心筋が線維化?【糖尿病性心筋症】の恐怖!

糖尿病性心筋症

心筋炎は軽く考えてはいけない怖い病気です!

厚生労働省が10月15日より「新型コロナワクチンを接種した後、心筋炎・心膜炎の発症事例が報告されている」とHPで注意喚起を始めました。

軽症の場合が多い」とのことですが、逆に言えば「少数ながら軽症では済まない人もいる」ということでありますから、これは大いに気になるところですよね💦

心筋炎は、心臓の筋肉(心筋)に炎症が起こる病気です。心筋炎になると心臓のポンプとしての働きが低下したり(心不全)、危険なリズム異常が発生したりして(心ブロックや致死的不整脈)とても怖い病気だそうです。

心筋炎では心筋の細胞の破壊により体内の免疫反応がおこり重大な炎症反応を生じるとのことですが、破壊された心筋細胞は完全に元通りの状態になるのでしょうか?

 

 

きちんと治療すれば心筋炎が「治癒」する人が多いとはいえ、心筋細胞は現時点では再生できない細胞とされています。

つまりいったん死んでしまった心筋細胞は2度と元の状態には戻らないというわけで、このことが将来の心不全リスクやスポーツをする子供のパフォーマンスに影響を与えるのではないかという懸念がありますよね💦

現在、人為的に心筋細胞を増殖させる技術の開発を目指して研究が進められています。いったん失われた心筋細胞を再び増やすことができれば、心不全はぐっと減りますよね!

 

にゃご
にゃご

治療によって心筋炎ではない状態に戻るけど、心筋細胞の数は発症前よりも減っているかもしれないってことかな?

よっしー
よっしー

そういう事だと思うわ。少しばかり減ってもその数値が正常範囲であれば病気ではないということになるのでしょう?それで将来も全く問題がないと言えるのかどうかが心配なの。

「糖尿病性心筋症」はどんな病気?

さて、心筋の病気といえば、私たち糖尿病患者が気を付けなければいけないものとして「糖尿病性心筋症」があります。
アメリカの1型糖尿病の医師リチャード・K・バーンスタイン先生も若いころ心筋症と診断されたという記述が著書の中にありました。先生は87歳の現在もお元気です!

心筋炎や心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が障害されることで、心臓のポンプとしての機能が低下する病気です。何らかの原因によって心筋に炎症が起こるのが心筋炎、心筋症は心臓の筋肉の慢性的な異常による病気です。

糖尿病患者はそうでない方よりもあらゆる循環器疾患のリスクが高くなってしまうそうですが、「糖尿病性心筋症」は糖尿病に伴う心筋や心室機能の障害の中で冠動脈疾患(心臓に血液を供給する冠動脈の血液の流れが悪くなり、心臓に障害が起こる病気)、高血圧、弁膜症(心臓内で血液が逆流しないようにドアのように働く弁が正常に機能しなくなる病気)などを認めないものだそうです。

なぜ糖尿病患者が糖尿病性心筋症になるか原因はいろいろ考えられるそうですけど、中でも終末糖化産物(AGEs)の蓄積や心臓自律神経障害というのが気になりました。

 

 



 

私は7年近く前に糖尿病が発覚して入院した折、CVR-R検査で心臓自律神経障害があると分かりましたので…しかし当時あった安静時頻脈(運動もしていないのに脈が速い)などの症状はすべて消失したので改善したのでしょう。

心筋症では「左心室拡大」「左心室肥大」「拡張機能障害」のうちいずれか1つ以上が起こるそうです。

いくら糖尿病には運動したほうが良いと言っても、状態によっては強度の高い運動はとても危険な場合もあるので「どの程度の運動なら行っていいか」は必ず主治医と相談していただきたいと思います。

ちなみに糖尿病と診断されたときの私のように「自律神経障害」がある患者の場合「日常生活以外の運動処方は行わない」ということになっています。くれぐれも無理なきよう…

 

これ以上正常な心筋細胞を減らさないために何ができるか?

糖尿病性心筋症では心筋組織の線維化などの変化が起こり、心肥大・左室拡張機能障害が進行し、やがて左室収縮機能障害や症候性心不全へと進展していきます

「心筋組織の線維化」とは、心筋の慢性の炎症によって正常な細胞がコラーゲンなどの硬い組織に置き換わっていくことです。

線維化は心臓以外の臓器でも起こり、臓器線維化が進行すると最終的に臓器不全に至ります。心臓だと心不全になるということです。

現在、いろいろな臓器の線維化の進行を止める方法の研究がおこなわれていますが、残念ながら現段階では「この薬を飲めば臓器が完全に元の状態に戻りますよ!」というのは無理のようですね💦

 

 

糖尿病で心不全が進行している患者に糖尿病薬メトホルミンを投与すると、そうでない場合と比べて生存率が明らかに高くなることは以前から分かっているそうです。

また最近ではやはり糖尿病薬のSGLT2阻害薬が新たな心不全の薬として使われるようになってきているようですね。

新しい心不全の薬も出てきているとはいえ、やはりいったん減ってしまった正常な心筋細胞を元通りに増やすのは難しいのが現状です。

ただでさえ糖尿病患者は心筋症のリスクが高いので、貴重な心筋細胞をこれ以上減らすかもしれないようなことはできるだけ避けるべきでしょう。そのためにはどうしたらよいでしょうか。

 

にゃご
にゃご

すい臓のベータ細胞だけじゃなくて心筋細胞を大事にすることも考えないといけないよね!

よっしー
よっしー

そうよ、すでに失ってしまったものは仕方ないけどこれ以上失わないようにしなくてはね!!

 

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