糖尿病腎症になると必ず人工透析になるの?
「糖尿病腎症」は糖尿病の3大合併症のひとつで、腎臓でろ過を行う糸球体という毛細血管の塊で血管が破れたり詰まったりして老廃物をろ過することができなくなります。
いわばコーヒーフィルターが破れて細かい穴が空き、破れたところからコーヒー豆の粉が漏れ出しているような状態です。
最初は穴も小さいので漏れ出す粉も細かいものがごくわずかだけですが、次第に穴が広がって大きな粒が漏れるようになり、最終的には穴だらけになってまともなコーヒーを飲めなくなってしまいます。
腎臓がこのような状態になってしまうと、腎臓移植をするか定期的に人工透析を行うかのどちらかしかありません。腎臓の機能がなくなると生きていくことはできないのです。
先日はある著名人の方が「2型糖尿病で人工透析になった患者への公的な保証を続けるための医療費が足りない、1型と違って2型は生活習慣病であり自業自得なのだから」的な発言をされて話題になりましたが💦
日本ではたくさんの糖尿病患者たちが腎臓を悪くして人工透析を導入しており、そのために莫大な医療費がかかっているのは事実でしょう。
ですが、本当に2型糖尿病患者の腎症が悪化するのは自業自得と言えますか?糖尿病の標準治療を受けていれば確実に人工透析を予防できますか?
2型糖尿病からの腎症がもとで人工透析をしているお医者さんもいらっしゃいますし、言われた通りにしていて人工透析になった患者さんも何人か知っていますが。
今回は糖尿病患者にとって重大な問題である「糖尿病腎症」を何とかして治すことはできないのか?という問題について徹底的に考えてみたいと思います。
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糖尿病になったら人工透析になるんじゃないかとみんな不安になってしまうよね。
それはそうよね。腎臓も目も不安でたまらないわ。
糖尿病腎症の症状とは
糖尿病腎症にはステージ(病気の進み具合の段階を表す)がありますが、尿に小さいタンパク質(アルブミン)が少し出てくる早期腎症期までだと自覚症状はほとんどありません。
尿にもっとたくさんアルブミンや大きなタンパク質が出てくるようになれば、むくみや息切れなどの症状が出てくることがあるようです。血圧もだんだん高くなってきます。
そして腎機能がかなり低下すると、貧血や吐き気などの自覚症状が出てきます。下の表は腎援隊様のサイトからお借りしました。
ちなみに、よっしーは糖尿病と診断された時タンパク尿(3+)と潜血(2+)が出ており、糖尿病腎症と診断されました。現在はたまにタンパク尿が(1+)出ることもありますが、出ないことが多いです。
腎機能が低下してくると、経口血糖降下薬やインスリンがなかなか分解されなくなります。だから特に何も努力していないのに血糖値がすごく良好になったり、時には低血糖になる場合さえあるそうです。
タレントのグレート義太夫さんは一時、血糖値が良好になったので、それまでのカロリー制限にすっかり嫌気がさしていたこともあって通院を中断してしまったそうです。
そして後日、倒れてしまい久しぶりに病院へ行ったら「残念ですがもうあなたの腎臓はほとんど機能していません、人工透析を始めましょう」と言われたんですって💦
初期にはほとんど自覚症状がなく、はっきり症状が出た時にはすでに手遅れになってしまっていることもあるのが糖尿病腎症の恐ろしさですね!
