先日11月14日は「世界糖尿病デー」で、「この機会に糖尿病について理解が深まるといいなぁ」と期待しました。
いろいろなニュース、サイト、ツイートなどを拝見しましたが、だいたいこんな感じの情報が多いと感じました。
・糖尿病は早期発見、早期治療が大事。
・糖尿病合併症は悲惨、こうならないように。
・糖尿病だからといって食べてはいけないものはない、バランスよく食べよ。
・なるべく歩きましょう、座りっぱなしが良くない。
中には2型糖尿病患者を「隠れメタボなんだろう?」「不摂生してたんだな」と表現しているものもあったりして、これが本当に「糖尿病を正しく理解する」ってことなのかしら?と疑問に思いました。
糖尿病の早期発見が大事なのはその通りです。糖尿病合併症がある程度進行してしまうと、あとはどんなに血糖値が良好でも合併症の進行を止められないとされています💦
また糖尿病合併症は怖いのですが、合併症があっても一生懸命治療している人がたくさんいらっしゃるのに、自身は健康な方の安全圏からの「合併症怖いね~、悲惨だね~」ってだけの言い方は何か引っかかります。
糖尿病だからといって1グラムたりとも食べてはいけないものがあるわけではありませんけど、血糖値が目標範囲内でおさまるように食べるならほんのひと口しか食べてはいけないものがたくさんあります。
歩いたり運動するのは良い事ですが、運動の効果を過信しすぎるのは問題だと思います。「運動さえすればオッケー」ではないことを踏まえてできる範囲で運動すればいいと思いますよ。
肥満・暴飲暴食・運動不足が2型糖尿病に良くないのは事実ですが、2型糖尿病の原因がすべてそれらにあるかのような表現は正直、残念だなと思いました。
私なら「生活習慣に気を付けましょう。でもかなり気を付けていても体質的に2型糖尿病になりやすい方もいらっしゃいます、その場合は…」という書き方をすると思いますね。
だって実際、周囲の方々を見ていると「なぜこの方が2型糖尿病になるわけ?」と不思議に思うことがよくあるからです。
「糖尿病について正しく知りましょう」と言いながら結局「2型糖尿病は生活習慣病」「糖尿病でも食べちゃいけないものは無いのでバランスよく何でも食べましょう、血糖値が上がる方は2型でもインスリンを打ってくださいね」って感じなんですよね。
栄養指導をする側は食事療法が1種類しかないほうがラクに決まってますし、製薬会社は他の企業と同じように「慈善事業」ではないので儲けを出さなければいけないのは当然でしょう。病院もそうでしたね。
ただ患者は、自分の健康を第一に考えて方法を選択する権利があると思うんですよ。現在の方法が誰にでも完全に同じように効くわけではない以上、複数の選択肢があってしかるべきだと思うのですが。
糖尿病に関する「正しい情報」っていうのは結局、どなたのための情報なのかな…と思わずにはいられない世界糖尿病デーでした。
↑↑↑どこへの忖度もない、ただのイチ糖尿病患者の16日間の入院中の生活を淡々と綴ったノンフィクション漫画です。
本当に糖尿病を何とかしたいのなら、今の言い方でいいのかなって思うよニャー。
本当に糖尿病患者がいなくなったら困る人たちもいるでしょうしね…まぁ私たちは自分の健康を守りたいだけよ!