか。

主治医の先生方の指導も大事ですが、私たち患者の側がどうしたいのか、どうしたらもっと良くなるのかを考えないといけませんよね。

 

にゃご
お医者さんに言われたことを守るのも大事だけど、結局自分の健康は自分で守らないといけないんだよな。

よっしー
主治医はたくさんの患者をかかえているしね。メリットとデメリットをよく考えましょう♪

 

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