脳外科医竹田くんは実話をモチーフにした漫画
2023年「はてなブログ」で連載された『脳外科医竹田くん』というWeb漫画を皆さんもきっとご存知でしょう。
なんと、作者の方によればあの漫画の中で描かれている医療事故は実際に起きたことをモチーフにしているそうですね!実際にどこまでがそうなのかは知りませんけど。
あの内容だと商業漫画としてはとても描けない(商業漫画はいろいろと制約が多いのです、お察しください)でしょうけど、今は出版社を通さずに自由に漫画を発表しやすいですから。
NHK『クローズアップ現代』でも医療事故のことを取り上げていましたけど、血溜まりの中にドリルを入れて神経を切ってしまった瞬間「ううっ」となりました…
さすがにこの「竹田くん」に゙関してはXでも医師たちが「これはひどい」と意見を書いてらっしゃいましたけど、中には「こんな医師は糖尿病内科に回せば被害が少なくて済む」という意見もありました。
ちょっと待って、それってある意味糖尿病内科って誰がやっても同じってこと?いや、手術ほど個人の技量による差が出にくいということかしら。
私は今までの経験から決して「糖尿病内科はどの医師でも同じ」とは思わないんですけど…果たして「脳外科医竹田くん」ならぬ「糖尿病内科医竹田くん」は存在するのでしょうか?
NHKの動画は観ていて苦しかったですよ。
被害者の方の苦しみを想像すると本当に辛いわね!!
糖尿病関連の医療事故は?
過去に医師が患者の糖尿病を見落としたりインスリン過剰投与により患者が低血糖に陥ったりといった事故はいくつかあったようです。
高齢の患者さんなど、インスリン過剰投与で亡くなることは非常に重大な問題なのですが、たとえば私みたいな患者なら自分で「ちょっとちょっと!これ間違ってませんか?」と看護師に尋ねることで事故が回避されそうです。
しかしこれが外科系の診療科となると、患者は麻酔で眠っていることもありますし、あの「神経をちょん切る」ようなことが起きてしまうとどうしようもないですよね!!
どの診療科も同じように大切とは言え「その医師の技量によって重大な結果につながる」という点ではやはり糖尿病内科は外科系ほどは被害が出にくいのかもしれません。
ただ「即死」「重大な後遺症が残る」ことは少ないとしても「薬の不適切な処方」はあるようです。
以前、薬剤師の方から「これは…と思っても私達の立場では何も言えない、医師がすべて決めるから」と言われたことが有りました。
やはり医師はかなり大きなチカラを持っています。その医師が医療ミスを繰り返すような医師だと本当に困りますね。
ちなみに私が入院した時、たまたま内科病棟のベッドが空いていなかったので他の病棟に入院になりましたが、病棟の看護師さんたちがビクトーザをインスリンと思っていたりグラルギンを食事用インスリンだと思っていたのは許容範囲ということで。
私の漫画に「ひどい糖尿病内科医」は登場する?
私の過去2本の商業連載漫画『糖尿病専門医 甘栗ミカコのカルテ』『ケットウ!~糖尿病内科医 甘栗美咲~』には竹田くんみたいな医師は登場しません。
これはひとつには糖尿病内科の場合、手術がないので上記のように外科系ほどあからさまな医療事故というのはインスリンの過剰投与以外にはあまり起こりにくいという理由があります。
もうひとつの理由としては、あまりにひどい医師が出てくると糖尿病の当事者の私はしんどいですし、読者の皆様もしんどいかなと版元の編集長さんや担当編集者さんからのアドバイスを受けてそのようにキャラを設定しました。
でもね、極悪人やひどいヤブ医は登場しませんけど、ちょっとした小物のイケてない医師は『ケットウ!~糖尿病内科医 甘栗美咲~』のどこかにモブキャラ的に登場します(笑)
「糖尿病内科医竹田くん」は実際にあった出来事をモチーフにしており、描かれた内容が事実だという前提で「こんなことがあったのだ」と世間に訴えるという意味で非常に重要な役割を担った作品だと思います。
しかし商業漫画となると、あまりにひどいキャラを登場させることには躊躇してしまいます…「こんな医師が居てほしくない」と思うからでしょうか。
医療ドラマの大傑作『白い巨塔』も『振り返れば奴がいる』も「凄腕の医師たちが、その考え方の違いからぶつかり合ったり認め合ったりする」から面白いんですよね。
あっ、当ブログの漫画は商業漫画ではないのでそこまでマイルドではない場合もありますけど(!)
糖尿病患者は主治医を選べるかもしれない
もしあなたが住んでいらっしゃる地域に糖尿病内科医がごくわずかしか居ない場合「主治医をチェンジする」のは難しいかもしれません。
しかし、もしそうでもないのなら「あっこの先生ダメかも」と思ったら別の病院や別の医師に診てもらえばいいのです。リアルでそうやって通院先を変えた人を知っています。
麻酔をかけられて眠っている間にとんでもない医療ミスをされてはどうしようもありませんが、外来で医師の言う事が変だなと思ったらそれは避けることが可能なのです。
患者も選べるなら医師を選びたいですね!
どうしても相性が良くない場合もあるみたいだからね。