医師に感謝!しかし…
「病気については医師に任せるべき」「専門家が発信している正しい医療情報を参考にしましょう」などとよく言われます。
私は7年前に糖尿病性ケトアシドーシスで入院した時に適切な治療をしていただいたおかげで元気になったので、主治医や看護師さんたちにはすごく感謝しています。
難しい病気になった方が手術で劇的に回復なさった、なんて話を聞くと「うーんやっぱりすごいな」と思います。手術は医師にしかできないことですからね。
ただ…だからといって病気に関することは何もかもすべて医師にお任せしていればそれでOKと言えるでしょうか?
↑↑↑たとえば、こういうこと。同じ2型糖尿病患者でも食品への血糖値の反応はそれぞれで必ずしもHbA1cの数値とは関係なかったりしますよね。
そんなこと、なぜなのか医師もご存知ないでしょうし、患者の私達が主治医に相談しなければ主治医だって知ることはできません…血液検査や尿検査に出るものではないから。
だから医師「だけ」に任せていては絶対ダメだし、患者の私達が自分のことをよく知って主治医とよく話をしなければいけないんですよね。
言わないと伝わらないね。
些細な事だと思っても気になるなら相談したほうがいいわ。
病気の当事者になって初めて分かることがある!
糖尿病に限らず医師の方の闘病記などを拝見しますと「患者にはこういう風に言ってきたけど、自分が当事者になるとちょっと違っていた」「当事者になって初めて分かったことがあった」などと書かれていたりします。
それはそうですよね。教科書や診療ガイドラインに書いてあることがすべてではないというのは当たり前です。
同じ2型糖尿病患者でもみんな同じというわけではないので「自分は医師でもあり患者でもあるので誰よりも知ってます!いちばん正しい!」と言われてもそれはそれで困るんですけど…
とにかく、その患者のことはその患者しか分からないことがあるのは間違いないはずです。そして、黙っていても医師には分かりようがないのですから気になることはどんどん相談しなければいけません。
医師しか出来ないこともあれば、患者本人しか把握していないこともあります。だからこそよく情報交換することが大事なのではないでしょうか。
せいぜい3か月に1度ちょっと会ってお話するだけの主治医が何もかも黙っていても分かってくれると期待するほうが間違ってます。
1975年、ハウス食品の『私作る人、僕食べる人』というテレビコマーシャルが抗議を受けて放送中止になったそうですが、病気にしたって『私治してもらう人、僕治す人』なんて単純なものではありませんね。
言わなきゃ分からないんだから言いましょう
糖尿病の場合「こういう時はこういう薬をチョイスして、それでもダメならああしてこうして…」というのは書店の医学書コーナーに本がありますので、お金さえ出せば一般人でも誰でも買って読むことが出来ます。私も何冊か持っています。
もちろん先生たちはそういうマニュアルはよくご存知なのですが、「私は近所の糖尿病のおじさんと違ってこの時間帯になぜか異常に血糖値が上がりやすい」だの「僕はこの低糖質食品でなぜか高血糖になる」なんてことは医学書を読んでも必ずしも理由が分かりません。
患者であるあなたは自分でよく分かっていても、言わなければ主治医に伝わるはずがありません。なので気になっていることは何でも伝えましょう。そうしないと何もしてもらえません。
患者が自分の思うことをしっかり伝えることは、主治医に逆らうことでも自分のほうが偉いと言っているわけでもなんでもありません。主治医だって分からないことが当然あるわけですから、協力して解決策を一緒に考えていかないといけませんよね。
先生しかわからないこと、患者さんにしかわからないこと、あるよね。