すれ違う医師と患者たち~どうしたら分かり合えるのだろう~

すれ違う医師と患者

医師と患者はすれ違うことが多い!?

みなさんは自分の糖尿病内科の主治医や他のお医者さん達のことは好きですか、それとも苦手ですか?

私はもともと医師を志していたこともあり(高校で数学と物理が苦手で諦めました)、お医者さん達にはかなり興味があるほうだと思います。

それに、自分の病気のことを勉強してよく知っておかなければ主治医と対等に話をすることもできないし質問もできないので可能な範囲で病気について勉強もしています。

さて、医師と患者は何かと「すれ違う」ことが多いようです。この件に関してはたくさんの医師の方が医師目線でその理由を考察していらっしゃいます。

 

医師と患者がすれ違う理由に関する内容の漫画

でも「治らない病気なのに患者は治したいと思っているのですれ違いが生じて患者がインチキ療法に引っかかる」とか「患者には医学的な正しい知識がないから」…本当にそれだけでしょうか?

これだと暗に「標準治療を行う医師は常に正しくて患者が間違っているから医師と患者の間にすれ違いが生じるのだ」と言われているように感じてしまいます💦

医師の方はどうしても医師目線で医師の味方をしがちですが、患者の私も患者目線で患者寄りになってしまうかも…

今回はなるべくニュートラルな記事になるように心がけて書こうと思います。ちょっと長いですが、どうかおしまいまでお付き合いくださいませ。

 

ルーク
ルーク

俺は獣医さんはあんまり好きじゃないな、怖いから💦

よっしー
よっしー

そうねぇ、でも病気になったときは診てもらわないといけないわ。

 

患者が「治りたい」と思うのは当たり前です

病気によって異なりますが、医師たちが「インチキ療法はけしからん!」と嘆いていらっしゃるのは完治が難しい病気(進行したがんや糖尿病など)に関してでしょう。

もちろん、中には科学的根拠が皆無でとんでもなく高価なインチキと言われてもしょうがない療法もあります。そのような療法を擁護することはできません💦

でもね、中には「現在ガイドラインに載っていない治療はすべてインチキなので、そういう治療を勧める医師は消えてしまえばいいのに(※実際はもっと過激な表現)」とツイートなさる医師も。。

私は「インチキ治療はだめだ」と言うなら「そんなものに手を出さなくても、僕たちが標準治療でちゃんと治しますから」と胸を張って言ってほしいと思います。

残念ながら現代の医学ではまだそこまでいかないとしても、医学がまだ完全なものではないことを忘れないでほしいなぁと思います。

 



 

標準治療では治らない、でも標準治療以外は一切試してはいけない…これって「あなたはもう諦めなさい」と言われているのと同じじゃないですか。

医師としてガイドラインに従うしかないと言うのはもちろん分かるんですけど(何かあったとき訴えられるリスクもありますし💦)大事なのは「言い方」なのかな…と思います。

「自分たちは常に正しい」と思い過ぎないほうがいいかもしれません。なんたって医師も患者も人間です。神様ではないのですから。

いま標準治療ではない物の中には、いずれ標準治療に加わる物もあるかも!たとえば糖質制限はいくつかの国では正式に学会が認めています。

やたらと高額なお金がかかるとか、服薬している薬の邪魔になるようなものでなければ主治医の裁量で認めてくれても良い物もあるのでは?

 

ちっとも言う事を聞かない患者たち!

このブログを読んでくださっている糖尿病患者の皆さんは、病気ときちんと向き合っている方ばかりだと思います。

ところが、糖尿病専門医の先生方はちっとも食事療法を守らない患者たちに悩んでいらっしゃるようですよ。

スナック菓子1袋、アイス、それだけ食べても「あんまり食べてないです」と答える患者さんもいらっしゃるそうです。果物ならたくさん食べてもいいと思っていたり💦

どんなに指導をしてもちっとも守ってもらえないと、そりゃイヤになってしまいますよね。私たちのような患者って実はかなりの少数派!?

 

血糖値を下げる食べ物の話を信じている男性

 

そのうえ「先生、昨日の健康番組でやっていたんですけど、神食材の〇〇を食べると血糖値が下がるってほんとですか?」と訊かれようものならブチ切れそうですwww

一生懸命やっている患者に対しては、きっと医師たちも「よく頑張っているね」という気持ちでしょう。

でも、自分の言うことをちっとも聞かずによい結果が出ない患者ばかりだとウンザリしてしまいますよね💦

患者が食事療法を守れないのは、その患者の意志が弱いせいでしょうか、それとも…試しに同じ食事療法を何日間が先生方もやってみると、その原因と対策法が見えてくるかもしれませんね。

 

叱られるとうんざりしちゃう…

いろいろなタイプの患者がいるでしょうけど、たとえ患者に非があるとしてもあんまり叱りすぎないほうがいいかなと思います。

高校時代にやたらと口うるさいおばちゃんの教師がいましたが、彼女はめったにほめてくれず、誰かのちょっとした過ちをしつこく注意するのでかなり生徒から嫌われていました💦

一方、ある男性教師はいつも穏やかでめったに叱りません。そんな先生がごくまれに静かに怒ったときは、そりゃもうこたえました…男子も女子もみんなしょんぼりとうなだれたのを覚えています。

