お医者さん同士で意見が衝突するのはなぜ!?
次男が赤ちゃんの頃、顔にひどい湿疹ができていました。出産のときにお世話になった総合病院ではなく近所の小児科のおじいちゃん先生に診てもらうと「顔の洗い方が良くないのかな」と。
じつはおじいちゃん先生の息子さんも小児科医なのですが、息子先生は「アレルギーかも」とおっしゃっていたのでそのことを伝えると「ナニ?若いモンは勉強が足りないからなぁ」ですって💦
性格がキツい看護師さんから「ちゃんと顔を洗っているの?あなたは母親失格」的な事を言われて悔しくて家で泣いてしまいました。
結局その時は息子先生の診断が正しくて、食物アレルギーと分かって母乳をやめてアレルギーミルクに変えたらウソのようにすべすべの肌になりましたけどね…なーにが母親失格だよ!!
その時は息子先生の診断が正しかったですが、別の時はおじいちゃん先生の診断が正しかったこともありました。勝率は五分五分といったところでしたw
ネットではたまに「医師などの専門家の言うことは正しい、素人は黙ってろ」なんて言われることもありますけど、医師同士で意見が分かれることがよくある時点で「医師の言うことは常に正しい」という理屈は破綻しています💦
息子先生は「自分は最新の医学を学んでいる」という自信があるでしょうし、おじいちゃん先生は「自分には長年の経験がある」という自信がおありだったでしょう。
どの先生も基本的に「自分は正しいことをしている」と思ってやっていらっしゃるはずで、だからこそ意見が割れることもあるんですね。でも患者は誰を信じたらいいの?
それは困りますよね…医師同士ということでプライドもあるでしょうし。。
困るのは患者よね。お互いに「自分が正しい」と言われても💦
その意見の根拠はどこにあるか?
糖尿病に限らずですが、おそらく多くの医師たちは「ガイドラインに載っている治療が医学的に正しい治療だ」と思っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
しかし残念ながら、皮膚科でガイドライン通りの薬を出されてきちんと飲んだり塗ったりしても少しも良くならなかったという経験は何度もあります。副作用が出て中止した方も!
別にガイドラインにウソが書いてあるなんて思いません。それなりに多くの患者さんに対して効果があることが証明されたからこそガイドラインに載るんでしょうから。
ただ問題は、ガイドラインに載っている治療は現時点では最良だろうと認められた方法ではあるんですけど、全員の患者に効果があるとは限らないということです💦
もし100人中85人に効果のある方法があったら、それは医師たちから見れば素晴らしい方法かもしれませんし実際に85人は救われるのです。
でも、もし残り15人のうち10人は少しも病気が改善せず、残り5人は危険な副作用が出るとしたらどうしますか?不幸にもあなたが5人のうちのひとりに入ってしまったら?
「100人の患者さんのうち85人の方は治っているんです!ほかの方法はありません!これが医学の限界なので諦めてください!この治療以外はすべてインチキです」と言われてしまったら悲しいですよね?
「全員を助けることができないのは仕方がない」と思う先生もいらっしゃいますし、「1人でも多くの患者さんを救うためにはどうしたらいいのかな」と悩む先生もいらっしゃいます。
「正しければ必ず標準治療になるはず」とは言い切れない
「本当に安全で効果のある治療ならすぐに研究されて標準治療として採用されるはずだ」と信じている方は多いのではないでしょうか?
でも残念ながら、必ずしもそうとは限りません。もしその方法が世の中に出ることで特定のいくつかの団体の儲けが激減するとしたら、反対されても当然ではありませんか?医学研究の費用を出す大企業はどこ?
