自前のインスリンも結局は注射と同じ件

自己分泌インスリンもインスリン注射も同じ

多すぎるインスリンは害をもたらす!

私が8年前に初めて糖尿病と診断された後、まず糖質制限を開始し「低インスリン療法」という言葉を知りました。

インスリン注射そのものやインスリンを分泌させる飲み薬をなるべく使わないようにしようという考え方です(食事とは関係ない基礎分泌インスリンを補う注射はどうしても必要なので使用します)。

インスリンはヒトが生きていくために絶対に必要な重要なホルモンですが、血液中のインスリンが多すぎると低血糖だけではなく癌になりやすくなったり様々な悪影響をもたらすのではないかと考えられています。

 

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1型糖尿病患者さんは普通はインスリン抵抗性はないので足りないインスリンを補っても血液中のインスリンが多すぎることはありませんが、2型糖尿病の場合はちょっと話が異なります。

個人差もかなりありますけど、内臓脂肪・遺伝・喫煙・妊娠・薬剤・運動不足などのいろいろな原因で2型糖尿病患者にはインスリン抵抗性があることが少なくないので、同じ血糖値を維持するために多くのインスリンが必要になります。

糖尿病は血糖値「だけ」正常値にすれば健康な人と全く同じというわけにはいかないようです。インスリン抵抗性が起きる原因には遺伝など自分ではどうしようもない原因も含まれているので困ってしまいますね。

ちなみに私は先日のケトアシドーシスの入院中に主治医から「こんなことがあったのでしばらくはインスリン分泌もインスリン感受性も低下した状態が続くと思う」と言われました…この頃ようやく少しだけ回復してきたようです。

 

まじめん
まじめん

健康な人はインスリンの効きが良いので、食べすぎない限りインスリンが出過ぎることもないんですね。

よっしー
よっしー

まあね。でも糖尿病の前段階にある人はかなり大量にインスリンを分泌しちゃっているわ!

悪いのは薬剤だけ?

「高インスリンが良くない」と聞くと「インスリンを分泌させるような薬は良くない」と思いがちですよね。私もそう思っていました。

でも、入院中に主治医が「自己分泌インスリンも注射も大量になれば結局(健康への悪影響は)同じなのよ」とおっしゃったのでハッとしたのです!

確かに2型糖尿病でインスリン分泌能力がある程度以上残っている場合、いくらインスリンを分泌させる薬を飲まなくても、自分のすい臓のβ細胞が大量にインスリンを出してしまえば同じですよね。

 



 

アメリカのバーンスタイン医師によれば「2型糖尿病患者が普通に糖質たっぷりの食事をした場合、分泌されるインスリンは食後血糖値を下げるためには不十分でも太る効果はしっかりあるかもしれない」と…なんてこった!

たくさんインスリンが必要なのにインスリンが足りなければ食後高血糖になりますし、インスリン注射やインスリンを分泌させる薬を使わなくてもインスリン分泌能力があれば結局、高インスリンになってしまいます。

そういう意味では「インスリンやインスリンを分泌させる薬」だけを避けてもダメでしょうね…もっとも、薬剤は自己分泌インスリンよりも低血糖を起こしやすいという問題はありますけど。

 

インスリンを多く必要としない生活が大事!

結局、「インスリンがたくさん必要になるような生活」では私達が薬剤を使用してもしなくても「高血糖」または「高インスリン血症」が生じます。

だから「インスリンを必要以上に多く必要としない生活」を心がけることがこれ以上の「高インスリンによる健康被害」を避けることにつながります。糖尿病患者の場合、すでに血管などあちこちが相当ダメージを受けてしまっていますからね…

まず糖質の多い食事は大量にインスリンを必要とします。含まれるアミノ酸の種類によってはタンパク質もそれなりにインスリンを必要とします

そして2型糖尿病患者が糖質とタンパク質を同時に大量に食べる時、もっとも多くのインスリンを必要とするそうです…

しかし、タンパク質はとても大事なものです。人体では合成できない「必須アミノ酸」もあるので過度のタンパク質制限は出来ません。

 


 


タンパク質は大事、でもタンパク質と糖質と同時に大量摂取すると高インスリンになる…じゃあどうすればいいかはわかりますよね!

そして「インスリンの効きを良くすること(インスリン抵抗性を下げること)」もすごく大事です!インスリン抵抗性があると、血糖値を同じだけ下げるためにたくさんのインスリンが必要になるので。

インスリン抵抗性にはいろいろな原因がありますけど、内臓脂肪型肥満の場合は痩せるだけでかなり良くなりそうです。ただしインスリン抵抗性があってインスリン分泌能力が十分に保たれている方は「痩せなければいけないのに痩せにくい」と思います。

やはり、なるべくインスリンが少量で済むような食生活を心がけ、運動もして、必要であればインスリンの効きを良くするような薬も必要になるかもしれませんね。

 

「出せるけどあえてたくさん出さない」

ヒトはアルコールを分解する能力(個人差あり、生まれつき決まっている)を持ちますが、それは「毎日浴びるほどお酒を飲むため」ではないでしょう。

自然界にも、果物などが自然にアルコール発酵して出来たお酒が出来ることがあります。アルコールは人体に有害なので、うっかり摂取してしまったときに速やかに分解して無害な物質に変えなければ危険なのです。

健康なヒトでは血糖値が非常に狭い範囲内で保たれているのも、低血糖も高血糖も人体にとって有害で危険だからですよね。ブドウ糖が良いことばかりで高血糖に害がないのなら、もっと血糖値の変動幅は大きくても良いはずです。

アルコールも大量の糖質も、いざという時に処理できる能力があることは非常に大事ですが、普段は「いざとなれば処理できるけど、あえて全力を出さない」ような生活が良いのかもしれませんね!

 

まじめん
まじめん

なるほど、そんな感じでいいかもしれませんね。

よっしー
よっしー

いつも出せるだけ出していたら、いいことはないわ。気をつけましょう!

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