薬物療法を全否定してないです!!
先ほど、SNSで「糖尿病なのに薬物療法を否定するとはけしからん」という話題が上がっておりました。
元の方がどのような状況でどんな投稿をなさったのか見ていないのでその方がどうのこうのと言うことはできませんが、一般的な話として。
たまに勘違いされるのですが「糖質制限をしている人はみんな薬物療法を全否定している」わけじゃないんですよね。少なくとも私は違います。
「使わなくて済む薬はなるべく使いたくない」と「すべての薬物療法を拒否する」はまったく意味が違います。
アメリカで糖質制限を実践・推奨なさっている1型糖尿病のバーンスタイン医師(90歳)も、彼にとって必要な量のインスリンはきちんと注射なさっています。
どんなに食事療法や運動療法を頑張ったとしても、薬を使わないと自分の努力だけではどうしようもない状態というのはありますからね…1型でインスリン自己分泌がない方が注射をやめると命に関わります。
なんでも努力だけで克服できるならお医者さんは要りませんね。
克服できる方もいらっしゃるけど、みんながそうじゃないわね!
薬は「不自然」で「副作用」があるけれど…
薬を全否定なさる方はよく「薬は不自然だ」「薬には危険な副作用がある」とおっしゃいます。確かに野生動物は薬を飲みませんし、時に薬で命に関わるほどの副作用が出ることもあります。
だから私も使わなくていい薬はなるべく使いたくないですけど、デメリットがあってもどうしても薬を使わなければいけない事はあると思うのです。先ほど挙げたインスリン注射もそうです。
私は糖質制限をしていますが、インスリン分泌不全(日本人で糖尿病家系で発症からの期間が長いとそうなりやすい)があるので食事や運動だけではどうしても正常値にはできません。
「旧石器時代には薬はなかったが人々は糖尿病にはならなかった」と言われるかもしれませんが、現代では人生のある時期までは普通に食べていて糖尿病を発症してしまう、ある意味「不自然」な状態になってしまうわけですから「不自然」な薬物療法をしないと太刀打ちできないこともあるでしょう。仕方がないことです。
私は9年前(糖尿病が発覚して入院して治療を開始してしばらく経った頃)に眼科で眼圧が高いと言われて大ショックでしたが、眼圧を下げる目薬を使用し、今のところ緑内障は大丈夫です。
眼科で「私は緑内障で眼科に30年通っているけど、おかげさまで進行していないのよ」というおばあさんから話しかけられたことも有りました。やはり、必要な薬は慎重に使うべきかと。
でも「薬さえ使えば大丈夫」ではない!
薬を使わないとどうしようもない場合がある、とお話しましたが、逆に「薬さえきちんと使用すれば絶対に大丈夫」というものではありません、当たり前ですけど…
「食事療法も運動療法もしんどいから、飲むだけで何とかできない?」と考える方はきっと少なくないでしょう。だからこそ「食事制限してないのにこのサプリを飲むだけで血糖値がぐんぐん下がる!」なんていう業者さんが儲かるのでしょう。
仮に「きちんと通院して薬を使えば絶対大丈夫」なら、そうでない方だけが糖尿病合併症になって苦しむはずです。でも現実は必ずしもそうではないですね?
人それぞれいろいろな考えがあるでしょうけれど、私は「薬を全否定して良くない結果になる」より「必要な薬は慎重に使って、なるべく糖尿病合併症を進行させない」を目標にしたいと思います。
「薬を一切使わずに糖尿病寛解」というのは、早期発見できた軽度の方じゃないと期待できないことなので選択肢としてはありません、これは仕方がないことです。インスリン分泌不全はどうしようもないですからね…
薬を全否定もせず、過信もせず。いつか糖尿病を完治させる治療法が実用化される日が来るまで、何とかうまく付き合っていこうと思うのです。
必要な薬を慎重に使う、ですね。
私はそう思う。みなさんはどうかしら?