「本以上に学べること」は何もない!?
みなさんはTwitterなどのSNSでお医者さんのアカウントをフォローなさっていますか?私は以前はたくさんフォローしていましたが、最近ではかなり厳選しています。
正直、医学書に書いてあることだけが全てだと思う人は、書店でお金さえ出せばいくらでも分かりやすい最新の医学書を買えるので(医者じゃなくても!)そうすればいいと思います。
本に書いてあること「しか」言えない先生からは「本以上に学べること」は何もないということにようやく気づきました。当然と言えば当然ですし、それが必ずしも悪いことではありませんが…
↑甘栗ミカコはSNSは一切やっていない設定です…忙しそうですし。
もちろん「医学書を信じているけど、医学書に書いてあることは難しすぎて理解できない」と思う方は、医学書に書かれていることをわかりやすく説明してくれる先生方をフォローすればいいと思います。
ただ私のように「医学書に書かれていることが100%何もかも正しいとまでは思っていない」と考える方は、それでは何か物足りないのではないでしょうか。
「少しでも本に書いてないことを言ってはいけない」というのは何となく分かるのですが、果たしてその通りにしてすべての患者が救われるのかどうか…ですよね。
確かに本に書いてあることしか言わない先生からは、本以上のことは学べませんよね。
それが良いか悪いかは置いておくとして、事実そういうことになるわね。
教科書に書いてあること以外はすべて間違っている!?
もちろん「医学書に書いてあることは全部間違いだ」なんてことは思いません。個人的には「おおむね正しいんだろうけど、必ずしも全ての患者に当てはまるとは限らないだろう」と考えます。
糖尿病に限りませんが、たとえば皮膚疾患などで「この病気にはこの薬がもっとも有効であるというエビデンスがなんちゃらかんちゃら~」という薬を正しく使用してもなかなか改善しない、といった経験をなさった方もいらっしゃるでしょう?
医師は「この薬はほとんどの患者に効果があるから素晴らしい薬だ!」と仰るかもしれませんが、効果がなかった人にとっては何の意味もありませんよね?
なかなか改善しない患者たちの弱みにつけこんで、効果が期待できないインチキな健康食品などを売ろうとする人がいるのは事実かもしれません、これはゆゆしき問題です。
でも「医学書に載っているもの以外はすべてインチキだ」というのはあまりにも乱暴だと思うのです。
たとえばある開業医が「そんなものは関係ない!効果など無い」と言っていたものが、どこかの大学病院では患者に勧めていたりすることもあるのです。本当にインチキなら、大学病院がそんなことはしないでしょう。
「効果が期待出来るかもしれないけど、まだデータが不十分である」ものはたくさんあるはずです。そのようなものまで一緒くたに「インチキ」で切り捨てるのは実にもったいないことです。
私は「○○が糖尿病に良いらしい」と聞いてすぐに飛びつくことはしません。テレビの健康番組レベルの情報だったりすることも多いからです。
でも、たとえまだデータが十分とは言えないまでも、多少なりとも研究が行われていて改善した人のデータが有るなら自己責任で試してみようと思うことがあります。だから論文を検索します。
データが十分に揃ってそれが診療ガイドラインに載るまで待っていたら、残念ながら自分はもう手遅れでした…なんてことになる可能性は大有りですものね!
偏った情報発信をしている医師も多い…
「有名なお医者様の仰ることはすべて正しいに決まってる!」と考える方もいらっしゃいます。でも、必ずしもそうとは言い切れないかも?
自分が好きなものには甘く、自分が嫌いなものはとことん悪く言う方もいらっしゃいます。医師といえども人間ですからね。
甘いものが大好きでスイーツを食べるのが生き甲斐の医師が「甘いものは健康に良くないです!」とおっしゃるでしょうか?お酒好きの医師が「禁酒しましょう!」と呼びかけるでしょうか。
そして最近では感染症がらみで医師の間でもいろいろ意見が対立したりもしていますが、根拠を示さずに「○○はデマです」「私が診ている患者さんは…(真偽不明)」なんていうのも山ほどあります!
そしてこれは以前、実名で活動している本物の医師から教えていただいたのですが、フォロワーが1万人以上いる医師アカウントでも「たぶんあれは偽物だろうね」と言われている人もいるそうです。
「本物」なら正しいことしか言わない、とも言えない現実は大いに問題だと思いますけど、SNSは医師ですら無い「自称医師」も結構混じっているというのが現実です。
とにかく「○○はダメです」と断言しているのにその根拠となるデータを何も示していない方のことは、いくら医師と名乗っていても安易に鵜呑みにしないほうがいいのではないでしょうか。
もしかしたら「どこかから頼まれて、何らかの意図を持ってそのように情報発信している医師」もいらっしゃるかもしれないのですから。
アンドロイドではない、人間の医師♪
医学書に書いてある内容を求めているが、それを読んで理解するのは難しい…という方々のために分かりやすく説明できる医師はたしかに必要だと思います。
ただし「教科書に書いてある以上のことを知りたい、学びたい」という方には物足りないのではないでしょうか。教科書の内容だけなら、私がときどきこのブログの漫画に登場させているアンドロイド医師で十分かも!?
無難なことしか言っちゃいけない、立場上…というのは重々承知しているんです、でもそれでは金太郎アメみたいに誰でも同じ、どの人でも同じですよね。
私なら、そういう先生をフォローする意味は特にないので、もし「マニュアル的な情報」を知りたいなら書店で医学書を買います。それだけで十分だと思います。
そうではなく「これは自分の臨床経験ですが…」などとマニュアルにないことも教えてくれる医師の方なら、フォローする意味があるかなと思います。または、面白いことを書いていらっしゃる医師とか。
もちろん、情報の受け取り方・取り入れ方は自己責任でね…医師による情報発信を含めて、ネットの情報は玉石混淆ですから!
だからよく考えないといけませんね!
フォローする意味があるかどうかは、自分でよく考えましょうね。