子供が糖質を食べ過ぎても「太るよ」「虫歯になるよ」だけ??
この記事を読んでくださっている方の中には、お子さんやお孫さんがいらっしゃる方もきっと多いことでしょう。
子供たちがお菓子やおにぎり、カップラーメンなどを食べ過ぎているとつい「そんなに食べると太るよ!」と言いたくなりますね。
また甘いケーキを食べた後すぐに歯を磨かないと「虫歯になるのでは…」と心配になってしまいます。でも心配すべきことはそれだけでしょうか?
2型糖尿病は「生活習慣病」と呼ばれ、遺伝的な体質に加えて長期間の不摂生の末に中年以降になってから発症する病気だと思われがちです。
ところが、糖尿病はまだ子供の頃から始まっていることがあります…糖尿病とはっきり診断されるほどの状態ではなくても、その前段階にいる子供たちは少なくありません。
日本人の場合、成人で2型糖尿病を発症した人のうち医学的に肥満の方(BMI25以上)は欧米よりもかなり少ないんだそうです。
ところが、子供の時に2型糖尿病になった子供のうち70~80%はいわゆる肥満児です。言い換えれば、肥満ではない子供も2型糖尿病になることがあるわけです💦
えっ、太っていない子供も2型糖尿病になることがあるのか!
中学生ぐらいになれば、日本ではもう1型糖尿病より2型糖尿病の子供の方が多いんですって。
「子供が2型糖尿病になるわけがない」と思ってない?
赤ちゃんや幼児が2型糖尿病を発症するケースはさすがに考えにくいですけど、小学校高学年から中学生ぐらいにかけて、成長期の子供たちには「生理的インスリン抵抗性」が生じます。
これはホルモンの変化によるもので、糖尿病の子供たちは成長期には血糖コントロールがイマイチになりやすいのだそうです。
子供の2型糖尿病は8~9歳から発症が増加し、13~14歳にピークがみられたそうです。これは生理的インスリン抵抗性とそれに伴う肥満に関係があるのでしょう。
ただし20~30%の子供たちは肥満ではないのに2型糖尿病を発症します。この子たちはインスリン抵抗性ではなくインスリン分泌不全が主体であるということになります。
2型糖尿病を発症した子供たちのうち、家族に他にも2型糖尿病患者がいる子供は50%以上だそうです。これはもっと多い(80~90%とか)と思っていたので意外に低い数字です。
つまり家族に糖尿病患者がいない子でも、太り過ぎで糖質大好きだと決して油断してはいけないということですよね。
そして普通、よほどのことがない限り子供に糖尿病の詳しい検査はしないはずです。学校の尿検査で引っかかった子ぐらいでしょう、病院へ行くのは。
朝の空腹時の尿に糖が出てくるほど血糖値が高くなるのは、2型糖尿病がある程度以上進行してからですよね。初期の2型糖尿病は、学校の尿検査では見逃されてしまいます💦
2型糖尿病と思っていたらMODYかもしれない…
子供の2型糖尿病の中に、実はMODY(若年発症成人型糖尿病)が紛れこんでいることがあります。よっしーもMODYかもしれないと言われたことがありますが、遺伝子検査をしていないので分かりません。
MODYは糖代謝に関わる遺伝子のいずれかが変異を起こして機能障害となることで発症します。常染色体優性遺伝(両親のどちらかがこの変異を持つと、子供に50%の確率で伝わる)で子に遺伝します。
肥満とは無関係に、子供から25歳ぐらいまでに多く発症します。いわゆる「成人のやせ型2型糖尿病」とそっくりなので遺伝子検査をしないとなかなかハッキリしないようですね。
MODYにも原因となる遺伝子変異によっていくつかのタイプがあり、境界型糖尿病ぐらいの症状で薬物療法が必要ない場合もあれば、糖尿病合併症になりやすいタイプ、腎嚢胞などを合併して腎機能が低下していくタイプなどがあるそうです。
症状が軽いMODYは普通の2型糖尿病と思われやすいのではないでしょうか?でも実は生活習慣が悪いわけではなく、糖代謝に関わる遺伝子の変異が原因の病気なのです。
MODYの他にも、1型糖尿病や2型糖尿病とは異なる子供の糖尿病はいくつかあります。なかなか聞きなれない病名でしょうけど、このような病気があることは知っていただきたいですね。
糖尿病患者を多数診察していらっしゃる江部康二医師によれば、MODYでも普通の糖尿病と治療法は同じだそうです。つまりMODYにも糖質制限が有効ということです。
だからよっしーは「自分は2型糖尿病の可能性が高いけどMODYの可能性もゼロではない」と思い、そのつもりで自分や息子たちの食生活に気を付けています。ま、普通の2型糖尿病も遺伝の関与が大きいという点では同じですからね💦
親が子供たちの未来を作ります
小学生や中学生ぐらいの年齢ではっきりと2型糖尿病(あるいはMODYなど)と診断される子供はごく少数かもしれません。
しかし2012年で香川県の小学4年生の児童の血液検査を行ったところ、0.4%の児童が「糖尿病の疑い」と分かりました。
はっきり「糖尿病の疑い」とまではいかなくても「HbA1cの数値が高めで糖尿病ハイリスクの児童」は男子10・5%・女子8・9%とかなり多数だったそうです。
いくら香川県が糖尿病患者の多い県とはいえ、これが香川県だけの問題だとは思えません。他の都道府県でも、子供たちのHbA1cを調べたらけっこうマズい数値なのではないかしら💦
子供たちは毎日の食事を自分で用意できません、親が用意してくれたものを食べるしかありません。そして、子供の時の食習慣は大人になって独立してからもそのまま続くかもしれません。
好きなだけ食べさせるのは論外として、ヘルシーなつもりで果物をたっぷり与えたりカボチャやイモを多用するのも、その子の体質によってはNGかもしれません。
これまで当ブログでも何度も書いていますが、糖尿病合併症に苦しむのは私たちの世代でおしまいにしたいのです。子供たちに同じ苦しみを背負わせたくありません。
現在のところ遺伝子を書き換えることはできませんが、どんな遺伝子を持っていたとしても糖尿病を発症しないように食事などで予防することは可能です。それが出来るかどうかは、私たち親にかかっているのです。
お酒が飲めない人はお酒を飲まなければ何も悪いことが起こらないのと一緒だな!
糖代謝が苦手な体質の子供にたくさん糖質を食べさせる必要はないわ。そうでしょう?