悩める2型糖尿病患者たち
今回は主に「インスリン抵抗性タイプ(インスリンは十分に分泌されているが効きにくい)」の2型糖尿病患者さん向けのお話です。
2型糖尿病といってもいろいろなタイプがありますが、「あなたはちょっと痩せたらそれだけですごく良くなると思うのに」と医師から言われている方もきっといらっしゃいますよね?
またSNSでたまーに知らない方の「うちの家族が2型糖尿病になったのは自業自得で、愛想が尽きた」みたいなポストが流れてきて複雑な気持ちになったりもします。
「2型糖尿病になったのは不摂生したからだ」系の言葉は誰がどう線引きしたらいいのか難しい問題です。たとえば大食いしても太らない体質ならいいのか?仕事での多大なストレスや摂食障害をお持ちで過食になった方は?流行りのドリンクは月何杯までならセーフ??なんてね。
そして「(原因は何であれ)食べすぎることが問題」と思われがちですが、実はそれだけではないかもしれません。
今は2型糖尿病患者向けの注射で食欲をおさえる働きもあるモノがありますけど、それっていわゆる大食いしてしまうタイプの方にしか効果はないんじゃないですかね?
え?食べすぎないのに痩せない人もいるってこと?
何度か話を聞いたことがあるけど、その方たちは本当に少ししか食べてないの!誤魔化してるとかじゃなくてね。糖尿病患者さんよ。
常時痩せにくい状態になってしまっている?
↑↑↑久しぶりに糖質制限ブログの記事を更新しましたので、良ければお読みください。2型糖尿病患者の一部では、インスリン抵抗性から常時高インスリン状態となり、糖尿病ではない健康な方と比べると明らかに痩せにくい状態になってしまっている可能性があります。
もちろん、その状態でも努力して体重を減らせる方はたくさんいらっしゃるので「高インスリンだから痩せないのはしょうがない」なんてことは言わないです。
ただ元々肥満ではなかった1型糖尿病患者さんですらインスリンを打ち始めてかなり太ったという話も複数聞きましたから、2型でインスリン抵抗性があれば簡単ではないのはそうだろうなと。
おそらくその場合「ちょっと食事量をセーブしました」「ちょっと運動することにしました」程度ではなかなか太刀打ち出来ないのではないでしょうか?
インスリン抵抗性を減らすためには肥満の場合はダイエットが効果的とはいえ、「痩せなきゃいけないのに痩せにくい」状態になってしまっている場合はもっと進んだ対処が必要かも。
ちょっと話はそれますが「痩せ型糖尿病で血糖値は高いのに太れない」場合、インスリンが不足していないかどうか主治医と相談を…単に痩せ体質なだけならいいのですが。
ジェイソンファン医師の本ではインスリン抵抗性をなくすために長めのファスティングを勧めていますが、これはきちんと勉強した上でやらないと非常に危険です(私はインスリン分泌が不足した状態で実践してしまいケトアシドーシスになった経験があります、現在は基礎インスリンを注射しているので元気です)。
インスリン抵抗性を下げたり血中インスリンを減らすような薬剤については、ぜひ主治医と相談なさってみてください。一時的に(痩せるまで)そのような薬を使用する方法もあるかもしれません。
簡単に出来る人もそうでない人もいます
ダイエットだけに限った話ではないのですが、いろいろな理由から「私は簡単に出来るけどあの人にとってはそうではない」みたいなことはたくさんあったりします。
その人の事情も知らずに「あの人は努力が足りないのだ」「意志が弱いからだ」というように勝手に決めつけたりはしないほうがいいと思いますね。
昔の女性向け漫画などではよく「少食ぶって小さなお弁当を持ってくるけど、実はすっごく食べててそれで太ってる女の子」なんかが出てきますけど、本当に少ししか食べていないとしたら!?
もっとも、目の前で菓子パンを山ほど食べられたりしたら「いい加減にせんかいワレェ!!」と言いたくなる気持ちも分かりますけど…
中にはそうではなく、本当に難しくてひっそり悩んでいらっしゃる方もいるわけで。ひとりで悩まず、主治医に何もかも相談してみると解決法が見つかるかもしれませんよ!
ちなみに1型糖尿病患者さんでもたくさん食べてたくさんインスリンを打って太るとインスリン抵抗性が生じて同様の状態になることがあるそうですから気をつけましょう!!
糖尿病って難しいけど頑張ろうニャ!
難しいからこそ主治医に相談することが大事なのね!