2型糖尿病を克服できた患者さんのサクセスストーリーは、診断されたばかりで絶望してしまっている患者さんたちにとっては大きな希望となりますよね。
私は妊娠糖尿病が産後いったん正常値になり、その後定期的に検査に来るようにという指示も昔の事でまったく無かったので何年も専業主婦で血液検査を受ける機会がなく発見が遅れてしまいました。
そしてとんでもなく体調が悪化してようやく診断されたときには、すでに糖尿病合併症がいくつか出てしまっていました…みなさんにはこうならないで欲しいです💦
まだそれほど進行していない糖尿病の方が運動や食事などの努力によって糖尿病を克服(寛解)なさるのは非常に素晴らしい事です。
ただ、「私は頑張って〇〇をしたおかげで糖尿病が寛解しました!」という体験記を読んだ方の中には、「そうか、じゃあ寛解しない人は〇〇してないんだ」と思ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2型糖尿病とひと口に言っても、もともとの「糖尿病のなりやすさ」にはかなり個人差がありますし、同じ食品を食べても血糖値の上がり方が人によって異なることはみなさんもご存じのはず。
「私は今までまったく勉強していませんでしたが、真面目に授業を聞くようにしただけで東大に合格できました。東大に行けない人は勉強していないからです!」と言う人がいたら素直に賛同できますか?そんな感じです。
まぁ実際はそんなに賢い方であれば「同じように努力しても自分のようにはうまくいかない人もたくさんいるのだ」ということはご存じの方がほとんどだとは思いますが💦
また、糖尿病合併症がある程度以上進行してしまうと、そこからどんなに血糖コントロールを頑張っても合併症の進行を止めることは難しいそうですよ。失明や人工透析になられた方がみなさん真面目に治療していなかったとは私には思えません。
努力によって糖尿病を克服する方がいらっしゃるのは素晴らしい事ですが、だからといってそうならない人の努力が足りないというわけではないということは分かってほしいですね。
みんな同じようにはいかないから糖尿病って簡単じゃないんだよね。
誰もが簡単に良くならないからこそ先生たちも苦労なさると思うの…でもできることをやりましょう!