糖尿病腎症の治療について
糖尿病腎症は、顕性腎症前期(第3期A、尿に少しタンパク質が出ているが腎機能はまだ低下していない段階)で治療すれば改善し得るのではないかと言われています。
糖尿病腎症第2期~第3Aをウロウロしているよっしーとしては大いに気になる情報であります。
糖尿病腎症の治療はまず血糖コントロールをきっちり行うことが基本で、血圧コントロール、脂質コントロール、食事制限(タンパク質制限、高血圧の場合は塩分制限など)、運動制限などが行われます。
タンパク尿(1+)が出た時、びびって糖尿病内科の主治医に「お薬(糖尿病腎症に良いとされる降圧剤)を飲んだ方がいいですかね?」と尋ねましたが、「まだ様子見でいいんじゃない?」と言われて経過観察している間に出なくなりましたが💦
糖尿病腎症といえばタンパク質制限、がひと昔前までは常識だったようですが、最近では必ずしもそうではないようです。
腎機能が正常であれば、高タンパク食が腎臓を悪くするというエビデンスはないそうです。腎臓の材料もタンパク質ですしね…まず明らかに糖尿病腎症に良くない糖質の過剰摂取を先にやめるべきです。
薬で血糖値をコントロールする方法もありますが、腎症が進行すると使用してはいけない糖尿病薬もたくさんありますので…
また腎機能が低下するとカリウム(果物、野菜、イモなどに多く含まれる)制限が必要になってきます。そうなる前にできるだけ早く食い止めなければいけません。
糖尿病腎症は完治できるのか?
糖尿病腎症は進行が早く、いったんタンパク尿が出ると平均数年で人工透析が必要になるという統計があるそうです。
よっしーもあの時糖質制限を始めなければ、坂道を転がり落ちるように腎機能が悪化して人工透析になっていたかもしれません💦
グレート義太夫さんは1995年に糖尿病と診断され、2007年10月に人工透析を開始されました。腎不全で血糖値が良好になっていたのを糖尿病が良くなったのだと思い込み、2007年1月以降は病院へ行っていなかったそうです。
糖尿病を発症してから腎症が出現するまでには10~20年ぐらいかかるのだそうです。会社の健康診断でたまたま早期発見できてまだ10年経っていない方は決して油断してはいけません。
よっしーは次男出産後8年ぐらい経って糖尿病発覚しましたが、次男妊娠中の血糖値は妊娠糖尿病にしては高かったので、長男を産んだすぐ後に2型糖尿病になり、次男のときは「糖尿病合併妊娠」だったのかもしれません。
また血糖値が低めでも高インスリン状態(インスリンが大量に分泌されているか、あるいはインスリンを大量に注射している)だと腎症や網膜症が進行すると考えられています。
高インスリンが全身の動脈硬化を促進することは、30年前には医師たちはすでに分かっていらっしゃいました。腎臓の毛細血管でこれと同じことが起こると…
いったん壊れた毛細血管、詰まってしまった毛細血管を完全に元通りにするのは容易ではないと想像できます。メガビタミンで効果が見られる場合もあるとか…
高血糖や高インスリン状態がもっとも良くないのは明らかなので、これらを避けるためには何を食べればいいかが自ずと分かると思います。薬物治療に関しては主治医とよく相談を。
「『糖質制限』が子供を救う」「糖質制限で頭がいい子になる 三島塾のすごい子育て」などの著作で知られる三島学先生は、かつて糖尿病で人工透析一歩手前の状態まで悪化していたのが糖質制限で薬不要の状態まで回復されたそうです。
軽い運動は良いのですが、強度の高すぎる運動は網膜症や腎症を悪化させる可能性があり、自律神経障害があると運動中の突然死などもあり得ますので主治医と相談して無理のないように行ってください。
糖尿病腎症が「完治」とまではなかなか簡単にはいきません。壊れてしまった毛細血管を完全に元の状態に戻さないといけないからです。
しかしある程度以上進行してしまう前なら、「寛解」は十分にあります。初期の糖尿病腎症なら自覚症状はないので、これ以上進行させないように頑張ってみましょう。
「2型糖尿病からの人工透析は自業自得」発言は許しがたいものですが、真面目に通院して治療すれば必ず人工透析を防げるとは言えません。主治医の手を借りつつ、自分の健康は自分で守っていかなければね!
諦めずに血糖コントロールを継続していかないとね。
糖尿病腎症に最も良くないのは糖質の摂り過ぎだということだけは忘れちゃ駄目よ!