2025年2月 眼科受診 ステロイド出される

富山は来週は雪の日が続きそうなので、今のうちに…と眼科へ行ってまいりました。

いつもの検査で糖尿病網膜症は大丈夫でしたが、じつは先月結膜炎になり、市販の抗菌目薬で何とか収まったと思ったらまたぶり返したようなので。

今回は前より軽くて視力にも影響はないみたいで、医師も「たいしたことないな」とおっしゃってましたが、目尻がひりひりしてまぶたが腫れているのが辛くて。

で、いつもの眼圧の目薬と目薬2種類、眼軟膏2種類(レボフロキサシン点眼液フルオロメトロン点眼液オフロキサシン眼軟膏デキサメタゾン眼軟膏)が出されて「良くならなかったらまた来て」と言われました。

 

 

 

フルオロメトロン点眼液とデキサメタゾン眼軟膏は「ステロイド」です。私は次男が赤ちゃんのとき、食物アレルギーを乳児湿疹と誤診されてステロイドを処方された挙げ句「治らないのは顔の洗い方が悪いからだ」と叱られたりしたのでステロイドにはあまりいい思い出がありません。

それにステロイドは血糖値を上げるのは有名な話で、前も耳鼻科でステロイド吸入剤を出された時かなり高血糖になりましたし、ステロイド糖尿病もありますよね。

しかし、だからといってステロイドを全否定するのもどうかなと…ステロイドを使うべきではない病気に間違えて処方したり、だらだらと長期間使い続けるのは問題だと思います。

でも抗菌目薬をきちんと使ってもなかなか良くならない以上、指示された通りにステロイド使ってさっさと治したほうがいいかなと。

 



 

結膜炎って放置して重症になると視力障害になることがあるので油断は禁物なんですよ。長期連用は怖いので、1週間ぐらい使っても良くならないようならまた眼科へ行こうと思います。

副作用のうち高血糖はある程度仕方ないとしても、眼圧が心配だったので医師に相談すると「あなたは眼圧は高めだけど緑内障ではないから過度に心配する必要はないと思うが、使う回数を守って(使いすぎないように)」とのことでした。

薬といえば昨日もXで「糖尿病の薬のオゼンピックで失明する、危険!」と大騒ぎになっていました。

2型糖尿病または肥満症の治療薬であるセマグルチド(注射薬オゼンピック)で「非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)」のリスクが高まるというのです。

オゼンピックは血糖値が高い時だけインスリン分泌を促す注射です。低血糖になりにくいのと、食欲を抑える効果もあるらしくてそこに期待してダイエット用に求める人もいるようです。

恥ずかしながらNAIONという病気について何も知りませんでしたので調べてみますと、眼の奥(眼底)で光を脳に届ける神経に栄養を届ける動脈が動脈硬化で狭くなることで起こる病気だそうです。



糖尿病患者は動脈硬化が進行している場合があり、もともとNAIONのリスクが高いのでしょう。それがさらにオゼンピックでリスクが高まるのはいったいなぜ?

血糖値を下げるホルモン・インスリンはとても大事なホルモンですが、大量に出過ぎていると動脈硬化のリスクが高まります。

1型糖尿病の方は肥満でない限り普通はインスリン抵抗性はないとされていますが、2型糖尿病および肥満症でセマグルチドを使用している患者はインスリン抵抗性があり、その状態で糖質の多い食事療法をして食後に大量にインスリンが追加分泌されるような生活をしていると動脈硬化が進行しやすくなるとは考えられませんか?

アメリカのバーンスタイン医師が90歳の現在もお元気なのをあまり快く思わない医師が「今はいいクスリがあるから昔ほど糖質を制限しなくていいのにぃ」とおっしゃっていたのを見かけたことがありますけど、血糖値「だけ」下げるのではなく高インスリン状態にしないことが糖質制限の重要な点なんですがね。

とにかく、機序も考えずに「オゼンピックは危険な薬!」と大騒ぎするのではなく「なぜそうなるのか」「ではどうすべきか」を考えて冷静に判断するべきだと思うのですよ。主治医に黙って勝手に薬をやめたりするのは良くないと思います。

 

眼科医・水無瀬ひとみちゃん

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こういうご時世ですから紙の本は在庫なしになってもそう簡単には増刷されないかもしれないので、あるうちに買っていただくことをおすすめします。未公開の描き下ろしマンガもありますよ!

イラストは眼科専攻医2年目の水無瀬ひとみちゃんです!ケットウ2巻をお読みになって久しぶりに眼科を受診したという報告もいただきました。本当に良かったです!!

医療は鵜呑みにするのも全否定するのもどちらも極端過ぎるもの。自分で良く考え、納得がいかないことは主治医とよく話して選択していくことが大事だなと思います。

 

にゃご
にゃご

どうしてそうなるかを考えないとね!

よっしー
よっしー

薬全否定ではなく、必要なら慎重に使う、が私のやり方よ。

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