副作用のない薬など存在しない!?
私が糖尿病と診断されたとき、インスリンの他に糖尿病の薬(グラクティブ)とコレステロールを下げる薬(リバロ)を処方されました。
リバロは主治医ではなく、どうやら入院中にエコー検査をしてくれたベテランの先生(現在の主治医)の指示で処方された感じでした。
退院後の外来診察で、当時20代の若い主治医は「あのぅ…ちょっと変なことを訊きますが…」と何やらモジモジ。
主治医は「これからお子さんを考えていますか?」と訊きました。私にはすでに小学生の息子が2人いたので「やだぁ、もう要らないですよ~今さらwww」と答えたんです。
すると主治医、ほっとした表情になって「ああ良かった。あのね、この薬は妊婦さんは飲んではいけないお薬だから…」
どうせこれから妊娠出産するつもりは無かったんです。だから別にどうということはないんです。でも、なんだか悲しい気持ちになりました。
妊婦さんに飲ませたら危険かもしれない薬をずっと飲み続けて本当に大丈夫なんだろうか?…結局リバロは、コレステロール値が下がりすぎたので怖くなって主治医と相談して中止しました。
妊婦さんが飲んではいけない薬はたくさんあるんですよね。
実際に妊娠出産する予定がないとしても、なんだか納得がいかないような気持ちよ💦
医師たちは薬のリスクに関してどう思っている?
前の主治医が以前「糖質制限って、長期間続けても大丈夫というエビデンスはまだないだろう?」とおっしゃったことがありました。
そこで「でも先生、私に処方してくださってる薬だってそれは同じでしょう?あの薬を何十年飲んでも大丈夫というエビデンスはあるんですか?」と尋ねると「うーん…それは確かにそうだね…」と。
その当時飲んでいた「グラクティブ」は、インスリン注射とほぼ同時期に完全にやめてしまいました。事後報告でしたが、主治医は「あ、そう」という感じで特に怒ったりはしなかったです。
「糖質制限はエビデンスがない、でも糖尿病の新薬は意外に副作用が少なくて素晴らしい薬だ、もっと使うべきだ」とおっしゃる医師がいました。死亡例も出ているんですが…
そして「自分の受け持ち患者は胃がんで胃を切除したら、モノが食べられなくなって痩せて糖尿病も良くなった。胃を切る手術はすばらしいな。日本でも今後広まるといいな!」と糖尿病教室でおっしゃっていました。
…がんの患者さんがどんな思いで胃を切られたか、その医師にはわかっているのでしょうか?「糖質制限は危険だ」とおっしゃるのに、胃を切り取ったり死亡例のある薬はオススメなんですね。
ちなみに「日本人の糖質制限のエビデンス」は一応存在します。ただし長期間で大規模なランダム化比較試験を行うのは、さまざまな事情からそう簡単にはいかないでしょうね。
糖質制限食は製薬会社的には何のメリットもない
第二の選択肢として糖質制限が流行ったら、カロリー制限で改善しなかった患者たちは改善するかもしれません。
しかしそれだと薬の売り上げは減るでしょうし、製薬会社さんには何のメリットもないのですよね。私の親戚にも製薬会社に勤務している者がいますので、大変なのは知っています。みんな一生懸命なんです。
どんな薬にも必ずリスク(副作用)があります。クスリはリスクです。たとえ一定の割合で副作用が出てしまうとしても、それ以上に利益があるので今日も薬は処方されています。
たまたま薬を飲んで何の副作用も出なかった方たちが「糖質制限なんかやめて薬を飲めばいいじゃないか」とおっしゃると悲しい気持ちになります。
私の幼なじみには、家族に誰も糖尿病患者が居なくてスポーツ万能だったのに薬の副作用で境界型糖尿病になったと思われる男性がいます…彼の悔しさが分かりますか?
薬には必ず副作用があります。だからといってすべての薬を使わないようにしようとは思いません。どうしても使うべき場合はあります。
私もメトグルコは全く副作用が出ないので飲んでいますが、結構高い確率で胃腸系の副作用が出てしまう方がいらっしゃると聞いています。
軽度の2型糖尿病の方で薬を飲まずにコントロールできる方はそれで良いですし、本来ならインスリンを使わないといけないような患者が薬を使わずに済む方法があればそれをやりたいじゃないですか?
マンガの中で「糖尿病は儲かるから」と開業医さんが言っていますが、これは実際にSNSで見かけたものです。
残念ながら複数の医師と名乗る方が「糖尿病患者は患者単価が爆上がりで儲かる」「専門医(糖尿病専門医)持っておけばよかった」「糖尿病クリニックでボロ儲けしている人を知ってます」などと話していらっしゃいました。
もちろん、すべての開業医の方がこう思っているわけじゃないと思いますよ!でもこういうことを患者の見ている場所で悪びれず話す医師がたくさんいらっしゃるのは事実で、他の医師の方も彼らを注意しないです。
先日は新型コロナウイルス対策の自粛のせいで外来患者が減り、あちこちの病院の収入が減ったことが大きな問題になりましたよね。患者がたくさんお金を使わないと困るのは事実でしょう。
ビタミンは危険!でも処方薬は大丈夫!?
みなさんの周囲にもいらっしゃいませんか?「ビタミンのサプリメントは危険!」と言いながら病院で出された薬は何のためらいもなく飲んでいる方。
ビタミンのサプリメントを飲むかどうかは個人の考え次第だと思いますが、ビタミンはヒトの体内に存在したり体内で作られるものもあります。
一方、「薬」はもともと人体内に存在するものではありませんので、副作用も出ることがあります。狙った効果だけを得られて絶対に副作用が出ない薬などありません。
どんなに良く使われている薬であろうと、薬である以上何らかの副作用が絶対に出ないという保証はありません。
副作用に注意して使わなければいけないのは同じで、「ビタミンは危険、処方薬は安全」というのはおかしいと思うわけです。病院で出された薬を飲んで副作用が出た方は山ほどいらっしゃいますよ!
よく主治医と相談して薬を飲むかどうか決めましょう
別に糖尿病に限ったことではありませんが「この病気でこういうケースではまず〇〇という薬を第一選択薬に。併用するなら××が良い」などというマニュアルはありますよね。
あなたが何かの薬を勧められたら、本当にその薬を飲む以外に方法は無いのかどうかを主治医と納得がいくまでよく話し合うべきです。
私の最初の主治医は「リバロを飲み続けるか、それともやめるかはあなたが自分で決めることです」とおっしゃいました。結果、やめても何の支障も無くてよかったです。
やめても結果的になんの支障もなかった薬を飲んで副作用が出ていたとしたら、こんなにアホらしいことってないですよね💦
薬は場合によってはどうしても必要なケースもあります。だから「とにかく薬を飲むべきではない」と言っているのではありません。
ただ「薬には必ずリスクがある」わけだから、どうしても必要というわけではないのなら飲まずに済ませる選択のほうが良いのではないかということです。よく相談しましょう!
お医者さんとよく話し合って、自分が納得できるような治療を受けるべきですね。
黙って診察を受ければ主治医が魔法のように治してくれる病気ばかりじゃないからね。主役はあなたよ♪