糖質ダイスキ!は1型糖尿病にも良くない!?
X(旧Twitter)に、ちょっと難しいけど有益な情報を呟いてくださっている「まいち先生」という医師の方がいらっしゃいます。
つまり、遺伝的素因と現代社会の日光不足によるVDの欠乏、そして糖質過剰な現代の食事、これらが1型糖尿病の原因だと考えられる。
となれば、治療戦略は、その逆、ビタミンDの充足による免疫調整と、糖質制限によるβ細胞の負荷抑制、更に免疫記憶を消すための免疫療法の併用となるだろう。
7/7— まいち (@maiti_86) July 1, 2025
↑↑↑なんと、ビタミンD欠乏と糖質過剰摂取が1型糖尿病を引き起こす可能性があると…にわかには信じがたい話かもしれませんが、私は別の医師のブログで似たような話をかなり前に読んだことがあります。
↑↑↑Dr.カルピンチョこと吉田尚弘医師の2017年のブログ記事です。
一般的には1型糖尿病の発症原因はウイルス感染と言われていますが、1型さんの中でも一部の方は大量の糖質を食べるたびに自己免疫反応を誘導するような自己抗原が大量に提示されて1型糖尿病を発症する可能性があるというのです。
1型さんでもインスリン自己分泌が完全にゼロになってしまった方の場合はもうどうしようもないですが、まだ自己分泌が残っている方は糖質制限することによってある程度自己分泌が回復する可能性すらあるというのです。もちろん、全員がそうなるわけではないと思いますが。
ええー!1型糖尿病は生活習慣とは全く関係がないと思ってたにゃ。
もちろん全てではないと思うけど、驚きね!
1型糖尿病なら何を食べてもいい?
よく言われるのが「食事制限が必要な2型糖尿病と違って、1型糖尿病患者は何でも好きなものを食べていい」ということです。
昔テレビの健康番組で医師が何度も上記の台詞を繰り返していて何となく嫌な気持ちになったのを覚えています。2型患者が全員食べすぎていたわけではないんですけどねぇ。
1型さんは確かにインスリンを補うことが大事で、特に子供さんにとっては「インスリンを注射すれば友達と同じものを食べられる」というのはとても嬉しいことだと思います。
ただ、それはそれとして以前は分かっていなかった「1型糖尿病で糖質をたっぷり食べているとインスリン分泌が最終的に枯渇していく、一部の患者では糖質オフ等でそれを食い止めることが出来るかもしれない」という情報をどう受け止めるかは選択肢として重要かなと。
先日90歳で亡くなられたアメリカの医師バーンスタイン先生は12歳で1型糖尿病を発症され、従来の食事療法に従っていて自己分泌は枯渇し、30代ですでに糖尿病合併症に悩まされていました。
しかし「もし私が自己分泌が残っているうちに今のメソッドに切り替えていれば自己分泌はそれ以上無くならずに保てたかもしれなかった」と著書にあり、そういうことか!!と思いました。
1型糖尿病に関しては(2型もですが)きっとまだ100%解明されたわけではなく、これから少しずついろいろな事がわかってくるのでしょう。
もし将来「あなたは1型糖尿病ですが、糖質制限プラスアルファの治療を行うことで現在のインスリン分泌能を保てる可能性があります」と言われたらそちらを選択する人も出てくるかもしれません。何がどうなったとしても、どれを選ぶかは患者本人の自由と思います。
1型糖尿病と糖質制限
糖質制限をダイエット方法のひとつとしか思わない方は「2型はともかく、自分は1型なので糖質制限は関係ない」と思われるかもしれません。
未治療の1型さんではインスリンが作用しないためにどんどん痩せていきますが、インスリン治療を開始すればまた健康な人と同じように太れるようになります。だからかなり太めの1型さんもいらっしゃいますが、とりあえずそれはおいておくとして。
私は糖質制限する1型さんを何人か存じ上げていますが、彼らは痩せるためではなく血糖コントロールを安定させるために行っているのです。
1型さんは緊張など食事以外の原因でも血糖値が上がるとは言え、やはり糖質による血糖値の上昇はとても大きいものです。血糖値が乱高下する要因は少しでも少ないほうがラクです。
タンパク質でも間接的に血糖値が上がるとしても、「必須アミノ酸」は体内で合成できない以上必ず食べる必要があります。
それならせめて糖質だけでも過剰に摂取しないようにと考えて少しでも重症低血糖のリスクを減らすことは何ら不自然ではないです。
ただ1型さんが糖質制限なさる場合、2型さん以上に気をつけなければいけない点(注射量の調整など)が多いため、主治医に相談して許可を得られた場合のみ慎重に行って下さい!
そして、次々と変わっていく医学の常識を踏まえて何を選択していくかはあなたの自由であり自己責任なのです。
新しいことが少しずつ分かってくるね!
1型糖尿病予防に役立つわね。