糖尿病患者同士なら分かりあえる?
糖尿病または糖尿病予備群と言われて食事に気をつけなきゃ…と思っている皆さん。糖尿病患者たちが集まるコミュニティに参加なさっていますか?
私はこんなブログを運営していますが、現在はいわゆる糖尿病コミュニティには参加せず、SNSで少数の気の合う糖尿病患者さんたちと交流するのみです。
「えっ?同じ糖尿病患者同士でガンガン情報交換したほうがいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。
たとえば「あのコンビニで低糖質な新商品が発売されたよ」みたいな情報は非常にありがたいのです。
しかし「嬉しいね」と盛り上がっていると必ず「あれ添加物入ってるじゃんw」「脂質が多い!糖質も脂質も減らすべき!」などと意見をしたがる方が現れるのです。
同じ食事制限(カロリー制限、糖質制限など)をしている患者同士だからといって何もかも分かりあえるわけではなく、中には自分のやり方を押し付けたがる人もいるのでよく考えましょうねというのが今回の話です。
同じ病気ならみんな同じ気持ちだとは限らないのですね?
そうよ、人それぞれ病気の状態も心の有り方も違うし。
皆が自分と同じわけではない!
1型糖尿病患者さんと比べて、2型糖尿病患者さんはあまりにも個人差がありすぎるのでそこが問題をややこしくしていると思います。
たとえば「糖尿病家系ではないけどあまりにも暴飲暴食をしていて発症した、教育入院したらそれだけで血糖値が正常化した、薬は飲んでいません」という方は「糖尿病だからといって無理に糖質制限しなくてもいいんです!」とおっしゃるのは当たり前かもしれません。
また「インスリンはたっぷり分泌されているけどただ効きが悪いだけ」と「インスリン分泌不全がある」では全然違います。インスリン分泌不全があるとタンパク質でもそれなりに血糖値が上がったりするので「セカンドミール効果を考えて朝食は良いものをしっかり食べましょう」と言われても困ってしまいます。しっかり食べると糖質が少なくてもガツンと上がるので…
さらに糖尿病の重症度とは必ずしも関係がないのが「同じものを食べてもあの人は血糖値があまり上がらないのに私は爆上がりしちゃった」という問題です。市販の低糖質パンなどでわりと聞く話です。
また、糖尿病合併症であったり無関係の他の病気をお持ちだったりして特定の食事療法ができない方もいらっしゃいますが、それを他の糖尿病患者にも「◯◯は良くないからあなたもやめたほうがいいよ」などと押し付けてしまう方もいらっしゃるんですよね。
私は自分の血糖値の乱高下をなるべく最小限のインスリンでコントロールしようと思うとどうしても今みたいな食事内容になるんですけど、もっと軽い制限で済む方はそれでいいと思いますし、自分より厳格な制限を行っている人に「ストイックすぎる」などと言う権利もありません。人それぞれですから。
糖質制限している患者同士でも分かり合えない!?
私が糖尿病と診断された頃(9年前)はまだ「糖質制限は是か非か」という感じの意見の対立がありましたが、最近は糖質制限を実践する方は増えてきていますね。
そして新たな問題が…「私も糖質制限しているけど、私よりストイックに制限するのは良くないです!」「僕は糖質制限しているけど、ビタミンサプリはいらないと思います!」「私は糖質制限しているけど肉は良くないので魚と豆にすべきです!!」などなど。
いろいろな「糖質制限派の医師」たちが本を出版なさっていますが、細かいやり方は少しずつ異なっているわけです。
そこで「A先生の本にはその食材はダメだと書いてあった!」と言われても、別に私はA先生の信者じゃないので困るんだけどな…と思ったり。
また自分が緩い糖質制限で十分だからといって自分よりストイックな制限を「やりすぎだ」と批判するのも悲しいことです。それって健康な方が「糖質制限なんて良くない」と批判するのと何ら変わらないことではないんでしょうか?
