アルコール性ケトアシドーシスに注意!

アルコール性ケトアシドーシス

アルコールが原因のケトアシドーシスって?

糖尿病患者は慢性的にインスリンが不足気味の方も多いのですが、これが極度のインスリン不足になると、血糖はたくさんあるのに体はそれをエネルギーとして利用できなくなります。

血糖はある、でも血糖をエネルギーとして利用できないので血液中には大量の糖があふれ、糖をエネルギーとして利用できないので体は代わりに脂肪酸などからケトン体を作ってそれをエネルギーにしようとします。

健康な方が糖質制限を行うとやはりケトン体が増えますが、この場合はインスリンがきちんと働いている状態であり、血液が酸性寄りになることもありません。

ところが糖尿病性ケトアシドーシスでは体内でインスリンがほとんど作用していない状態です。この状態だと、普段はインスリンによって制御されている肝臓がやたらと糖を放出して抑制が効かなくなります。

 

アルコール性ケトアシドーシスのマンガ

 

肝臓がどんどん糖を放出して血糖値が上がるけれど、体は血糖をエネルギーとして利用できない、高血糖によりますますインスリンが作用しなくなるという悪循環(糖毒性)に陥ります。

普段はケトン体が増えても呼吸によって調整が行われて血液は酸性にならないが、それも調整しきれず血液が酸性寄りになって全身がガタガタになって時には死亡することもある危険な状態が糖尿病性ケトアシドーシスです。

また何らかの原因によって血液中の乳酸が増加して「乳酸アシドーシス」が起こることもあります。乳酸アシドーシスは糖尿病性ケトアシドーシスよりもかなり死亡率が高いのでとても危険です。

そしてこれらとはまた別の「アルコール性ケトアシドーシス」というものがあるということをご存じでしょうか?

 

なごみ
なごみ

アルコール…という事はお酒が原因ですか?

よっしー
よっしー

そうよ。お酒の飲み過ぎと他の条件が重なると起こりやすいの。

アルコール性ケトアシドーシスはどんな病気なの?

きちんとした食事を摂らないまま大量にお酒を飲むような生活が続くと、アルコール性ケトアシドーシスの危険性が高まります。

お酒を飲むと肝臓の糖新生が一時的にストップするので血糖値が下がる事はみなさんも経験されたことがあるのではないでしょうか?

私はいわゆるストロング系チューハイ1缶で血糖値が70台に下がって「うわっ、これは怖いな…」とびっくりした経験があります。

たまにちょっと飲むだけでもこうなりますが、長期間にわたって大量飲酒が続くと、アルコール代謝の際にできる物質が蓄積されていき、飲酒時にますます強力に糖新生がブロックされるそうです。

長期間の飲酒や栄養不足が続くと、肝臓に蓄えられた糖(グリコーゲン)は枯渇してしまいます。グリコーゲンが枯渇したうえに糖新生がストップするのは大変な事態ですよね。

 



 

低血糖になるととても危険なので、体は脂肪からエネルギーを得ようとします。低血糖になるとインスリン分泌は減ります。そして慢性的な栄養不足や嘔吐・下痢などにより脱水・飢餓状態に陥ると事態は深刻になります。

これらによりグルカゴン、コルチゾールなどのホルモンが大量に分泌され、インスリンの働きが弱まります。

アルコール性ケトアシドーシスの症状は糖尿病性ケトアシドーシスのそれとよく似ていますが、後者では必ず高血糖(私の場合は空腹時で475でした)になるのに対して前者では正常値か低めになることが多いそうです。糖尿病患者の場合はやや高めになることもあるとか。

治療はまずビタミンB1を大量に、それからブドウ糖を含んだ生理食塩水の点滴を行います。水溶性ビタミンやマグネシウムなどを補います

 

やはりお酒の飲み過ぎは控えたほうがいい…

「糖質オフなお酒ならたくさん飲んでもいいだろう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんけど、やはりお酒には気を付けたほうが良さそうです。

アルコールには神経毒性があるので、特に糖尿病神経障害がある方はお酒は極力飲まないほうが良さそうです…

飲酒時に低血糖になるのが危険だからと言って「じゃあ糖質をたくさん食べればいいのか」ということでもありません。

以前リブレをつけていたとき、飲み会で血糖値が下がったので「これはヤバイ」と思って糖質が多少ありそうなおかずを食べていると、遅れてガツンと上がってがっかりした経験があります。。

ともかく、お酒の飲み過ぎには気を付けたほうが良さそうですね!特に服薬している方や糖尿病神経障害のある方などは気を付けましょう。

 

なごみ
なごみ

どうしても飲み過ぎてしまう方は病院で相談してみるといいかもしれませんね!

よっしー
よっしー

自分一人ではなかなかうまくいかないこともあるものね。

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