いつも叱ってばかりの先生だと「まーた言ってるよ、うるせーなぁ」で終わってしまいますけど、優しい先生がたまーに注意すると「そうだ、こんな優しい先生をがっかりさせちゃだめだ」と思うのが真面目な生徒です。

 

 

糖尿病専門医のみなさん、もし「患者が正直に話してくれない、私に隠し事をしている」「どうもイマイチ心がつかめない」ということであれば「自分からなんでも話したくなるような関係」を作りましょう。

私の主治医はどんな時でも決して私を叱らないし、私の食事方法やビタミンにダメ出しをしたこともないです。

そして何かうまくいかない時は上から注意するのではなく「どうしてなのか考えてごらん」といった感じで私が自分で気付くのを待つ感じですね。

私にとって彼は良きアドバイザーです。ショップの店員に例えると、うざいぐらい寄ってくるのではなく、私が呼んだ時だけアドバイスしてくれる絶妙な店員さんですwww

 

医師にも患者にもいろいろと大変なことがある!

糖尿病内科は、どこもかなり混んでいて先生方はめちゃくちゃ忙しいと思います。もしかしたら、ゆっくり食事をする暇もなかなかないのかもしれません。

そういえば私の主治医は平日ほとんど外来に出ていらっしゃるのに、ケトアシドーシスで朝7時過ぎに救急外来に行ったときその場にいらしたそうです。夜勤明けなの!?

激務なうえ、職場の人間関係のエトセトラはどこの業界も一緒らしいです…医師たちも大変なんですよね💦

以前どこかで「私たち(糖尿病専門医)がつい甘いものに走るのは仕事のストレスだからしょうがないわよねー」というのを読みましたが、患者にも同じことが言えるかも💦

 

糖尿病患者と主治医

 

2型糖尿病患者だからと言って、誰もが大量に食べすぎていたわけではありません。私の周囲で遺伝の方はむしろ小食な方もいらっしゃいます。

「果物は体にいいので適度に食べましょう」なんてよく指導されますが、りんごを1/6個食べただけでも血糖値がかなり上がってショックだった患者の気持ち、わかるでしょうか。

健康な医師に患者の気持ちが100%分かるわけではないことはもちろん理解しています。同じ病気の患者同士でも分かり合えないことがたくさんあるぐらいですし💦

でも、分かろうとしてくださるだけでも患者にとってはとても心強くて嬉しいことなのです。少しでも健康を意識して何か気を付けていらっしゃる先生方を見ると親近感がわきます。

「あたしは健康だから何をどれだけ食べてもいいけど、あなたは糖尿病だから気をつけなさいよ!」みたいに言われてると感じたらやっぱりイヤですもん。

 

自分の正義を押し付けないことが大事かもしれない

真面目な医師たちにしてみれば、診療ガイドラインに載っていることがいちばん正しいと信じていらっしゃるはず。

もちろん、ガイドラインがデタラメなわけがありません。それなりに根拠があることなのでしょうから。

ただ…もしかしたらそれ以上に効果のある方法がいずれ現在のガイドラインに取って変わることも十分にあり得ます。現在の方法が悪いのではなく、もっと良い物が出てくるかもしれないということです。

それに…あまりに正義感が強すぎると、集団で過剰な「叩き」に走ってしまうのがSNSの恐ろしいところでもあります。

 

 

私たち患者も、主治医の立場を思いやる事が大事だと思います。ケンカ腰では相手も「なにおーっ!」と思ってしまうというもの。

私の主治医は勤務医なのに何もかも自由にさせてくれていますが、どこの先生もあんなに自由にさせてもらえるとは限らないんじゃないでしょうか?

「どちらがより正しいか」を競おうとすると、ただバトルが勃発するだけで何の解決にもならないと思います。

不思議なもので、人間的に素晴らしい医師はたとえ食事や糖尿病治療に関する考え方が自分と少し違っていても「この先生のおっしゃることなら少し検討して取り入れてみようかな」と思うこともあるんですよ♪ごり押ししない事って大事ですね。

 

分かり合うことを諦めない!

眼科の主治医は父ぐらいの年齢で最初は挨拶してもシカトされていましたが、4年半ほど諦めずに続けていたらこのごろようやく「はい」と返してくれるようになりました。

すぐに仲良くなれなくても決してあきらめてはいけません。時間が解決してくれることもありますね。

医師も患者もどちらも同じ「人間」です。医師は単にそういう職業というだけで「医師だから全員優しくて…」とは限りません。普通にいろいろな方がいらっしゃいます。

もしどうしても主治医と分かり合えなくても、もっとあなたの気持ちを分かってくれる医師がいらっしゃるかもしれません。最後の手段として「病院を変える事」も一応覚えておいて。

 

年末年始も勤務しているお医者さんたち

 

私は基本的にいつも自分で考えて決めてしまいますが、困ったときはやっぱり主治医に相談します。「先生のおかげ」という気持ちを常に忘れないようにしています。

Twitterでは匿名のSNSなのでちょっと過激な医師たちの発言が飛び交っていますが、中には本当に素晴らしい医師もいらっしゃいますよ♪

医師と患者は何かとすれ違いやすいものですが、患者は医師を信頼して、医師は患者の気持ちになって考えることで分かり合うことができると信じています。

 

ルーク
ルーク

分かり合える獣医さんが居れば注射も怖くないですかねー?

よっしー
よっしー

それは分からないけど、良い先生を見つけましょうね💛

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