糖質制限はカロリー制限や運動で血糖値が下がらない患者の最後の手段?

「糖質制限」のロゴ

糖質制限しなければいけない患者は可哀想!?

よっしーが糖質制限を始めたのは、2型糖尿病を発症していたのに気付かずにずっと放置してしまい、風邪で寝込んだのをきっかけにして糖尿病性ケトアシドーシスで緊急入院したあとです。

あの時はいますぐ何とかしないと死ぬんじゃないかというぐらい崖っぷちまで追いつめられた状況だったので、糖質制限することに迷いは無かったですね。

でもそうではなく、比較的軽症の2型糖尿病でまだ糖尿病合併症も出ていないと言う方の多くは、糖質制限を始めることにかなり抵抗があるようです。

「夕食に食べるよりも朝食に糖質を食べるほうが良い!」とか「筋トレ前なら糖質を食べても良い」とか、実に一生懸命考えて糖質を食べようとなさるんですよね。

 

 

糖質をタバコに入れ替えて考えてみてください。「夜吸うよりも朝吸ったほうが健康に良い!」なんて言うなら、いっそ禁煙すればいいんじゃないの?と突っ込みたくなりますね。

それも「耐ニコチン能」とやらを鍛えるべく毎日適度に喫煙しなければいけないとか、ちょっと理解に苦しみます。糖質も基本的にはこれと同じようなものかと。

そういう方たちは「糖質制限は、運動や普通のカロリー制限でもどうしても血糖値が下がらない重症の気の毒な糖尿病患者の最後の手段」だと考えているフシがありますorz

確かに糖質制限すると食後血糖値はあまり上がりませんけど、じつは糖質制限をする本当の目的ってそれだけじゃないんですよね。今回はそんなお話です。

 

にゃご
タバコの話にしても、そこまでして吸いたいのか!?って思うよな。吸わない者から見れば。

よっしー
そうね~。彼らにとって、タバコのない人生は考えられないんだと思うわ。糖質も同じね。

 

血糖値を下げるだけならいくらでも手段はありますが…

糖質制限をただ単に「食後血糖値を上げないだけ」としか思っていないようならごめんなさい、あなたはまだ糖質制限の本質を理解できていません。

ただ血糖値を下げるだけなら、他にいくらでも手段はあるんです。低血糖を起こさないようにだけ気を付けて、インスリンをガンガン打てばいいんです。必ず血糖値は下がります!

他に、すい臓にムチ打ってインスリンを分泌させるような飲み薬も何種類かありますよね。食べた後ひたすら運動しまくるというテもあります。

でも実際問題として、低血糖はものすごく危険ですよ。Twitterでインスリンを打っている糖尿病や妊娠糖尿病のみなさんをたくさんフォローさせてもらっていますけど、ふと違和感を感じて血糖値を測ると30台だったとか、ザラにあります!!

 

 

また、よっしーは糖尿病で入院する直前までジムに通ってハードに運動してたんですけど、ある日ファイドウという格闘技系エクササイズに参加した後シャワールームで気分が悪くなりました。

今思うとあれは低血糖の症状だったんです。おそらく高糖質食でうんと食後血糖値が上がった後、激しい運動で急激に血糖値が下がったためにそうなったのではないかと。

慢性的に高血糖の方の場合、何かの拍子に急に血糖値が下がると正常血糖値の範囲内であっても低血糖の症状が出る場合があります。気をつけたいですね。

 

2型糖尿病患者がインスリンをたっぷり分泌するor注射するとどうなる?

みなさんは、なんとなく1型糖尿病は2型糖尿病よりも病気の程度が重くて大変だと思っていらっしゃるのでは?確かに1型の方は血糖値が乱高下しやすく、コントロールは難しいと思います。

しかし、肥満の1型さんを除けば、1型の方はいわゆる「インスリン抵抗性」はあまりないんです。これに対して2型糖尿病の場合は、程度に差はあっても必ずインスリン抵抗性が存在します。

 

 

妊娠中の一時的な耐糖能異常である妊娠糖尿病も、胎盤から出るホルモンのせいでインスリン抵抗性が生じている状態です。

2型糖尿病患者のインスリン抵抗性の原因は肥満や運動不足や遺伝などいろいろですけど、インスリン抵抗性があると言うことは血糖値を下げるために2倍も3倍もインスリンが必要だということです。

インスリン抵抗性がない1型糖尿病の方がインスリンを打つのは、単に足りない分を外から補っているだけなので体内のインスリンの量は健常者の方と変わりません。

しかし強いインスリン抵抗性がある2型糖尿病患者が糖質をたくさん食べてたくさんのインスリンを分泌したり外から注射で補うと、健常者や1型の方と比べてかなりの量のインスリンが体内を循環することになります。

 

 

高インスリン血症は肥満・ある種のがん・認知症・糖尿病合併症などを引き起こすと考えられています。糖尿病ではないのに糖質が大好きで眼底出血した30代前半の方もいらっしゃるそうです。

たとえ血糖値が低めにキープされていても、インスリンが多く分泌されている場合は糖尿病合併症のリスクが高まっているんです。

2型糖尿病の方のほうがむしろ、このことに気をつけないと危険なのではないでしょうか。「自分は糖質制限までしなくても血糖値は良好だからいいや」と油断していると危ないですよ。

 

糖質制限の真の目的は「余計なインスリンを出さないこと」

糖質制限=血糖値を上げないだけ、と思っていると、血糖値さえ上がらなければ何を食べてもいいんだと思ってしまいがちです。

でも本当に大事なのはむしろ、糖質を制限することによって「必要以上にインスリンを分泌させないこと」ではないでしょうか。

糖尿病の他にも糖質の過剰摂取と関係があると言われている病気はたくさんありますけど、そういう病気にかかる方は血糖値は正常=糖尿病ではない方も多いじゃありませんか。

「糖質制限は最後の手段」だと言っている方は「自分は肺がんになる寸前まで絶対にタバコをやめないぞ!禁煙よりも耐ニコチン能を鍛えて『吸えるカラダ』を保つことが大事だ!」と言っているようなものです。

 

 

でも実際にはタバコは健康に百害あって一利なしなんですよね…中毒の方がいきなり禁煙を試みると禁断症状が出て、また吸うとラクになるのでなかなか禁煙できないそうですけど…

ひどい中毒状態になる前のまだ健康な段階でスパッと禁煙してしまったほうが、ラクですし健康への悪影響も少なくて済みますよね。糖質制限も、早すぎるなんてことは無いと思いますよ。

糖質制限のキモは、単に血糖値を上げないだけではなく余計なインスリンを必要とさせないことです。まだ糖尿病合併症がない方にはなかなかイメージしにくいことかもしれません。

でも将来「しまった…」とめちゃくちゃ後悔するようなことにならないために、この機会に「血糖値さえ上がらなければそれでいいのか?」をよく考えてみてくださいね♪

 

にゃご
糖尿病だから血糖値の事ばかり気にしてしまう人が多いと思うけど、それだけでは不十分なんだよね。

よっしー
そうよ、表面だけ見ていると大事なことが見えなくなるわ。気をつけましょう!

 

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