糖尿病患者はタンパク質不足&糖質過剰!?
アメリカのオハイオ州立大学とアボット社の調査で、糖尿病患者の半数はタンパク質の摂取量が1日あたりの推奨摂取量を下回っていることが分かったそうです。
そしてタンパク質の摂取量が少ない糖尿病患者は、糖質の摂取量が12.5%多い事も分かりました。つまり肉や魚、卵が少なくて糖質に偏った食事になりがちなのですよね💦
特に高齢者のタンパク質不足が筋肉量の減少などを引き起こすということで、日本でも2020年版の「日本人の食事摂取基準」から高齢者のタンパク質摂取目標量が増えています。
上の表は糖尿病ネットワーク様のサイトから引用させていただきました。特に女性、18歳も75歳以上もタンパク質の摂取推奨量はまったく同じになっています。
しかもこれは、特に筋力トレーニング等を行っていない方に推奨される量ですからね。日常的にトレーニングを行っている場合、タンパク質必要量はさらに多くなります。
あなたの食事でタンパク質は足りているでしょうか?タンパク質が少なくて糖質過剰になってはいないでしょうか?
オレたち猫は特にタンパク質が重要なんだ。
人間にとってもかなり重要ね。臓器も筋肉もタンパク質だから。
タンパク質と腎臓
「えーっタンパク質をしっかり摂取すると腎臓が悪くなりそうだし~」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、上述の通り、糖尿病患者はむしろタンパク質摂取量が足りていない方が多いです。そして糖質摂取量が多いです。
それで糖尿病腎症になる方が多いのはなぜでしょう?何よりもタンパク質が悪いなら、かなりタンパク質を多く摂取しているアスリートやボディビルダーの方はみんな腎臓を悪くしていそうですが💦
すでに腎臓がかなり悪くなってしまった方はタンパク質の摂取制限が必要になることもありますが、そうでない方がタンパク質摂取によって腎機能が悪化するというエビデンスはないそうです。
健康な方は糖尿病腎症にならず(当たり前ですが)糖尿病患者は結構な確率で糖尿病腎症になるのはなぜなのかを考えましょう。
単純にタンパク質を食べるから良くない、ということではないことは明らかだと思います。特に動物性タンパク質に含まれる含硫アミノ酸には、血管を丈夫にし、血圧を下げる効果があると報告されています。
腎臓の糸球体は細い毛細血管の塊ですから、この血管が脆くなるとどうなるかを想像すると…怖いですよね💦
タンパク質不足で筋トレしても無駄かもしれない
フィットネス界隈では今さら言うまでもありませんけど、タンパク質が不足した状態で筋トレを行ってもかえって逆効果になりかねません。
「筋トレさえしっかり行っていれば食事はなんでも大丈夫」であればボディビルダーの方々はあんなに苦労はなさらないわけで…💦逆にタンパク質が足りていても運動なしなら日常生活に必要なだけの筋肉しかつきませんけどね。
標準よりも痩せている2型糖尿病患者は筋肉量が少ないと言われており、筋肉量を増やす努力は大事ですが、食事がきちんとしていないとますますやせ細る結果になりかねません。
すでに腎機能がかなり低下していて筋肉量を増やしたい糖尿病患者はどうしたらいいのか…となるとかなり難しい問題ですが、糖尿病と腎臓病の両方に詳しい医師に相談できればベストですね!
そして、すでに何らかの糖尿病合併症がある場合は高強度の運動で悪化する場合があり、運動制限や運動が禁止されることもあるので筋トレを始める前に必ず主治医とご相談ください。
まずお医者さんに相談してからだね!
糖尿病の他に持病のある方は特にそうね。食事療法も運動療法も慎重に!