糖質制限を始めると血糖値はすぐに下がるけれど…
よっしーが糖尿病で入院したとき病院食を食べていて空腹時血糖値は150以上あったのですが、「糖質制限を試したい」と申し出て試しにやってみたところ90になったので主治医もびっくりでした。
食後血糖値が下がるのは当たり前ですが、空腹時血糖値まで下がるなんて!きっと病院食を食べていたときは、食事の前にインスリン注射をしても次の食事までに血糖値を下げきれていなかったんでしょうね。
退院後は持効型インスリンのみ注射していて「これは一生継続しないといけないでしょう」と主治医から言われていましたが、7か月で完全に中止することが出来ました。
このように重症の2型糖尿病であっても血糖値は速やかに下げることができますが、血糖値が下がったからと言ってすでに出てしまっている糖尿病合併症がカンタンに良くなるとは限りません。
よっしーは糖尿病網膜症による黄斑浮腫(目の奥に水がたまっているような状態)があり「眼球に注射をするか手術するしかない」と言われつつ経過観察をしていましたが、3年ぐらいかかってようやく浮腫は治りました💦
この記事を読んでくださっている方の中には「もう自分は糖尿病合併症が治ることはないんだろうか…」と辛い気持ちになっていらっしゃる方も多いはずです。今回はそんな話です。
糖尿病合併症はとても怖いよな…早く治したいと思うのは当たり前だよな。
ある程度以上進行した糖尿病合併症は治せないという事になっているわね💦
糖尿病合併症を早く治そうと焦ってはいけません
糖尿病と診断されたばかりの方は合併症はまだ出ていないでしょうけれど、発症して5年も経つと何らかの合併症が出てくる方が多いです。特に神経障害は真っ先に出てきます。
糖尿病合併症は、血糖値を正常化しても治るとは限りません。ある程度以上進行してしまっていた場合、残念ながらその後どんなに頑張って血糖値を完全に正常化しても合併症はどんどん進行してしまうこともあるのです。
だからこそ、手遅れにならないうちに対策してほしいんですよね。まだ糖尿病になったばかりで合併症が何も出ていない段階であれば、普通の人と変わらない生活を送ることができます。
よっしーが通っている病院のベテランの先生は糖尿病教室で「死ぬときにちょっとばかり足がしびれていてもいいじゃないですか」とおっしゃいました。
これはつまり「糖尿病神経障害は現代の医学ではほとんど治せないけど、それ以上進行させないように何とか頑張りましょう」という意味だと私は解釈しましたが、いかがでしょうか?
患者たちの弱みに付け込んで「いま流行りの糖質制限よりも、当社の〇〇エキスを飲めば短期間で糖尿病を克服でき、合併症も改善しますよ」などと言って健康食品を販売している業者もありますが、気を付けてくださいね。
そういう業者さんのサイトに載っている体験談なんて、本当かどうか確かめる手段がないんですから…体験談を書いているのがその会社の社員さんだったらどうします?個人ブログを装った業者ブログもあるかも💦
バーンスタイン医師の患者さんたちの糖尿病合併症克服体験談
アメリカ人医師・バーンスタイン先生は12歳で発症したインスリン自己分泌ゼロの85歳の1型糖尿病患者で、試行錯誤の末、数々の糖尿病合併症を克服なさった経験者です。
先生のやり方は基本的に「糖質制限をして、その人にとってなるべく最小限の量のインスリンしか使わない」方法です。朝食は糖質6gまで・昼食と夕食は12gまでと決められています。
先生はこのメソッドを開始してから高脂血症が1年で解消、タンパク尿は1年で消失、アルブミン尿が完全に消失するまでかなりの長期間(数十年?)かかり、脚の動脈の粥状動脈硬化が数十年かかって消失したそうです。
彼の本の中から、彼自身や彼の患者さんたちの糖尿病合併症がどれぐらい時間がかかって治ったかの実例を挙げてみることにします。参考になさってください。
・67歳男性患者…心臓の自律神経障害が2年弱で正常化、胃不全麻痺が完治(期間不明)
・60代女性1型糖尿病患者…糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫が約10年後に完治
・54歳の1型糖尿病の男性医師…増殖網膜症が劇的に改善、緑内障が治癒(期間不明)
このほかにもたくさんの体験談が載っていますので、興味のある方はぜひ本を手に取ってご覧ください。2型糖尿病の方でも読む価値のある素晴らしい本ですよ♪
神経障害は比較的短期間で治りやすく、腎症や網膜症はやや時間がかかるみたいですね。バーンスタイン先生は1年でタンパク尿は出なくなったものの、アルブミン尿がまったく出なくなるまでにはかなりの年月がかかっています。
だから焦らずに、10年以上かかるつもりで血糖コントロールを継続していくことが大事だと思います。数か月とか1年で魔法のように糖尿病合併症が完治することを期待してはいけません。
血糖値さえ下げれば糖尿病合併症は良くなりますか?
数々の糖尿病合併症の患者さんたちを救ってきたバーンスタイン先生の糖尿病治療方法をもうすこし詳しく説明します。基本的にはまず糖質制限(朝食は糖質6gまで・昼食と夕食は12gまで)です。
食事だけでダメなら運動、それでも不十分ならインスリンの感受性を高める飲み薬を服用し、1型さんや重い2型さんなどでどうしても必要な場合はインスリンの少量頻回注射です。
1型糖尿病でインスリン自己分泌のない方は、どうしてもインスリンは必要です。でも、その注射量をなるべく少量で済ませるようにしているわけです。これは「低インスリン治療」と言えますよね。
「インスリンをなるべく少量で済ませる」ことと「自己分泌がないのにインスリンを使わない」ことはまったく意味が異なります。特に基礎分泌インスリンは非常に重要で、これが無いと何も食べていないのにどんどん血糖値が上昇し、制御不能な状態に陥ります。
ただ血糖値を下げればいいと考えるなら、多めにインスリンを打てば必ず血糖値は下がります。でもその場合、頻繁に低血糖を起こしやすくなりますよね💦
そして普通に糖質の多いものを食べながらインスリン注射をしている患者さんたちはみなさん、糖尿病合併症を完全に予防できたり、すでに出ている糖尿病合併症は治っているでしょうか?
糖尿病合併症は血糖コントロールを開始してもすぐに治るわけではありませんし、ある程度以上進行してしまうと残念ながらもう治せないこともあります。
しかし少しでも回復を願うなら「正しい方法」で「焦らず長期間にわたって」努力を継続していかないといけないのです。必ず良くなると信じて、今の自分にできることを続けていきましょう。
きっと辛い日もあると思う。だけど「必ず良くなる」と信じて続けていこう!
努力の方法が正しければきっと良い結果が出るわ、時間はかかるかもしれないけど…私も頑張るので、一緒に続けていきましょうね♪