「自分はお米で血糖値が上がる、パンでは上がらない」もその逆も、あくまでも「その人の場合は」に過ぎないのに、「だからあなたの主張は間違っている」みたいな話になるのは変ですよね。血糖測定の結果は、どの方にとってもその方にとっては真実。他の患者にも同じように当てはめることはできないはず。
患者は患者の立場をわきまえるべき
中には他の患者さんが処方された薬を「それは危険な薬だからやめたほうがいい」とか「あなたもその食事療法はやめてこうするべきだ」などとおっしゃる方もいます。
しかし医師でさえ会ったこともない診察していない患者のことを主治医を差し置いてあれこれ言うことはできないはずです。
私はずっと自分を診察してくれている主治医を信頼してすべてお話しているので、SNSの匿名の(実名でも…)自称医師の方の「医学的に正しいアドバイス」などに振り回されることはありませんが。
それでも医師の方は一定の知識はあるわけですが、そうではない患者の方が「自分の経験では◯◯なのであなたもそうするべき!」みたいに押し付ける権利はないと思いますし、間違っていたら危ないなぁと思うんですよね。
たとえば糖質制限をしていて腎臓が悪くなってしまった方がいらっしゃるとして、それは本当に糖質制限が原因であると医師からきちんと診断を受けたのか、それとも「きっとそうに違いない」と思ったのか、どちらでしょうか。
正直、医師でも明確な原因がわからないことってあると思います。前の主治医が「40歳を過ぎると糖尿病と関係のない腎臓の病気になる人は増えるからねぇ」とおっしゃったことがありましたし。
「私はこういうことがあったので一応皆さんも気をつけてくださいね」ぐらいの言い方ならわかるけど、あまりに強く断定するような言い方だと「??」と思ってしまうのです。
そして一部の医師たちも、患者の主治医を差し置いて好き勝手にあれこれ意見するのはおやめくださいな。以前フォロワーさんが「自称・糖尿病専門医の方が病院で処方された薬にケチをつけてくる」と困っていらっしゃいました。
押し付け合わない関係は快適です♪
「健康な方は私達の辛さを分かってくれない。同じ糖尿病患者同士で話をしたい」と思う気持ちは分かります。きっと今までに健康な方から心無い言葉をかけられたりなさったのでしょう。
しかし残念ながら同じ糖尿病患者でも分かり合えないことはよくありますし、むしろ「自分はこうだから」と自信満々に自分に合うやり方を押し付けてくる人さえいらっしゃいます。
健康な方でも「大丈夫?これだったら食べられる?」と気遣ってくれる方もたくさんいらっしゃいますよ。つわりで苦しむ妊婦さんを心配する独身男性と「私も子供3人産んだけどつわりでも頑張って仕事してた、甘えるな!」と叱る子持ち女性みたいなものでしょうか(!)
↑↑↑先日は漫画の打ち合わせ(『ケットウ!~糖尿病内科医・甘栗美咲~』の紙書籍の件など)で東京に行きましたが、糖質制限していない担当編集者さんと食事に行きましたがお互い好きなものを食べて楽しかったですよ♪
友達と食事に行くときも、糖質しかないお店はさすがに難しいけれどいろいろなメニューが有るお店ならみんなそれぞれ食べたいものを食べられるのでありがたいです。
相手が何を食べていようが、押し付け合わなければ別にどうでもいいし快適なんです。糖尿病の私は「やっぱりバランス良い食事が大事だよね!」ってな方よりも「あーカップ麺美味しい♪」とか書いてらっしゃる方のほうが押し付けてこないので付き合いやすかったりします。
結論・参加したい方はしたらいい!
以上、糖尿病患者同士の情報交換といってもメリットばかりではありません。中にはどうしても自分のやり方を他人にも押し付けたがる方が居ます。
それでもやっぱりメリットを取りたいと思われる方はどんどん患者コミュニティに参加したらいいと思うのです。私は…もういいかな。
以前主治医から「患者会に参加してみたら?漫画の参考になる話があるかもしれないし」と提案されたことがありましたが、食事会に参加できないと思うのでやめておきました(笑)
特にまだ慣れないうちは情報交換も大事と思いますが、振り回されたりストレスで血糖値が上がるようでは本末転倒なのでね。上手に利用してください♪
絶対参加しなきゃいけないものではないですからね♪
そういうこと!ブログとかサイトは見たい人だけ自由に見たらいいしね。