私は小学生の頃から熱帯魚が好きで、いろいろ飼育してきました。水槽は小さいので自然に近づけることは難しいのですが、なるべく良い環境を保ちたいものです。
水槽には水草も植えてあり、水草が魚が出した糞尿や汚れを養分としてくれるのですが、閉じられた空間ゆえこれだけではうまくバランスが取れません。
そこで必要になるのがろ過装置です。魚の尿に含まれるアンモニアは猛毒なので、これが水槽内に蓄積していくと非常に危険です。
ろ過装置のバクテリアの働きによって、有毒なアンモニアは亜硝酸→硝酸に変化します。硝酸も弱いとはいえ毒性を持つので、ろ過をしていても定期的な水換えが必要になります。
7年前に私が糖尿病性ケトアシドーシスで16日間入院した時、家族は水槽の手入れの仕方がわからず、運悪く入院しているあいだに小さい方の水槽のろ過装置が故障したらしく、退院してきた時には悲惨なことになっていました。
…ろ過システムが破綻したほうの水槽は水が濁り、魚たちは死んでおり、完全に崩壊してしまっていました。ろ過システムがダメになると、その後に待つものは「死」なのです。
その時私はふと思ったのです。「もしこれが水槽ではなく、腎臓で起こったらどうなるのだろう?」と…
ヒトの体内でも、水槽と同様に有害物質や不要物質がたまっていきます。腎臓はこれを濾過して要らないものを尿として排泄してくれます。他にも血圧の調整など重要な働きをしています。
ところが、糖尿病腎症やその他の病気で腎臓の機能が正常な状態の30%以下にまで低下してしまうと「腎不全」となります。
腎臓の機能が失われてしまうと、あとは人工透析を継続していくか腎臓移植を受ける他に生き延びる方法はありません。
水槽のろ過装置のフィルターなら、いち早く目詰まりに気づいて洗ったり新品と取り替えることは容易にできます。しかし腎臓のフィルターは…残念ながらそんな風に簡単にはいかないのです。
腎臓は、何によってダメージを受けるのでしょうか。糖尿病ではない人と糖尿病患者のどんな違いが糖尿病腎症をもたらすのでしょうか。今一度考えてみませんか?
だから腎臓を大事にしなければいけないんだよね。
すでにダメージのある方はこれ以上傷めないように気をつけましょうね。