昔アメリカでは「砂糖」と「脂質」の両方が心臓に悪いと考えられていたそうですが、当時のアメリカ砂糖研究財団(現在のアメリカ砂糖協会)のヘンリー・ハース会長がハーバード大学の研究者に資金提供をして「脂質が悪の根源だ」とする内容の論文を書かせたんですって。
今日の貨幣価値に換算して約5万ドルを支払い、砂糖業界に都合の良いように研究の結果を操作するよう依頼していたというのです。
このようなことが世界中でアメリカだけでしか起きていないと断言できるでしょうか。またお医者さんたちは製薬会社主催の勉強会で一生懸命勉強をなさっていらっしゃいます。
それが先生方の考えにどのような影響を与えるかは、聡明な読者のみなさまにはわざわざ説明する必要もないと思います…お医者さんたちからもいろいろ裏話を聞いております💦
要するに「正しいものは必ずガイドラインに載るとは限らないし、現在ガイドラインに載っていないものは正しくないからだとは言えない」ということですね。
一般的に(すべてではない!)糖尿病専門医の先生たちが糖質制限に対してあまり好意的ではなく、他科の先生たちはけっこう好意的だったりするのにはこんな事情もあるのです。
↑しらねのぞるば様のブログ記事もとても興味深いです!ぜひお読みください。
ただ気に入らないものを批判するのは簡単だけど…
漫画では「実の医師親子」の意見がまっぷたつに分かれてしまいましたが、これはウソのような本当の話です💦
私は息子先生もおじいちゃん先生もそれぞれ名医として信頼していましたので、どちらか一方だけが常に正しい!とは思えなかったです。
ネットではたまに「私が医師として正しい医療情報を発信します!ほかの医師はインチキな事を言う事もありますけど自分たちはいつも正しいです」なんて先生もいらっしゃいますけど、自分で正しい正しいとおっしゃる先生のことは悪いけどかえって信用できません。
だって専門医の先生同士でも見解がまっぷたつに分かれることがあるじゃないですか?お互いに「正しいのは自分です!」と言われても、間に挟まれた患者は困っちゃうのね。
本当に患者のことを思ってくださる先生たちって、「自分が一番正しいんです!」よりもまず「すべての患者さんが良くなるといいな」って考えて下さるんじゃないでしょうか。
そして経験豊富な先生たちほど、標準的な方法ではなかなか改善しない患者さんも多数見て知っていらっしゃるはずなのね。
ひとつの方法ですべての患者さんが良くなるわけではない事実、そしてひとりでも多くの患者さんを救いたいという思い…そうであれば、自分が信じるひとつの方法だけに固執することはないような気がします。
糖質制限に関して言えば「ありえねぇ、絶対にダメ!」とおっしゃる糖質大好きな先生もいらっしゃれば「いずれ日本でも認められるはず、自分は賛成ですよ」とこっそり話してくれる先生方もいらっしゃいます。
一部の先生たちが糖質制限を批判するとき、必ずしも「危険である」という科学的根拠はなかったりします。その根拠を尋ねると嫌がられることもありますね💦
「医師の言うことは絶対に正しい」と思っている人たちもいる以上、根拠がよく分からないのなら簡単に批判してほしくないなと思います。
先日はステーキをたくさん召し上がっている方が一人お亡くなりになりましたが、その方のステーキ開始前の血液検査データ等も分かりませんよね。
何より、日本では毎年7万人の方が心臓突然死をなさっているという事実があるのですが、その方たちの食生活はどうだったのでしょうか?みなさん肉ばかり食べていたのでしょうか?
【心臓突然死の現状①】
日本では毎日多くの人が心臓突然死で命を失っています。
その数は、1年間で約7万人。1日に約200人。
原因の多くは「心室細動」と呼ばれる重篤な不整脈です。
心室細動になると心臓は震えるのみで血液を送り出せなくなります。
いわゆる心停止の状態です。— 日本AED財団 減らせ突然死プロジェクト (@aed_project) January 7, 2020
どのお医者さんも「神様」ではないのだから。。
どんなに優しい医師でも決して「神様」ではありません。人間が人間を治す以上、時には間違う事だってありますよね。
どの先生の言葉が正しいのか迷ってしまうことはあると思います。極端に言えば「A先生の本を読んでA先生を崇拝し、何かのきっかけで今度はB先生にはまってA先生を悪く言い始める」ような方もいらっしゃいます。
しかし、「神様」たる医師が存在しない以上、すべて自分できちんと考えて冷静に判断しなければいけないのではないでしょうか。
「この前の件はA先生の判断が正しかったけれど、今回はB先生だな」などとその都度落ち着いて判断することができるといいですね。
「いつも自分が正しいんです!」と大声で叫んでいるような先生は副業を頑張っている先生が多いので、話半分に聞いておくといいかもしれません💦
本当にあなたのことを思いやり、どうしたらマニュアル通りの方法ではなかなかうまくいかないのか真剣に考えてくれる先生はすごく良い先生だと思いますよ。
先生同士で意見が分かれる事ってよくあるんですね!
そうよ、だから良く考えて判断しなければね。