米食品医薬品局(FDA)は、Insulet社の自動インスリン投与システム「Omnipod 5」を、これまで1型糖尿病患者しか使えなかったのを18歳以上の成人2型糖尿病患者へ適応拡大することを承認したそうです。
Omnipod 5はインスリン注入ポンプや持続血糖モニターと連動して、5分ごとに血糖値と血糖変動に見合った最適なインスリン投与量を判定し、最大3日間インスリンを自動で投与し続けるシステムです。
血糖値が高い時はそれに応じてたくさんインスリンが自動で投与されるので、血糖コントロールがよくなるというわけです。
食事以外の要素でも血糖値が乱高下しやすい1型糖尿病患者さんにとって、インスリン自動投与システムは素晴らしいものだと思います!
2型糖尿病患者でも、私のようにインスリン分泌が低下している人はいます。だったらそういう患者にも1型さんと同じようにすればいいじゃないかと思いますよね。
しかしここで問題が…2型糖尿病の場合、多少なりともインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い)があったりします。
つまり同じだけ血糖値を下げるためにも、人によっては健康な方の何倍もインスリンが必要になったりするのです。
カナダのJason Fung医師の著書『糖脂肪』によると、肥満の2型糖尿病患者は健康な方の7倍以上もインスリンが分泌されていることがあるそうですが、日本人はさすがにそこまで顕著ではないかもしれませんね!
たとえ血糖値がまったく同じだとしても「少しのインスリンで血糖値を下げる」と「大量のインスリンで血糖値を下げる」ことはまったく同じとは言えません。
まったく糖尿病ではない方は血糖値が低いですが、それだけではありません。インスリンの効きも良いので高インスリン血症ではないのです。
「糖尿病だから血糖値を下げましょう」というのは重要なことですが「血糖値さえ下げれば健康な方とまったく同じ」ではないので、高インスリン血症にならないことも大事ではないでしょうか。
高血糖も高インスリンも良くないニャ!
難しいけど、合併症をできるだけ遠ざけたいなら…ね!