すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、実は2月23日から3月4日まで「ケトアシドーシス」で入院しておりました。
8年前の1月に糖尿病性ケトアシドーシスで16日間入院したとき、あまりの苦しさに「もう2度と経験したくない!!」と思ったはずなのに、当時とはまったく別の理由により再び経験することになってしまいました。
こんな話は恥を晒すことになるのですが、他の方が同じ目に遭わないために何かの参考になれば…と思い、長くなるので何度かに分けて記事にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
7年半前に左目の黄斑浮腫(網膜の黄斑という部分にむくみが生じて視力に影響が出る)が見つかり、糖質制限生活で自然にむくみが消えたものの、その痕跡がなかなか消えずに悩んでおりました。
このような問題が長期(数日間以上)の断食によって解消できる可能性があると知り、カナダの医師・ジェイソンファン博士の『医者が教える健康断食 』を熟読しました。
「重い2型糖尿病患者は7~14日間の断食から始めてもらうことがよくある」「血糖値が下がりすぎないように、糖尿病薬の量を調整するべき」「たいてい、血糖値が改善して糖尿病薬を大幅に減らせるのは断食5日目か6日目です」などと書いてありました。
だから1度だけ数日間の断食を試せば、血糖値が改善して黄斑浮腫の痕跡もキレイになくなるかも…という思いがあり、低血糖にならないように久しぶりにフリースタイルリブレを装着して断食を始めることにしたのです。
糖尿病薬はメトグルコと、以前ちょっと不快な副作用が出て中止していたスーグラを再開していたので「低血糖にならなければ大丈夫だろう」と飲むことに。
今思うと「少しでも血糖値を良くしたい!!」と思うあまり必死になりすぎていたんですよね…これに関しては後でまた書きますけれど。年齢的にもそろそろ更年期かなと感じることがあり、以前よりも血糖値コントロールが良くないと感じていました。
1年近く前に五十肩になり筋トレがあまり行えなくなり、その後漫画家になったのでどうしても運動量が減ってしまったのも関係あったと思います…できるだけ歩くようにはしていましたが。
断食中は低血糖になることは1度もなく(最も低いときでも106とか)84時間経過した時に軽い吐き気がしたような気がしたので「まだ早いけどもう終わりにしよう」と思い、ベビーチーズ2切れを食べて眼科に行きました。
眼科では黄斑部を含めて眼底がとても綺麗になっていて「やったー!オートファジー最高!!」と大歓喜したのですが、帰宅後にどんどん体調が悪くなってきました。血糖値はまだ120ぐらいでした。
もう断食はやめたのに、何を食べても飲んでも嘔吐してしまい、脱水状態に。血糖値も250ぐらいまで上がってしまい「待って…これ、8年前のあの時とそっくりなんだけど!!」と感じました。薬は朝以降飲んでいませんでした。
深夜2時に夫を起こして「ごめん、今すぐ病院に連れて行って、死んじゃう!」と頼みました。
いつも通っている総合病院A病院はその日の救急当番ではないので診てもらえないと言われ、遠方のB病院へ行くことになりました。
ぼんやりした状態のまま、嘔吐の原因を探るために脳CTや心電図検査などを行いましたがいずれも異常はなく、血液検査の結果ケトアシドーシスかもしれないということになりました。
そのまま入院することになりましたが、とにかく喉が渇いてひどい脱水状態だったと思います…点滴をしても喉の渇きはなかなか解消されませんでした。
あまりにもしんどいため、4人部屋の病室の中にあるトイレにも一人では行けず、看護師さんに連れて行ってもらって下着まで下ろしてもらう始末。
翌朝「ご飯ですよ」と言われましたが、起き上がることもできないのでベッドの上半分を起こしてもらい、何も食べたくないのでほうれん草のおひたし小さじ1杯分ぐらいと味噌汁少し飲むだけで嫌になってしまいました。
担当医はまだ糖尿病専門医ではない若い医師でしたが「薬を飲みながら断食をしたことによってケトアシドーシスになったと思われます」「乳酸アシドーシスや正常血糖ケトアシドーシスではありません」と言われました。
私は8年前、自分がすでに糖尿病であることを知らないまま糖質過剰な食生活を続け、インフルエンザにかかったことが最後のダメ押しとなって糖尿病性ケトアシドーシスを発症しました。
しかし今回は真逆ではないか…と思い、ある程度体調が落ち着いてきてからスマホで検索してみたところ「飢餓性ケトアシドーシス」という言葉がヒットしたのです。
ケトアシドーシスはお酒が原因で起こることもあるそうですが、今回私はまったく飲んでいないのでこれは該当しません。
またメトグルコが原因で起こる乳酸アシドーシスも、乳酸値がわずかに正常値を超えているだけなので違うだろうと医師から言われました。
するとやはり「飢餓性ケトアシドーシス」なのでしょうか。通常、断食をしても生理的なケトーシスに留まるそうですが、他の要因(薬、妊娠、授乳、感染症など)が加わると飢餓性ケトアシドーシスに至ることがあるそうなのです。
医師は「メトグルコもスーグラも、断食とは相性が悪い薬です」と言いました。なるほど、糖質制限と違い、糖新生の材料をまったく摂取しないまま糖新生を抑えたりどんどん糖を捨ててしまうのは危険かもしれないと思いました。
私の最大の誤りは「低血糖さえ起こらなければ問題はないだろう」という点だったのです…(②へ続く)
ひぇぇ!大変なことになってしまったんだな…
血糖値も大丈夫だったし、まさかこうなるとは思わなかったの!