米神なじさんの糖尿病合併症の実録マンガに共感!
糖尿病でただ血糖値が高いだけではあまり自覚症状がない方が多いですが「糖尿病合併症」があるとなると話は別です。
私は糖尿病と診断されたときすでに「糖尿病神経障害」「糖尿病腎症」があり、16日間の入院治療を開始してから「糖尿病網膜症」も出ました。
そのため「明日の朝、目が覚めないかもしれない(自律神経障害による夜間の致死的不整脈)」「人工透析になるかもしれない」「目が見えなくなるかもしれない」という恐怖は常にちらついています。
左目には糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫もあるため、たまに2~3日ぐらい白くかすんで見えにくいことがあり、非常に不安になります。最近はよく見えていますが「明日またかすんだらどうしよう…」という不安はいつになっても消えることがありません。
↑↑↑米神なじさんは、20代で眼底出血から2型糖尿病が発覚し、両目を手術なさいました。そして緑内障と戦いながら経験談をマンガにしていらっしゃいます。
noteで彼女のマンガを見つけて「ああああ分かるぅぅ!!」とめっちゃ共感してしまい、許可をいただいてブログで紹介させていただくことにしました。
私はまだ緑内障ではありませんが、5年前から「眼圧が高いです」と言われてずっと眼圧を下げる目薬を使用していますから、常に緑内障に対する警戒・恐怖心はあります。
緑内障は糖尿病ではない方も多くかかりますが、糖尿病患者ではそうでない方と比べると発症しやすくなるということなのである意味、合併症に準ずるものと言えるかもしれません。
糖尿病合併症が出てから糖尿病に気づく方もいらっしゃるんですね。
そうなのよ、ちょっとばかり血糖値が高いだけでは痛くもかゆくもないもの!!
ただでさえ糖尿病になって辛いのに…
糖尿病になりやすい体質は遺伝子によって決まっており、かなりの個人差があります。同じ食事を食べて同じように育った双子の兄弟でも、一卵性双生児は二卵性双生児と比較して「どちらかが2型糖尿病の場合もう片方もそうなる確率」が非常に高いのです。
その人の「これぐらいなら糖尿病にならずに耐えられる」という限界には個人差がかなりあるので、よほどの不摂生をして初めて限界を超える方もいれば、わりと簡単に限界を超えてしまう方もいらっしゃいます。
また糖尿病合併症になりやすい人とそうでもない人がいて、やはりそれは遺伝子による差であることが分かってきています。普通の2型糖尿病だと思ったらMODY(若年発症成人型糖尿病)だったということもあります。
日本人に多いタイプのMODY3は遺伝子検査をしないと確定診断できませんが、MODY3では糖尿病網膜症や糖尿病腎症になりやすいという特徴があるそうです。
MODYも含めて、たとえ2型糖尿病患者であっても糖尿病合併症のある患者がそうでない患者よりもめちゃくちゃな生活を送ってきたとは限りません。1型の方は言うまでもありません。
私は糖尿病と診断される前、約15年間玄米食をしていました。肉の皮や脂身は健康の敵だと思っていたので食べずに捨てていました。
ところが父や弟と同様、2型糖尿病になってしまいました…ケトアシドーシスで入院した時「私、何か悪いことをしたっけ?きっとしたんだ。月に1度スタバでキャラメルフラペチーノを飲んだのがいけなかったのか?それとも…」とひたすら自分を責めるばかり。
よく考えたら、誰でもそのぐらいはしている「人並みの楽しみ」じゃないですか。もっとしょっちゅういろいろ飲み食いしてもなーんともない人はたくさんいます。私たちは「罪人」じゃないんだから。
「糖尿病の人はお菓子を食べ過ぎたため発症した」といった誤った理解をする人がいまだに少なくない。(糖尿病ネットワーク様のサイトより引用)
医師が寄り添ってくれるだけでとても嬉しいです
私はこの5年半で糖尿病内科の主治医が2回代わっていますが(大きな病院なので転勤とかいろいろある…)どの先生も皆、患者を責めるような方ではなかったです。
入院中、同室の患者さんたちは悪気なく「うちの夫も糖尿病でね、インスリン注射をするようになってからしばらくして死んだの」とか「その若さで糖尿病?私みたいにお菓子を食べ過ぎたんでしょ。今までの生活を反省しなさいね」などと精神的ダメージを与えてくれましたが。
患者によっても異なるのでしょうけど、私はお医者さんたちが自分たちの過去を責めず、「頑張ってるね」と言ってくれたり、時には「うん、辛いよね」と言ってくれるだけでも救われた気持ちになります。
↓↓↓ただ治療するだけならアンドロイドの先生でいいんですよ、そのうち実用化されるでしょうね!(彼・彼女には目の光がないことに注目してください)
だって先生たちが普段普通にやっている楽しいこと…たとえば新作のパンやスイーツを買って食べるとか、そういうことですら私たちはできなかったりするんですもん。
運動しても逆に血糖値が上がることもありますし、合併症があるので以前はあんなに好きだった高強度の筋トレや格闘技エクササイズももうやることができないんです。辛いです。
それでも、糖尿病合併症を持つ私たちは日々の不安と戦いながらあれこれ工夫し、時には何もかも投げ出してしまいたい気持ちになることもありますが、何とか暮らしているのです。
「みんな一生懸命やっているんだな」と思ってもらえたら救われます…「糖尿病は患者単価が爆上がりで儲かる」「2型糖尿病は自業自得」なんてSNSに書く医師はごく一部の方だけと信じたいです。
他の方たちには糖尿病合併症を回避してほしい
私は糖尿病になりやすい体質を父から受け継いだために発症してしまいましたが、別に仙人のような生活を送っていたわけではありません。だから「不摂生など絶対にしていません!」とは言えません。
ただしそれは世間一般の方の平均と比べると果たしてどうなんだろう…と疑問に思います。私は夜中にお菓子やラーメンを食べたことなど1度もないんですけど、これをやっていても糖尿病にならない人もたくさんいらっしゃるじゃないですか。
「バランスよく食べて適度に運動していれば糖尿病にならないし、真面目に通院して治療していれば糖尿病合併症も進行しませんよ」というのはあまりにも現実とかけ離れています。
実際にはそうではない方をたくさん知っていますし、糖尿病未治療だった重症の患者さんが入院治療を始めたら糖尿病合併症が悪化した症例も手持ちの医学書に書かれており「糖尿病治療に関わる者として、少なくとも医原性の合併症は作りたくないものである」と〆られていました。
医師でも糖尿病合併症の当事者でもない方から「バランスよく食べて適度に運動していれば糖尿病にならないし、真面目に通院して治療していれば糖尿病合併症も進行しない」とは私は言われたくないですね。
糖尿病合併症はそんなに単純なものではないので…そして、糖尿病合併症になる方は必ずしも不摂生したとは限らないけれど「早期発見」「自分に合った治療方法・食事療法の選択」は大事だと思います。
病気があると精神的にもかなり辛いので、時に「なんで私だけ不幸なのよ!みんなも不幸になっちゃえばいいのに」と思ってしまう方もいらっしゃいますし、そのような言葉を言われたこともありました。
でも、やっぱり「みなさんには糖尿病合併症になってほしくない」と私は思います。先ほど紹介した米神なじさんも同じ思いでしょう。特に未来ある若い方たちには苦しんで欲しくない…だから私たちは自分の体験を語るのです。
糖尿病合併症にならないためにはどうしたらいいのか知ってほしいですよね。
人それぞれ違うのだから、みんなが同じ方法でうまくいくわけじゃないっていうことも忘れてはいけないわね。