※前回の記事の続きです。
昨日無事に退院しました!幸い、ケトアシドーシスの後遺症(主治医によれば、脳や心臓、膵臓などがおかしくなることがあるそうです)もないそうです。ホッとしました。
家族や漫画出版社へは多大な心配と迷惑をかけてしまいました…幸い漫画の仕事の方は、まだ公開していない話のストックがありましたので大丈夫だったようです。良かった!
入院は辛い経験でしたが、せっかく医療漫画を描いているのである意味命がけの潜入取材というか「転んでもただでは起きないぞ」の漫画家魂でいろいろなエピソードを見聞きしてきましたよ!
病棟勤務の看護師さんたちの仕事は、世間で思われている以上にかなり過酷なものであることを改めて認識しました。
そして立場的に管理栄養士や看護師は医師の指示に逆らえないので「どんな医師に担当してもらうか」が運命を決めるのだなとも…
最初の病院で担当してくれた若い医師はひたすら「あれはダメです、こうしなさい、マニュアル通りにやらなきゃだめです」という感じで「私」には何一つ寄り添ってくださらない気がしました。
まるでロボットと話しているように、言葉遣いは丁寧なのに全く心が通じないような違和感がありました。
でも主治医は何かを責めることはせず、自分で考えさせてくれて、私の気持ちを最大限に尊重してくれたんですよね。
主治医に丁寧に説明してもらって「入院中の今はある程度食べてインスリンを打つのは仕方がないことなんだな」と納得がいきましたし。同じことを言うにしても、言い方というものがありますもんね。
主治医は「頑張りすぎないでいい」「あなたはあなたのままでいい」と言ってくださっている気がしました。私が描く漫画の主人公・甘栗ミカコにそっくりです!!
「血糖値を少しでも良くしなければ」と焦る気持ちが、今回のことを引き起こしてしまったと思います。
でも、大事なのは自分の糖尿病合併症の進行を防ぐことなんですよね…「理想の自分で居なければ」と思いすぎると自分を追い詰めるのだなとわかりました。
「注射は絶対に回避したい」という拘りは捨てて、とにかくうまくコントロールしていけばいいと思えるようになりました。年齢的にも、更年期からは血糖値が悪化しやすいものですし…
また入院中に低血糖回避のためにある程度の白米を食べていたことで「インスリンを注射して普通に食べたい」と思う方たちの気持ちも少し理解できました。
ひな祭りでちらし寿司が出た時は白米部分を半分残したんですけど、それでも結構上がりましてね…切なかったですね。
体の状態によっては選択の余地がない場合もあるんですけど、幸い私は「退院後は糖質制限するか、糖質を食べるか、自由に選んでいい」と主治医から選択肢をいただきました。
この「選択の自由」ってとても大事なんですよね。医師の立場で考えればみんな同じマニュアル的なやり方でやらせておいたほうがラクなはず。
管理栄養士も「同じ2型糖尿病患者さんでも果物これぐらいでは血糖値が上がらない人もいるし個人差は大きいかもしれないですね」と仰ってました。
そういう個人差を無視して「あなたは血糖値が大きく上がるのであればその分、たくさんインスリンを打って食べてください!」と言われたら困ってしまいますもん。
普通に糖質を食べたい人もいる、糖質を控えて血糖値の乱高下を減らしたい人もいる。それは人それぞれ、その人の自由で、その自由を尊重してくれる医師はまだまだ少数派なのかもしれません。
そして自分が薬を飲みつつ断食をしたことで今回の事態が起こったとは言え、だからといって「断食は危険だ!」などと声高に叫ぶつもりもありません。
ジェイソン・ファン医師の著書には「断食中は必ず全ての糖尿病薬をやめなければいけません」とは書いていません。低血糖にさえならなければ、薬を飲みながらでもうまくいっている人もいるわけです。
糖質制限など、自分が上手くいかなかったからといって「危険だからみんなもやめましょう!!」と呼びかける方もいらっしゃるけど、それはうまくいっている方たちの努力をも否定することになり、悲しいです。
「自分の場合はなぜうまくいかなかったのだろう」と考え、「自分はもうしないでおこう」と言うのはいいけれど、うまくいっている方たちのことまで否定はしないほうがいいと思うのです。
私はお米を食べながらインスリンを打つ生活はとても難しそうなのでやめようと思いましたが、この方法ですごくうまくいってる方たちもいらっしゃるのでそれは良いと思います。
今回の入院で改めて色々と考えることが出来ました。少しでもどなたかの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました♪
辛い経験から得られたことを今後につなげよう!
自分がどうしたらいいのか、主治医とよく相談してね!