糖尿病は静かに全身をボロボロにしていきます
糖尿病は、とても恐ろしい病気です。血糖値が高いこと自体や尿に糖が出ることそのものが怖いわけではありません(わざわざ尿に糖を捨ててしまう薬があるぐらいですから…)。
問題なのは、病気をうまくコントロールできていない状態が長く続くと自分でも気が付かないうちに身体のあちこちが少しずつ侵されてボロボロになっていくことです。
よっしーは次男を産んでいったん耐糖能がギリギリ正常値に戻ったかのように思われましたが、内科に通うようにという指示もなく、幼い息子たちを抱えて専業主婦の期間が何年も続いたので健康診断を受ける機会を逃してしまいました。
やっと生命の危機を感じて救急外来を受診したとき、すでに両方の腎臓が腫大し、タンパク尿や血尿、糖尿病神経障害があり、少し遅れて糖尿病網膜症になり目の奥に水がたまりました…
上の漫画では、糖尿病の治療にいまいち真剣に取り組んでいない自覚のある男性がとても恐ろしい夢を見ました。
糖尿病合併症で全身の血管や臓器、脳までも侵された彼を待っていたのは「記憶を取り出してアンドロイドの体にうつす」…つまり人間の心を持ったロボットになるという治療でした💦
いくらなんでも現実にはこんなことはないでしょうけど、知らない間に身体のあちこちが侵されていくのは本当ですからね…ぞっとするでしょう?
アンドロイドドクターの「コレデナンデモスキナダケ食ベラレルヨウニナリマス」が怖いです…あなたはどんな姿になったとしても、何を食べても大丈夫な身体を望みますか?
僕はこんなのいやです!生身の猫の身体でいたいです。。
部分的にこれに近いことは、あるいは行われるようになるかもしれないわ。
糖尿病はあなたの身体のあちこちを蝕んでいきます
病気といってもカゼのように数日間おとなしく寝ていればすっきり治ることが多い病気もありますし、病院で薬をもらって飲めば治る病気もあります。
しかし残念ながら糖尿病は、ほとんどの場合「完治」はできない病気です。ものすごく不摂生をしていて短期間で太って糖尿病になった人が痩せれば寛解もありますが、完治と寛解は同じではありませんよね。
「あなたは糖尿病です」とはっきり診断されるよりも前、境界型糖尿病と言われる段階からすでに動脈硬化は始まっています。
また糖尿病の初期からすでに高血糖・インスリン抵抗性・高インスリン血症などから少しずつ心臓の筋肉が線維化していきます(糖尿病性心筋症)。
糖尿病と言えば、進行すると目が見えなくなったり人工透析になったり足を切断しなければいけなくなるのが怖いと思われがちです。
しかし、糖尿病患者はある日突然心臓突然死をする確率が健常者の方と比べるとかなり高いのです。これはとても恐ろしいことです💦
ちょっとばかり血糖値が高いぐらいでは痛くもかゆくもなく、やっと自覚症状が出て気が付いた時にはすでに身体のあちこちがボロボロ…それが糖尿病の恐ろしさです。
しかも心を入れ替えてきちんと病院で治療を受けたとしても、必ず病気の進行が止まるという保証はまったくないわけです。
ドラえもんは好きなだけ糖質を食べられるが…
誰もが知っている有名なロボットと言えば『鉄腕アトム』や『ドラえもん』ですが、彼らは人間が食べるのと同じ食物を普通に食べて体内でエネルギーに変換することができます。
アトムはたびたび「エネルギー」をガソリンの給油のように注入しているシーンがありますが、友人宅に遊びに行ったとき、その友人が母親に「こいつはロボットだけどお菓子を食べられるようにできているんだ」と説明するシーンがあったので人間の食物も食べられるのでしょう。
そしてドラえもんは家族の一員として普通に人間の食べるものを食べ、大好きなどら焼きを買いに行って食べたりしていますよね。
ドラえもんはどんなにどら焼きを食べまくっても決して糖尿病にはなりませんけれど、あなたはドラえもんが羨ましいですか?
漫画では主人公の夢の中でアンドロイドドクターLC001くんが「コレデナンデモスキナダケ食ベラレルヨウニナリマス」と話しています。
現実にはここまではないでしょうけど、糖尿病などでボロボロになった内臓を簡単に「新品」と取り換えられるようになる時代はもうすぐ来るかもしれませんね。
手塚治虫さんの『火の鳥・生命編』に登場したおばあちゃんは、「死にたくない、死にたくない」と何度も手術を重ね、最終的には脳だけ自分のもので脳以外はロボットになってしまいました。
糖尿病は全身の血管や神経をじわじわと蝕んでいきますが、ロボットやクローン技術が進んだとしても、もしあなたがあなたである証の脳までも侵されてしまったら…その時あなたはどうなるでしょう?
糖尿病の未来はどうなるのだろう
1型糖尿病と2型糖尿病では、おそらく1型糖尿病のほうが先に「完治できる病気」になるのではないかと思います。
失われてしまったすい臓のβ細胞を再び増やして補う研究はかなり進んでいるからです。しかし2型糖尿病はどうでしょう?
2型糖尿病の場合、生まれつきの体質がかなり関与しています。遺伝子を書き換えでもしない限り、β細胞を増やしても今までの生活を変えなければまた同じことが繰り返されるでしょうね。
いつか「誰でも確実に効果があって、しかも危険な副作用が絶対に起こらない素晴らしい薬」が発明されればいいんでしょうけど、残念ながらそのようなカンペキな薬は難しいでしょう💦
アンドロイドとは違い、私たち人間は病気になりますし、食べるものによって健康状態は大きく左右されます。壊れた部品を簡単に取り換えることは、まだ一部を除いてはできません。
しかし、遠い未来の世界で私たちの病気や生命に対する考え方はどう変わっているのでしょうか。もしかしたら、今の私たちには想像もできないような世界になっているかもしれませんね。
いつか糖尿病が完治する時代が来るかもしれませんが、何を食べても血糖値が上がらない状態になって好きなものをたくさん食べることが、その人にもっと怖い別の病気をもたらす可能性もあります。
どうしたらいいのか、どうなりたいのか、最終的にどうなることが一番幸せなのか…なかなか簡単に答えの出ない問題をかみしめながら、今日も時間が流れていきます。
僕はこれからも猫らしい生活を続けたいと思います。
私も病気と闘いながら、これ以上悪化しないように頑張って生きるわ!!
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